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第4回電竜戦の戦法調査

 2023年12月2,3日(土,日)に電竜戦というコンピューター将棋ソフトの大会が行われた。そこでの戦法を調査していきます。 この記事を読めば ・戦法の採用数はいくらか ・戦法の勝敗数はいくらか ・先後勝敗数はいくらか がわかります。 昨年との比較をされたい方は以下のリンクから DR3A級の戦法調査 DR3全体の戦法調査 A級編 今大会A級の傾向をまとめる ①振り飛車激減かつ全敗 ②角換わりor相掛かりor力戦が人気 ③先手が極めて勝ちやすい(勝率68%)  振り飛車が

    • チェスを参考にソフト指し防止法を考える

      はじめに2023/6/4に行われた学生名人戦で、ソフト指しが行われ不正に優勝を手にしたプレーヤーがいた。その後そのプレーヤーは失格となり、2位以下が繰上げで優勝した。そのような人がいるんだと言う驚きが正直な感想であるが、しでかす人には性善説は通用しないので、絶対できない仕組みを整えることが重要だと筆者は考える。そこでアマチュア棋戦でも可能な防止策をチェスを参考に考えよう。 具体的な防止策Salomėja Zaksaitė の論文の中から下記の5つの項目を抜き出し筆者が考

      • 角換わり腰掛け銀の先手必勝定跡2

        以前の記事(下)の後、水匠の定跡が公開された。テーマ図から☗4五桂と仕掛けて☖4四銀の方を以前解説したので今回は☖2二銀の方を解説する。 桂馬の高跳び歩の餌食になっても テーマ図以降 ☗4五桂 ☖22銀 ☗3五歩 ☖4四歩 ☗3四歩 ☖4五歩 ☗同歩(図1) 図1以下     ☖6五歩 ☗同歩 ☖同桂 ☗6六銀 ☖6四歩 ☗4四歩 ☖8六歩 ☗同歩 ☖同飛 ☗8七歩 ☖8一飛 ☗5五銀左(図2) 図1に戻って    ☖6五歩 ☗同歩 ☖7五歩 ☗6四歩 ☖7六歩 ☗同

        • 電竜戦A級の戦法調査

          前回の記事では全体の電竜戦の戦法調査を行なった。今回はA級に絞って戦法調査を行う。 この記事を読めば ・戦法の採用数はいくらか ・戦法の勝敗数はいくらか ・先後勝敗数はいくらか がわかります。 前回との違いは筆者が全ての棋譜を見ております。棋譜の欠けはありません。 それでは早速本題へ 全体編 相居飛車編 横歩取りの後手勝ちはあらきっぺ氏切負けによる。局面は互角であった。横歩取りの後手は全てDigorillaであったが定跡通りの手順ではなかった(図1)。図のようになぜか全

        第4回電竜戦の戦法調査

          電竜戦の戦法調査

          2022年12月3,4日(土,日)に電竜戦というコンピューター将棋ソフトの大会が行われた。そこでの戦法を調査していきます。 この記事を読めば ・戦法の採用数はいくらか ・戦法の勝敗数はいくらか ・先後勝敗数はいくらか がわかります。 以下の点にご留意ください ・戦法の分類はプログラムで行ったため人間の分類とは異なる場合があります ・総対局数は428局ありましたがいくつかデータが欠け,400局強の調査となります ・戦法の雑感を書きますが,全ての棋譜を見て述べているわけではあり

          電竜戦の戦法調査

          角換わり腰掛け銀の先手必勝定跡

          1章 必勝定跡の威力 2022年12月3,4日(土,日)に第3回電竜戦という将棋ソフトの大会が行われた。その大会では水匠が優勝した。水匠によると角換わりの冒頭のテーマ図では先手必勝らしい。開発者が大会前に調査したところ,なんと先手が100戦100勝であった。つまり必勝定跡があるのだ。電竜戦においてその定跡が使用された。大会でもこの定跡が現れると,全て勝利を収めていた。 ではテーマ図に至る過程を見ていこう ☗7六歩 ☖8四歩 ☗2六歩 ☖8五歩 ☗2五歩 ☖3二金 ☗7七角

          角換わり腰掛け銀の先手必勝定跡