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2022年度升田幸三賞と名局賞の発表

4月3日、2022年度の対局を対象とした「第29回升田幸三賞・第17回名局賞」が発表されました。観る将としてはもっとも注目している表彰なので、各賞の結果を確認しておきたいと思います。


■第29回升田幸三賞

升田幸三賞:嬉野宏明氏(嬉野流)
升田幸三賞特別賞:該当なし

升田幸三賞は、嬉野流を編み出した嬉野宏明氏が受賞しました。嬉野流は、プロの将棋ではほとんど見かけないので私は詳しく知りませんでしたが、アマチュアで広く流行している戦法だそうです。

初手6八銀から前例のない力戦に持ち込むことが最大の狙いであり、一般的には奇襲戦法に分類されることが多い。しかしながら奇襲を防がれても互角に戦える点が、鬼殺し等の従来の奇襲戦法とは大きく性質を異にする。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

■第17回名局賞

名局賞:第72期ALSOK杯王将戦第二局 〇羽生善治九段 ●藤井聡太王将
名局賞特別賞:第16回朝日杯将棋オープン戦本戦 〇藤井聡太竜王 ●増田康宏六段

名局賞は、王将戦第二局が選ばれました。羽生九段の▲8二金という名手が出た将棋で、私は升田幸三賞の候補に挙げていました。反撃に転じた藤井王将が連続王手で先手玉に迫りましたが、羽生九段が正確な応手で逃げ切った名局賞に相応しい内容だったと思います。
名局賞特別賞は、朝日杯の藤井竜王対増田六段戦が選ばれました。藤井竜王が絶体絶命の局面から大逆転した将棋で、増田六段にも大きなミスがなかったことを含め、早指し棋戦ではありますが受賞に値する内容の濃い将棋だったと思います。


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