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第34期竜王戦決勝トーナメントの展望

竜王戦は、1組から6組のランキング戦を勝ち上がった11名による変則的なトーナメントを行い、決勝は挑戦者決定三番勝負が行われます。トーナメントは下図の通り上位の組に有利な形となっており、下位の組から勝ち上がるのは大変な道のりになります。しかし名人戦とは違い、下位の組から一気に挑戦者になれる可能性もあるため、竜王戦ドリームと呼ばれています。かつては藤井猛九段や渡辺名人のように4組優勝から竜王奪取した例もあり、現行のトーナメント方式になって以降では糸谷八段が3組優勝から竜王奪取しています。

今期の決勝トーナメント出場メンバーは、以下の通りです。(日本将棋連盟HPより引用)

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左の山では、1組優勝者でありタイトルホルダーの永瀬王座が本命と思います。1組優勝の特典で、1勝すれば挑決三番勝負に進出します。対抗には前期挑戦者でありタイトル獲得通算100期を目指す羽生九段を挙げたいと思いますが、永瀬王座には4勝10敗と分が悪いのが気になります。前期5組優勝からベスト4まで勝ち上がった梶浦七段が今期も4組優勝を果たして参戦しており、再び旋風を巻き起こせるか注目です。

右の山では、5期連続ランキング戦優勝という大記録を達成した藤井二冠が本命と思います。対抗には1組2位であり昨年度王座挑戦を果たした久保九段を挙げておきます。藤井二冠はランキング戦ではこれまで無敗と圧倒的強さを見せていますが、決勝トーナメントではまだ上位に進出したことがありません。今期も初戦で対局する山崎八段には通算0勝1敗、久保九段にも通算2勝3敗とやや苦手とする相手が待ち構えており、竜王奪取への道のりは容易ではありません。

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