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2022年の将棋界振り返り

年初に「2022年将棋界で達成して欲しい記録」と題する投稿をしました。達成されるだろうという予想ではなく、達成して欲しいという願望を文言にしたものですが、年末となりましたのでこれらの記録がどうなったのか、振り返っておきたいと思います。

5年連続勝率8割以上(藤井竜王)

0.812(52勝-12敗)で達成
藤井竜王が見事に21年度も勝率8割以上を達成しました。過去の記録は中原十六世名人と羽生九段の2年連続で、回数でも羽生九段の3回が最多でしたので、5年連続は藤井竜王の数ある記録の中でも、かなり難易度の高い記録だと思います。

史上最年少六冠(藤井竜王)

王将を奪取して五冠を達成したが、王座は挑戦権獲得ならず
年初に王将戦七番勝負にストレート勝ちした時には、この勢いで王座戦も挑戦権を獲得して奪取するのではと期待が膨らみましたが、藤井竜王と言えども一発勝負のトーナメントを勝ち上がるのは容易ではありませんでした。
来年はいよいよ八冠制覇に挑戦する年になります。

史上初の10代同士のタイトル戦(藤井王位vs伊藤(匠)四段)

伊藤(匠)五段が紅組3勝2敗で優勝を逃し、惜しくも挑戦ならず
伊藤(匠)五段が王位リーグの最終一斉対局まで紅組優勝の可能性を残しましたが、惜しくも逃して実現しませんでした。伊藤五段が近い将来タイトル戦に登場することを確信させるリーグ戦だったと思います。

タイトル獲得通算100期(羽生九段)

各棋戦で上位進出するも、残念がら挑戦ならず
21年度は不振に喘いだ羽生九段が22年度は見事に復活の狼煙を上げ、ご存じの通り年明けから始まる王将戦七番勝負に通算100期が懸かります。藤井王将はタイトル戦負けなしの難敵ですが、藤井王将がタイトル戦に負けることがあるならば、その相手は羽生九段であって欲しい気がします。

女流八タイトル全冠制覇(里見女流五冠)

白玲と清麗を奪取するも、女流名人と女流王将を失冠して制覇ならず
22年の里見女流五冠は8つのタイトル戦すべてに登場し、白玲と清麗を奪取したのに加え、女流王位と倉敷藤花と女流王座を防衛して女流五冠を維持しました。第一人者として圧倒的な成績を残しましたが、全冠制覇の難しさが再認識されました。

初タイトル獲得までの最多挑戦(伊藤女流三段)

伊藤女流三段が女流名人を奪取し、9回目の挑戦で初タイトルを獲得
これまで何度も悔し涙を流してきた伊藤女流三段が、3勝1敗で女流名人を奪取し、ついに歓喜の涙を零しました。22年度は新たなタイトルへの挑戦がありませんでしたが、まだまだ獲得タイトル数を増やして欲しいと期待しています。

将棋界初の女性棋士誕生(里見女流五冠、西山女流二冠、中三段)

里見女流五冠が棋士編入試験に挑戦するも、残念ながら0勝3敗で不合格
里見女流五冠が受験資格を満たし、棋士編入試験に挑戦したことは、女流棋士だけではなく全国の将棋好きの少女たちに勇気を与える出来事だったと思います。里見女流五冠だけでなく、西山女流二冠や奨励会に在籍する中三段も女性棋士を目指して頑張って欲しいと思います。

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