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2023年に将棋界で達成して欲しい記録

2023年の年頭にあたり、今年の将棋界で達成して欲しい記録をまとめておきたいと思います。達成されるであろう記録の予想ではなく、個人的に達成して欲しいと思っている記録なので、新年の初夢を見るように気楽に眺めていただければと思います。

史上初の全八冠制覇(藤井竜王)

昨年までに五冠を獲得した藤井竜王が、今年はいよいよ8つあるタイトルの全冠制覇を目指す年になります。五冠すべてを防衛しつつ、残りの三冠奪取を期待しています。
六冠目となる棋王戦は既に挑戦権を獲得し、2月に五番勝負が開幕します。立ちはだかるのは、既に永世棋王の資格を持ち、前期まで10連覇中の渡辺棋王です。
七冠目となる名人戦は、順位戦A級の優勝者が挑戦権を獲得します。藤井竜王は12月末時点で単独トップに立っています。立ちはだかるのは前期まで3連覇中の渡辺名人です。
八冠目となる王座戦は、トーナメントの優勝者が挑戦権を獲得します。藤井竜王は予選は免除されて挑決トーナメントからの出場となりますが、挑戦権獲得には4連勝が必要となります。立ちはだかるのは前期まで4連覇中の永瀬王座です。

全棋士参加の一般棋戦完全制覇(藤井竜王)

今年度の藤井竜王は既にJT杯と銀河戦に優勝し、残る朝日杯とNHK杯に勝って4つある全棋士参加の一般棋戦を完全制覇する可能性があります。
持ち時間の長い将棋では圧倒的強さを見せる藤井竜王が、早指し棋戦も克服しつつあることは驚異的です。藤井竜王にとって、1回負ければ終わりの一般棋戦完全制覇は、全八冠制覇より難易度の高い偉業かもしれません。

年間最高勝率の更新(藤井竜王、徳田四段)

過去に年間勝率8割を複数回達成したのは、3回の羽生九段と2回の中原十六世名人しかいませんでしたが、藤井竜王はデビュー以来5年連続で8割以上を達成しています。今年度も12月末時点の勝率は0.833(未放映のテレビ対局を除く)となっており、6年連続となる可能性が高くなっています。
今年度はむしろ中原十六世名人が記録した歴代最高勝率0.855の更新に期待が掛かります。1-3月の対局は、王将戦七番勝負、棋王戦五番勝負、順位戦、朝日杯、NHK杯となり、恐らく1敗くらいしかできない厳しい条件になりますが、期待したいと思います。
なおデビュー1年目の徳田四段も、12月末時点の勝率は0.833(未放映のテレビ対局を除く)となっています。勝ち進むに連れ、強豪との対局が増えるので厳しい条件になりますが、初参戦を決めた王位リーグでの活躍に注目したいと思います。

タイトル獲得通算100期(羽生九段)

いよいよファン待望の藤井王将に羽生九段が挑む七番勝負が始まります。羽生九段がタイトル100期を達成すれば、藤井竜王の八冠制覇は来年以降に持ち越しということになりますが、両方見たいファンにとっては藤井竜王が来年羽生九段にリベンジして八冠制覇というストーリーが最高かもしれません。

女流八タイトル全冠制覇(西山女流二冠)

昨年は8つある女流タイトル戦の全てに登場した里見女流五冠でしたが、今年は既に女流名人と女王の挑戦権を得られず、八冠制覇の可能性がなくなっています。
逆に1月に開幕する女流名人戦で伊藤女流名人に挑戦する西山女流二冠には、現時点で八冠制覇の可能性が残されています。里見女流五冠から全タイトルを奪取するのはかなり厳しい道のりになりますが、宿命のライバルとの好勝負を期待したいと思います。

将棋界初の女性棋士誕生(里見女流五冠、西山女流二冠、中三段)

昨年の里見女流五冠の棋士編入試験は残念な結果に終わりましたが、里見女流五冠や西山女流二冠が棋士と遜色ない実力の持ち主であることを示したと思います。女流棋戦の看板ともなっているお二人が、今後受験資格を得た際に棋士編入試験に挑むかどうかはわかりませんが、是非挑戦していただきたいと思っています。
また奨励会からの女性棋士を目指している中三段も、第72回三段リーグでは12月末時点で6勝2敗(全18局)と健闘しており、上位2名が昇段という狭き門を突破する可能性があります。中三段のチャレンジからも目が離せません。

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