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火遊び

煙と火をみていると、落ち着く。
子どもは火遊びが好きだ。花火はもちろん、たき火、キャンプファイヤー、バーベキュー、焼きイモ、どれもワクワクする。
「火遊びしたら、おねしょするよ」
よく母親から言われた。
火は危ないからだ。危険だから、やってみたいし、さわりたい。

子どもの頃、秘密基地を作った。友達と川の土手にある枯れ草のなか、迷路をつくって奥に基地にした。マンガ本やエッチな本が置いてあった。
学校から帰ってくると誰かがいた。
枯れ草でつくっていたので、冬は寒かった。たき火をする奴がいて、あっという間に焼けてしまった。
確かに火は怖い。燃え広がる炎は、止められない。

それでも大人になると、火をさわりたい衝動に駆られる。私はベーコンが好きなので、燻製をはじめた。豚肉を選び、塩漬けしてスモークする。
煙をおこすチップの素材で、香りが多きく変わる。桜、くるみ、ヒノキなどいろいろ種類があるが、私はヒッコリーを使う。あくまで、個人的にクセがなく、ベーコンに合う香りだ。
チップに火をつけて燻す。

煙が燻製機のすき間から、漏れて上に登っていく。ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりと空気を漂う。それを見ているだけでも飽きない。何故だろうか。
人類は火を使うことで、進化したと言われている。確かに、火は獣から身を守ったり、食料、土器、道具を加工したり、夜の活動時間を増やした。それ以外に、心を落ち着ける効果もあった。
やっぱり、火を眺めるだけでもいい。

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