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清潔感が大切! 発達障害を持つ女性のための時短コスメと簡単メイク

発達障害の認知が広がるにつれて、「自分もそうなのでは」と不安に感じている方は少なくありません。

特に女性は、例えばADHD(注意欠陥・多動性障害)の方は幼少期に症状が見過ごされがちです。男性は授業中にじっとできないなどの行動に症状が出やすいのですが、女性は頭の中でいろんなことを考えすぎて集中できないという症状が多い傾向にあるからです。

そんな方が大人になってから、髪や肌の手入れが疎かになったり、メイクに対して「うまくできない」「自信がない」「めんどくさい」と思ってしまったりすることもあります。それは性格や能力の問題だけではなく、発達障害の症状(発達特性)である手先の不器用さや飽き性が原因かもしれません。

無理をしてメイクをする必要はなくても、マナーとして必要な清潔感が損なわれていると人間関係の構築によくない影響を及ぼしてしまいます。

発達障害を持つ女性のためのコミュニティ「Decojo」を運営されている沢口千寛さんは、「最低限の清潔感を保つため、肌・眉・唇の3点は押さえておくとよい」としています。

沢口さんの著書『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の女性が上手に生きるための本』(翔泳社)では、メイクやケアに関しても取り上げられており、どれくらいの清潔感が必要なのか、毎日何をすればいいのかといった具体的な知識や方法を紹介しています。

沢口千寛(さわぐち・ちひろ)さんについて
大学卒業後、エンジニアとして就職するものの、まったく仕事ができず社内ニートに。社会人3年目に発達障害の診断を受け、ADHDであると診断される。今まで「個性」だったものが「障害」となったショックから、この気持ちを誰かと共有したいと思い、発達障害を持つ女性のためのコミュニティ「Decojo」を2017年に立ち上げる。Decojoの会員数は700名以上にのぼり、現在も活動を続けている。

本書ではメイクだけでなく、沢口さんが生理や産後うつなど女性ならではの悩みに焦点を当てながら、自分に合う仕事、家事や育児、疲れやすい体質の改善、人間関係、さらにファッションについてもちょっとした工夫を解説。

今回は本書の「第6章 女性にありがちな悩みを何とかしたい」から、メイクの考え方やコツを紹介したパートを抜粋します。ぜひ参考にしていただければ幸いです。

事例:メイクって難しいし、面倒!

誰も何も言ってこないけど、私のメイクってこれでいいんだろうか。キラキラのショップ店員さんと話していると、自分のメイクは地味な気がする。

そうはいっても眉毛を左右対称に描くのも、まぶたにきれいなグラデーションを作るのも、ビューラーでまつ毛を持ち上げるのも、何もかもが難しすぎる。

かわいくなりたいけれど、メイクを頑張れそうにない。それに朝は時間がないから、メイクする時間があるなら少しでも長く寝ていたい。

原因:不器用×飽き症で続かない

発達障害の特性に手先の不器用さがある。不器用な人にとって、メイクは至難の業だ。細いペンシルで細かく線を入れたり、絶妙な陰影で立体感を出したり、繊細さが求められるメイクはうまくいかないことが多い。

失敗を重ねながらも毎日コツコツと慣れていくことがメイク上達の鍵だが、ADHD特性の人は継続が苦手なこともあり、三日坊主でやめてしまって上達しないケースが多い。

また、肌が敏感であるのも、過敏の特性の1つといわれている。敏感肌の人は使える化粧品が限られており、普段使える化粧品でも体調次第では肌が荒れることもあるので、メイク道具をそろえるだけでも一苦労だ。

美しく見せるためのメイクで肌が荒れてしまっては元も子もないので、決して無理をする必要はない。

解決法:肌・眉・唇を意識して清潔感を出そう

メイクは義務でも強制でもないので、苦痛を伴ってまでする必要はない。ただ、マナーとして最低限の清潔感が保たれていないと、人間関係構築の際にマイナススタートとなるため、そこだけは注意したい。

最低限の清潔感を保つため、肌・眉・唇の3点は押さえておくとよい。肌は健康的であればノーファンデでもOK、眉はモジャモジャだったり眉なしでなければOK、唇周りは過度にかさかさでなく、健康的な血色であれば口紅なしでもOKだ。

肌状態を良好に保つためにスキンケアと紫外線対策はしっかり行おう。肌に何かつけることに抵抗がある人は食事やサプリを駆使するとよい。紫外線対策だと、飲む日焼け止めを使う手もある。

眉は顔の印象を左右する重要なパーツだ。生えっぱなしという人は、ある程度形を整えるだけでもぐっと印象が変わる。自分で眉を整えるのが苦手な人は眉カットでプロに整えてもらう方法もある。

唇はかさかさにならないよう、リップを塗ったり唇パックでケアしたりしよう。口紅が苦手な人は色付きリップで保湿しながら血色を保つ方法がお勧めだ。

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時短コスメで簡単メイク

アイシャドウのグラデーションをうまく描けない人は、どの色をどこに塗るか一目瞭然なAUBEの「ブラシひと塗りシャドウ」シリーズがお勧めだ。

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ベースをまぶた全体に塗った後、3色のグラデーションになっているアイシャドウを付属のブラシで同時にとり、さっと塗るだけできれいな陰影ができる。仕上げに目の際にチップでパウダーライナーを入れれば、本格的なアイメイクが完成だ。

他にもスティックタイプのアイシャドウでメイベリンの「トーンオン トーン シャドウ」シリーズも簡単にグラデーションができるので、アイメイクが苦手な人や、時短したい人にお勧めだ。

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眉毛がうまく描けない人は、KISS New Yorkの「アイブロウスタンプ」を試す手もある。このアイテムはその名の通り、アイブロウが眉の形を象ったスタンプタイプになっており、ポンと眉に押すだけで、きれいな眉毛が仕上がる。アーチタイプ、ストレートタイプと好みの眉の形と、色も選ぶことができる。

眉毛が生えていないタイプの人は、眉ティントも手軽だ。眉ティントを寝る前に眉に塗り、乾かして寝て、翌朝剝がすと自然な眉ができている。数日色が落ちないので、毎朝眉毛を描く手間が省ける。

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自分に合うカラーのコスメを選ぶ

自分のパーソナルカラーがわかれば、コスメの色選びで失敗することが格段に減る。ファンデーションを塗るとかえって顔色が悪くなってしまう、アイシャドウが全然発色しない、色が浮いてしまっているなど、カラーが合わなくてメイクがうまくいかない人は自分のパーソナルカラーを調べてみるのも手だ。


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