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早めに準備しておきたいケアマネジャーの資格試験、対策に『完全合格テキスト 2020年版』

介護サービスが必要な人とサービス事業者を繋ぐ大事な役割を担うケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネジャーは介護福祉士など法定資格を持つ方や、生活相談員や支援相談員といった相談援助の業務に携わってきた方が、次なるキャリアアップやより責任のある仕事を担うための資格と捉えられています。

国家資格ではありませんが、各都道府県がその資格を付与する試験を実施していて、毎年10月頃に行なわれるのが通例です(2020年度は1月21日時点で未発表)。

各都道府県での実施概要については、試験問題を作成している社会福祉振興・試験センターの一覧ページからご確認ください。

3か月前くらいに勉強を始める方も多いそうですが、難関資格とも言われているため、確実な合格を目指す方はやはり早めに準備を始めていただきたいところ。

その考えもあって、翔泳社では毎年この時期に試験対策用のテキストと問題集を刊行しています。『福祉教科書 ケアマネジャー 完全合格テキスト 2020年版』では出題範囲となる「介護支援分野」「保健医療サービスの知識等」「福祉サービスの知識等」を詳細に網羅。

翔泳社の通販サイトSEshopではPDF版を販売しています。

そして『福祉教科書 ケアマネジャー 完全合格過去問題集 2020年版』では、過去6年分の試験問題を収録し、出題傾向や重要項目を把握できるようになっています。

受験資格の厳格化などが影響して2018年に受験者数が6割以上も減ったケアマネジャーですが(2017年約13万人から2018年約5万人に。2019年は再試験込みで同水準の予想)、介護保険サービスを利用する人にとってその役割は欠かせません。

とはいえ、初めて受験しようとしている方にすると、どんなふうに勉強を進めればいいのか未知のことが多いかもしれません。あるいは昨年度の試験で不合格だった方にしても、どのような勉強が効果的なのかを改めて知っておくのが効率的です。

いまのうちに不安を払拭していただきたく、今回は『福祉教科書 ケアマネジャー 完全合格テキスト 2020年版』から、前述した3分野の出題傾向とその対策について解説されたパートを紹介します。早めに準備を進めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

以下、『福祉教科書 ケアマネジャー 完全合格テキスト 2020年版』から一部を抜粋して紹介します。掲載にあたって一部を編集しています。

介護支援分野の出題傾向と対策

【過去6年間の出題傾向】

「介護支援分野」からの出題数は、3分野のうち最も多い25問となっています。介護支援分野の出題には次のような傾向がみられます。

● 介護保険制度論
国・都道府県・市町村の責務、地域支援事業、国民健康保険連合会等の役割、居宅介護支援事業所、介護保険施設、および各サービス事業所の運営基準と介護報酬等を中心に、幅広く出題されています。

● 要介護認定・要支援認定
申請から認定までの一連の流れとそれぞれの機関の役割を中心に、少ない年でも3問程度、多い年では4~5問出題されています。過去6年間でみると、介護支援分野で最も出題が多いトピックです。

● ケアマネジメント
例年3~5問出題されており、このうち2問程度は事例問題です。事例として、独居高齢者や老老介護といった最近増加している事例、また認知症高齢者や高齢者虐待といった処遇困難な事例などへの対応に関する出題が多くなっています。

● サービス提供事業者の指定・許可
要介護認定・要支援認定に次いで出題が多いトピックです。居宅サービス事業者、居宅介護支援事業者、介護予防サービス事業者、地域密着型サービス事業者、地域密着型介護予防サービス事業者の指定と許可について多く出題されています。

● 地域支援事業と地域包括支援センター
国の介護政策が地域単位にシフトしつつあることを反映したものと考えられます。今後も、このトピックに関する出題が続くことが予想されます。

【対策】

介護保険制度や事業所等の運営に関する基準(ルール)の基本的な部分を確実に理解できているかどうかが、合否を分けるポイントとなるでしょう。

まず、介護保険制度の全体像を把握し、介護保険制度を支える機関等の責務や目的をていねいに学習していきましょう。介護保険制度に関する基礎知識がしっかり身につけば、単純なミスを誘うような問題に惑わされることが少なくなります。

また、この試験の主な目的は介護支援専門員の資質を問うことにあるため、ケアマネジメントと介護支援専門員に関するトピックは、最も力を入れて勉強する必要があります。ケアマネジメントにおける介護支援専門員の役割がきちんと把握できれば、その他のトピックの内容が理解しやすくなり、各種の問題に適切に対応することができるようになります。

要介護認定・要支援認定については、基礎的な内容に関する出題が中心ですが、言葉(表現)を変えてケアレスミスを誘うような問題も出題されます。設問と選択肢を慌てずにゆっくり読み込む習慣を身につけましょう。

このほか、介護事業が国や都道府県から市町村へシフトしつつある状況を受けて、過去に実施された法改正に関する出題と、地域支援事業に関する出題が増えています。特に、地域包括支援センターの役割と機能については、しっかり学んでおきましょう。

実際の試験問題は、5つの選択肢から正しいものを選ぶ形式なので、まず問題文の「〇つを選べ」の数をしっかり確認し、選ぶ選択肢の数から正解を絞り込みます。その際には、介護支援専門員として望ましい対応と介護保険制度に関わる各種のルールを考え合わせながら、適切な選択肢を選ぶよう心がけましょう。

保健医療サービスの知識等の出題傾向と対策

【過去6年間の出題傾向】

「保健医療サービスの知識等」の出題数は、基礎分野15 問、総合分野5問の合計20問です。

出題内容は、(1)高齢者保健医療の基礎知識、(2)保健医療系のサービスの2つに大別できます。

保健医療系のサービスには、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション、短期入所療養介護、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護があり、一部のサービスについては介護予防サービスも含まれます。

基礎分野と総合分野の出題範囲については、トピック(項目)では分けられておらず、指定範囲のすべてが対象となっています。出題割合と難易度には、次のような傾向があります。

● 出題割合
高齢者保健医療の基礎知識からの出題が7割程度を占め、保健医療系のサービスからの出題は3割程度です。基礎知識とサービスの出題される場所が決められていないため、基礎分野か総合分野かどちらか絞り込むことはできません。

● 難易度
保健医療サービスの知識等は、他分野と比較して難易度が高いといわれています。その理由として、身体面についての内容が多く暗記が必要となる出題が多いこと、1つの選択肢中に複数の意味や内容を含め、一部を誤りとする出題が増加していること、福祉分野に記載されている項目を補助的に活用した出題が増加していることなどが挙げられます。

【対策】

高得点を狙うには、高齢者保健医療の基礎知識の体系的な理解が求められます。高齢者の特徴や生理的な加齢変化を理解した上で、系統立てて知識を習得するようにしましょう。テキストをトピック(項目)ごとに断片的に読むだけではなく、関連項目を横断的に確認しながら学習する姿勢が大切です。

たとえば、「褥じょくそう瘡」を理解するには、褥瘡の項目と並行して、廃用症候群(生活不活発病)、低栄養と栄養管理、感染症予防、介護技術など、褥瘡の原因や防止に関係する項目を関連づけて学習するのが効果的です。最初のうちは、関連項目がどれなのかよくわからないかもしれませんが、テキストを読み進んでいくなかで、また過去問題を解いていくうちに、「あれっ、これはどこかで見た?」と感じることがあるはずです。そんなときは、目次や索引を活用して、関連項目をみつけましょう。付せんを貼って関連項目がわかるようにしていけば、学習の深まりとともに気づくことが増え、知識を相互に関連づけることができるようになります。

また、保健医療系のサービスでは、福祉系や介護系のサービスとの違いを意識した問題が多く出題されるので、福祉系や介護系のサービスと比較しながら保健医療系サービスの特徴を確認しておきましょう。

このほか、保健医療系の各サービスが介護保険から給付されるのか、医療保険から給付されるのかについても留意しておく必要があるでしょう。

実際の試験問題は、5つの選択肢から正しいものを選ぶ形式です。例年、保健医療サービスの知識等は、5問中3つを選択する問題がほとんどでしたが、2019(令和元)年10月の試験では、選択肢の数が2つと3つが混ざっていたのが特徴的でした。まず問題文の「〇つを選べ」の数をしっかり確認し、選ぶ選択肢の数から正解を絞り込むようにしましょう。

福祉サービスの知識等の出題傾向と対策

【過去6年間の出題傾向】

「福祉サービスの知識等」の出題は15 問です。出題内容は、(1)高齢者福祉の基礎知識、(2)福祉系のサービス、(3)地域密着型サービスに大別されます。

福祉系のサービスとは、訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具、住宅改修、介護老人福祉をいい、介護老人福祉施設以外については介護予防サービスも含まれます。

本章で出題される地域密着型サービスとは、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、地域密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護をいいます。なお、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護については、介護予防サービスも含まれます。

過去6年の出題から、次のような傾向があることがわかります。

● 出題割合
以前は、高齢者福祉の基礎知識が約5割(7〜9問)、福祉系のサービスが約3割(5〜7問)で、残りが地域密着型サービスでした。しかし、ここ数年は、地域密着型サービスからの出題が増加してきており、この傾向は続くと考えられます。

● 難易度
福祉知識と福祉系のサービスについては、基礎的な内容が多くなっています。一方で、地域密着型サービスは年々重要度が増しており、地域包括ケアシステムとも関連するため、福祉サービス分野の中では難易度が高くなっています。

【対策】

高齢者福祉の基礎知識については、高齢者支援の担当者にとって必要な基礎知識を問う問題が多く出題されています。「介護支援専門員の役割と義務」(介護支援分野)と重なる点もありますので、ていねいに読んでしっかり把握しておきましょう。

この領域では、特に、面接技術、ソーシャルワーク、成年後見制度から毎年出題されているので、内容をしっかり読み込んでおきましょう。なお、障害者や低所得者への施策は変更になることも多いため、過去の経過を確認した上で、最新の動向や情報を把握するようにしましょう。

福祉系のサービスについては、対象となるサービスが多いため、まず全体像を把握してから、個々のサービスの特徴を確認することが大切です。その際には、頻出となっている類似の保健医療系のサービスとの相違を考えながら進めましょう(例:訪問介護と訪問看護において計画作成を担う職種、通所介護と通所リハビリテーションの基本方針の違い、など)。この領域では、特に、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、地域密着型サービスから毎年出題されているので、内容をしっかり読み込んで学習しておきましょう。

なお、地域密着型サービスは、2006(平成18)年度からスタートしたサービスですが、まだ出題されていない内容もたくさんあるため、過去問題だけに頼らず、基本的な説明をしっかり読み込んで要点をきちんと把握しておきましょう。

実際の試験問題は、5つの選択肢から正しいものを選ぶ形式なので、まず問題文の「〇つを選べ」の数をしっかり確認し、選ぶ選択肢の数から正解を絞り込むようにしましょう。




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