見出し画像

SHODENSHA COMICS通信 7月号~編集部員たちが選ぶ映画ベストシーン

こんにちは。SHODENSHA COMICS編集部です。

Aマッソ単独ライブ『ヘンリー・ヒャッハーの帽子はどこだ?』を観てきました。もうめちゃくちゃ最高で、苦しいくらい笑って、Aマッソの2人のことがもっと好きになりました…。

まだ公演中なので詳しいネタバレはできないのですが、最後に加納さんが死んで終わる漫才が、これぞAマッソ!という破天荒感があって最高でした。

それから幕間に、チャットモンチーの橋本絵莉子さんがこのライブのためにつくった曲が流れるのですが、私はチャットモンチーが大好きだったものですから、好きと好きの融合でもうわけがわからず…。いつか曲が配信されることを願っています。



編集部員たちの日常や裏話をゆる~くお届けするマガジン『SHODENSHA COMICS通信』。

今月のテーマは、編集者たちが選ぶ「映画のベストシーン」です。

漫画をつくる上でも、映画の構図や演出はすごく参考になります。だからというわけではありませんが、編集者には映画好きな人が多いです。打ち合わせの中で作家さんと映画の話をすることも多々あります。我々の編集部も例に漏れず、新作映画を観た人がいるとそわそわしたのちに感想を喋り出したりします。

漫画の見開きで強烈に覚えているページがあるのと同じように、映画のワンシーンにも雷に打たれたように心を刺激されたカットがあり、そういう記憶の積み重ねがあって、今の自分があるような気がしています。

今日は各編集者の映画の中のNo.1シーンをご紹介したいと思います。誰かのひらめきのきっかけになることを祈って…。


『ブルーバレンタイン』(2010年)|編集長・山田の好きなシーン

映画の中で登場人物たちが歌うシーンが好きです。この作品では、悲惨な別れ方をする2人がまだ出会ったばかりの頃、道端のショーウィンドウの灯りで歌う場面が特に印象に残っています。<You Always Hurt The One You Love(あなたはいつも愛する人を傷つける)>という1940年代の曲が歌われるのですが、行く末を暗示させる歌詞と、底抜けに幸せそうな2人の対比に胸が締め付けられました。それから『マイヤーウィッツ家の人々』(2017年)で、父と娘がかつて歌っていたオリジナルソングにも心打たれました。どちらも、以前の関係性からは変質した現在の様子とともに描かれており、たとえ全てが終ってしまったとしても、眩い思い出があればその一点に縋って人は生きていける、と考えている節がある私にはとても響きました。

『あの子は貴族』(2021年)|編集部員・上代の好きなシーン

大好きなシーンが2つあって、1つ目は、水原希子さん演じる美紀と、門脇麦さん演じる華子がベランダでアイスを食べながら話すシーンです。美紀の「どこで生まれたって、最高っていう日もあれば泣きたくなる日もあるよ。でもその日何があったか話せる人がいるだけで、とりあえずは十分じゃない?そういう人って案外出会えないから」という台詞がとても印象に残っています。自分も励まされたような気持ちになり、涙が溢れました。もう1つは、美紀が友人とビルの屋上から丸の内を見渡して「わかりやすく東京っぽい場所って、やっぱり楽しいよね」という終盤のシーン。大学進学を機に田舎を離れ、東京でもがきながら生きてきた美紀ですが、この台詞から彼女の芯の強さを感じてぐっと心を掴まれました。

2人と同じ景色を見たくなり、ロケ地のKITTEで聖地巡礼。

『いとみち』(2020年)|編集部員・川端の好きなシーン

青森に住む女子高生の"いと"が、メイド喫茶で働く日々を描いたお話です。お店を盛り上げるため、"いと"はお客さんの前で三味線を披露することになるのですが、その直前にお店のお母さん的存在である幸子さんに櫛で髪をとかしてもらうシーンがとても好きです。幼い頃に母親を亡くした"いと"が、母親以外の人に初めて髪をとかされながら、静かに、静かに泣きます。幸子さんはそれを見ても、何も言わずにただ、”いと”の髪をとかし続ける。泣き方って、その人「らしさ」が表れる行動のひとつだと思うのですが、このシーンには、ずっと泣けなかった”いと”の、強くて弱い、等身大で立って生きている姿がぎゅっと詰まっていて、”いと”と一緒に、映画を観ながら積み重なっていたいろんな感情が、涙になって溢れました。


前談を書いていて思いましたが、今度は「好きな漫画の見開き」も聞いてみたいなと思いました!


『FEEL FREE』vol.1掲載作品の有料単話配信が始まりました。

ご購入いただいた方は、いつでも何度でも作品を楽しむことができますので、ぜひチェックしていただけると嬉しいです。

↓FEELwebでは試し読み版を公開中です!


『FEEL FREE』vol.2は、LINEマンガにて絶賛無料配信中ですので、ぜひのぞいてみてくださいね。


vol.3の収録作品も、徐々に原稿が集まってきています。秋頃には公開を目指しておりますので、次号もぜひお楽しみに。



SHODENSHA COMICS通信、次回もお読みいただけると嬉しいです!



(文・イラスト 川端)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?