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MY MOVE BOX #7 / クリント・イーストウッド監督映画3選

1月14日にクリント・イーストウッド監督の最新作、『クライ・マッチョ』が公開されますね。

監督デビューから50年、40作品目。
ということで、今日のMY MOVIE BOXは彼の作品から3つおすすめしたいと思います。

硫黄島からの手紙(2006)

彼の作品を初めて見たのは『硫黄島からの手紙』。クリント・イーストウッッドと聞いていちばん日本人に馴染みのある作品なのかなと感じます。

おそらく中学生くらいの頃に金曜ロードショーで放送されているのを見て、目を背けたくなるような生々しい描写や言葉にならない悲惨さが現実として硫黄島そこにあったと知って、とてもショックを受けたことを覚えています。

大人になったいま改めて見てみると、当時の日本が置かれていた状況や圧倒的劣勢にも関わらず、なぜ硫黄島での戦いを続けたのかわかり、また映画から派生してあの戦争について学び直すきっかけにもなりました。

アメリカ人である彼はどんな思いでこの作品をつくりあげたのだろうとか、これを見た海外の人々はどんな評価や感想をもつのだろうと、つい考えてしまいます。

クリント・イーストウッド監督の映画を『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』『アメリカン・スナイパー』と見て、私の中ではじめ彼はミリタリー映画を得意としているのかと思っていました。

しかし、監督でもあり俳優でもある彼が出演している作品を見て、その世界観にぐっと惹かれてしまいました。

運び屋(2018)

家族をおいて長年アメリカ中を飛び回っていてた80代の男、アール。

アールは「家族のために働いている」というが、娘の結婚式をもすっぽかし、自分の事業を優先してきた。家族からは見放されてしまう。

そんなアールに事業差し押さえが迫り、車で長距離走るだけで稼ぐことができる仕事話がやってくる。

それがメキシコ麻薬組織のドラッグの”運び屋”だとは知らずに…。

大金を稼ぐようになったアールだが、家族との関係は修復できぬまま。

難なくドラッグを運び続けられるのかというハラハラ感と年長者ならではの振る舞いにスカッとする場面もあります。

数えきれない歳月をどのように、“誰と”過ごすのか。彼からのメッセージのような作品です。

グラン・トリノ(2009)

妻を亡くし、独居になった引退後の生活。頑固でこだわりの強い主人公ウォルトに息子たちは関わりづらそうにしている。

隣に住む移民であるモン族ファミリーのことも決してよく思っていない。差別的な発言や、憎まれ口を誰彼かまわず吐いてしまう。

そんな彼がギャングの事件に巻き込まれ、一人の少年タオと出会いストーリーが始まっていきます。

とっつきにくそうな老人ウォルト。彼をそんな風にさせるのは、朝鮮戦争での経験か、はたまた変化していく今の社会が気に食わないからか。

タオとの時間を過ごす中で、そんな彼の不器用な愛が垣間見えます。

クリストファー・ノーラン出演の作品は、こうした不器用にしか生きられない人たちを、愛をもって描くヒューマンドラマが魅力的だと感じました。

90歳を超えて今なお現役でいるクリストファー・ノーラン。映画に出てくる彼のセリフは長い人生を生きてきた人ならではの、クスッと笑える皮肉もあれば渋く心に刺さる言葉もあります。

彼が残してくれた作品たちをこうして見られることがとても幸せだなと思います。

それではまた。

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