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「発達障害でも、得意なことが活かし合える社会へ」“応援ソングライター”yu-kaさん

得意なことと苦手なことに凸凹(でこぼこ)のように大きな差があると言われている発達障害の人たち。ご自身も発達障害の経験から働き辛さに苦しんできたyu-kaさんは、応援ソングを自ら作成して歌いあげる。得意を活かし、苦手を補い合う社会を思い描く彼女に話を伺いました。

プロフィール
出身地
:兵庫県
活動地域:神戸、大阪、京都などの関西圏中心
経歴:発達凸凹(障害)を持つ方の凸(強み)に焦点を当てたインタビュー、また自身の経験を話す講演活動を行う。2017年末からシンガーソングライターとして活動を開始。
発達凸凹を持つ当事者や周りの方を応援するために作った『はったつソング』6曲が入った1st Album『でこぼこ道』を2018年秋にリリース。
ミニソング作りの講師を半年間つとめた。
現在の職業および活動
応援ソングライター。ヒアリングで想いを引き出し、お一人おひとりの背中を押す『応援ソング』をフルオーダーメイドで制作。
また関西を中心としたライブ活動を行う。主催のライブは、『yu-kaと凸凹フレンズ』という名前で、凸凹を活かし合いながら皆でライブを創っていくことをコンセプトに、メンバーそれぞれの特性を活かした場創りをしている。
ビルダーズ〜ADHD才能発掘・励まし会〜自助会スタッフでもある。
座右の銘:凸凹バンザイ!

「凸凹があっても自分に自信を持って強みを活かせる環境を」

記者 どんな夢をお持ちでしょうか?

yu-kaさん(以下、yu-ka)それぞれの人自身の強みとか、得意なことを活かし合える社会になったらいいなと思っています。

発達障害などがあって組織で働くのが難しい人であっても、自分の得意なことを活かすことでちゃんと相手に価値提供をしてお金を得られる。そんな循環ができるような社会になったらいいなと思っています。

記者 得意なことが活かせて循環する社会を目指して、例えば3〜5年後の計画やプランはありますか。

yu-ka その世界観を創るために、得意なことを活かしながらライブを作り上げています。

会社ですとバランスよく仕事をこなさないといけないことが多いですし、役割が決まっている。しかし、例えばライブだと発達障害の人が得意なことやその人の形に合わせた役割を産み出せるんじゃないかなって思っているんですね。

新たな役割を見出すことで好きなことや得意なことを活かして周りの人に喜んでもらう。そうした経験を通して自信を持てるようになっていくことができる。凸凹があっても自信を持って強みを活かせる環境を用意することをしたいんです。

発達障害当事者で、アートとかクリエイティブなことが得意な友達が結構いるので、そういう人が力を発揮できるようなライブ空間を作りたい。なので名目上は私の音楽ライブなんですが、一緒に作ってるメンバーにお客様から仕事が発注されるような、そんな風になったらいいなと。

これまで応援ソングを提供した人達をライブに招き、みんなで一緒に得意なことを活かしあうフェスを作ることが3〜5年後の野望です。

「私も凸凹があってずっと苦労したんですけど、イキイキと生きていけるんだっていうことを伝えたい」

記者 それを実現する手段として応援ソングライターをやっていらっしゃる。 他にも取り組んでいることはありますか。

yu-ka 啓発と言ったらおこがましいんですけど、発達障害をテーマにした曲を作って、アルバムにもしているんです。

今までも発達障害に関するインタビューを受けたり講演活動をしていました。ですが歌を通じての方が障害者等の垣根を越えられる実感がありました。なので今後は歌で表現していきたいですね。

記者 活動される中で印象的なことはありましたか。

yu-ka ライブ空間は“yu-kaと凸凹フレンズ”って名前でやっています。そこに発達障害を持ったお孫さんがいる女性が来てくださったことがありました。孫はこの先どうやったら生きていけるんだろうと心配されていたのですが、一緒にライブで助け合ってる私たち仲間の姿を見て「うちの孫も大丈夫やって確信しました。」とめっちゃ号泣されたんです。

私も凸凹があってずっと苦労したんですけど、そこに悲観して終わるのではなく、凸凹があってもイキイキと生きていけるんだっていうことを伝えたいんです。それをその女性に感じてもらえた気がしました。

記者 yu-kaさんの活動のコアになっている部分ですね。

「なんでこんなに息苦しいんやろって思ったんです」

記者 今の夢を持つに至ったきっかけや経緯を教えてください。

yu-ka 夢を持つに至った経緯としては発達障害に関する問題意識がありました。

一般的に発達障害の人は得意不得意の差が大きく、就職率が低く離職率も高いと言われています

身近にいる発達障害を持っている友達で、うまく働くことができずやめてしまった人が多かったんです。組織の中で発達障害の人が自分の素質を生かしながらイキイキと働くことが難しくて。何かが苦手で一つの事が突出的に得意な人でももっと生きやすい世界になったらいいのに、なんでこんなに息苦しいんだろうって思ったんです。

私は発達障害の診断を受けてからは自分はここは得意でここが苦手なんやっていうのがわかったんです。じゃあ得意なことをどうやって活かしたらいいか戦略を練るようになりました。数少ない手持ちのカードでどう戦う?みたいな。

私の場合は情報処理において聴覚が優位で、人の話とか聞いた音楽をよく覚えている方でした。その特性をまず活かそうと思いました。

相手の話を聞き、その人のやりたいことを引き出して、魅力を私が歌として届けることで価値を提供できるんじゃないかと。私の想いや得意なことが開花させられて、価値提供できるのが応援ソングじゃないかと思って活動しています。

それまでは発達障害の特性から仕事もうまくいかない事ばっかりだったんです。でも、サポートをしてもらいながら自分の凸凹の特性に合わせた働き方をすることで、相手に喜んでもらえる仕事ができるんだなって実感しました。

喜んでもらえる事が積み重なって自信になったというか、好きなことだから自分も楽しい。言葉ではうまく言えないんですが、すごく喜びが大きいです。私はこうやって貢献することができるんだって。これをどんどん広げたいなと思います。

「yu-kaちゃんやったらできるよと誰かに言って欲しかった」

記者 そこに至るまでyu-kaさんが自信を持てなかったのはどうしてですか。

yu-ka 発達特性が原因で自己肯定感が下がってしまったからですかね。

ADHDの特性的に昔から忘れ物が多かったんです。言われて直せたら良かったのですが直せない。障害だと私の親は気づいておらず、なんで何回も同じことを言わなあかんのやろって思っていたでしょうね。そして自分も何回も言われる事で自信がなくなっていったんだろうなと思いますね。

記者 仕事でもそれを繰り返していたら、余計に自分の居場所が感じにくいですね。

yu-ka まさにそんな状態でした。「自分はここに居てはいけない」という感じが大きくなっていきました。
その反面、会社を辞めざるを得なかった時、自分の働き辛さを理解してもらうことは難しかったです。

うつって診断された時も、親から信じてもらえず、なんだか「自分の味方をしてもらいないのかな」という悲しさが当時はありました。

反面、一人っ子で過保護に育てられて、何をするにも心配されていた気がします。心配も愛情のひとつだと思いますが、どこかで信頼して欲しかったんだと思います。
yu-kaちゃんやったらできるよって誰かに言って欲しかった。


「自分よりも自分を信じてくれる存在ってなんてありがたいんだろう。その時に寂しかった何かが消えていった」

記者 幼少期から仕事をするまで自信を持てない中で、今の仕事を見つけた時はどんな気持ちが湧いてきたのでしょうか。

yu-ka 幼少期からの自信のなさやアルバイト経験から、仕事を通じて心から喜んでもらえる事はないだろうなと思い込みがあったんです。対価を払ってでも喜んでもらえる事は私にとって未知な世界でした。

応援ソングで仕事として成り立った時の感動はやっぱり大きくて、自分にとってすごく遠かったものが現実になった。時間はかかりましたが得意なことを活かして喜んでもらえる仕事を、本当にやっと見つけられたんだなって思いました。

その頃に今もライブを一緒に開いている友達が
「yu-kaちゃんが自分をまだ信じきれないかもしれないけど、うちはもっとyu-kaちゃんの事を信じてる」と言ってくれました。私が求めてたものはこれやなと感じられて、大変な時期にそれがすごく力になったんです。

味方でいてもらえて自分よりも自分を信じてくれる存在がいてくれる。それがなんてありがたいんだろうと思った時に、寂しかった何かが消えていった気がしました。味方をしてもらえたこと、信頼して信じてもらえたことが、幼少期のことと繋がって私にはとても大きかったんです。それで今の活動の形になっています。

「心折れそうな時であっても味方がいるんだよ」

記者 最後に読んでいる方へメッセージをお願いします。 

yu-ka 障害の有無は関係なく、その人の持っている強みとか素敵なところを見つけて活かしてもらえたらなと。強みを活かして仕事をしていたらすごい楽しいよと伝えたいですね。

これからも応援ソングを通じてその人の良いところや素敵なところを見つけてこれからも届けていきたいですね。「この想いがあるから自分は目標に向かって頑張っているんだ」と、原点を思い出してもらえるような歌詞を入れているんです。

心折れそうな時であっても味方がいるんだよって感じてもらえたら嬉しいですね。

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yu-kaさんの詳細情報についてはこちら

『僕が欲しがっていたモノ(応援ソングをお届けしている理由)』

【応援ソングHP】

【official web HP】

【yu-kaと凸凹フレンズFacebook】


【編集後記】

今回記者を担当した中村です。
応援ソングライターという職を通して、その人の魅力を発信し味方であることを伝える素晴らしい仕事をされていらっしゃるyu-kaさん。発達障害を抱えて悩んでいる方々にもぜひ知っていただき、一人でも多くの人が自信を持った生き方を見つけて欲しいと思います。
今後ますますのご活躍を応援しています。

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この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。


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