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森を撮るということ

はじめに

風景の撮影を始めてから2年ほど経ちました。
僕の撮影の主戦場はです。

風景写真を撮り始めた頃はネット上に転がっているような所謂"絶景写真"を撮るためにインスタなどでひたすら調べたりしていました。

そんな中である紅葉の綺麗な日、富士五合目で撮ったこの作品をきっかけに自分の中の何かが動き出しました。

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絶景を撮ることに疲れた

SNSで話題となっている作品を見て、その季節や気候、場所などを調べ、ここ!という日に車を走らせ向かう。

ネットで有名な場所には人が集まる。
印象的な時間帯は朝か夕。
撮影スペースが狭いスポットでは"その時"が来るまで場所取りが必須でした。
朝の撮影には夜から入り、三脚を立てて朝まで待ちます。
自分は三脚を置きっぱなしにして離れることはなかったけど多くの人が三脚だけを置いて車で寝たりしていました。
当然だけどトラブルも多い。

三脚を盗まれた、場所が移動させられていた、ライト問題などなど…

そしていざ"その時"が来るとほぼ全員が同じ方向を向いて撮影する。
ふと撮影中に我に返った時に「俺は何を撮ってんだろ」と思いました。

人に気を遣って夜中寒い中スタンバイをして結局はみんなと同じ写真を撮る。

絶景写真を否定することはしない。
有名になるだけの構図や被写体の美しさは紛れもない事実だから。
それを最初に見つけた撮影者も尊敬する。

が、

自分は撮らなくてもいいなと思った。

(たまに撮るとちょっと楽しいけど)

そして前節の富士五合目での風景に出会う。

森やばい

この日は確か何かを撮ろうとかじゃなくなんとなく富士山に向かった。天気も見てないと思う。着いたらくっそ天気悪い。
初めて来た場所でよくわからないから地図を見て遊歩道見たいなとこを歩いてみた。
一応カメラは持ってました。

歩いてるとぽつぽつと雨が降ってきた。
最悪。霧だしなんも見えない。

霧は写真を撮るのに最悪な天候だとまだこの時は思ってました。

車に戻ろうと来た道を引き返しました。

そうすると行きに見ていた景色と全く違うことに気付きます。
森の方を向くと遠景が霧でぼけて手前の木々が浮き出て見える。

めっちゃ幻想的…

一本の紅葉した小さな木が目に入りました。
秋に森を撮ったのが幸運だったのか、目立つ木があることで構図を決めやすかった。

そして撮ったのがさっきの一枚。

他にもこの遊歩道で色んな構図で撮影した。

この日の撮影は今までで一番興奮した。

今日ここを撮ったのはこの時自分1人だけ。
しかも何枚もいい写真が撮れてる。

霧…森…つよ…

こんな感じでこの日から森へどんどん惹かれることになったのです。

森撮影のいいところ

最近になって森を撮る人がめちゃめちゃ増えてきたように感じます。
いいですよね。森。

森を撮るきっかけを話したところで次に森の魅力を語ろうと思います。

1.人と被りづらい
絶景スポットではほぼ全員が一つの被写体に向かってシャッターを切り続けますが、森ではほぼ人と被りません。
木は無数に生えていて一つとして同じものはありません。

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2.構図が無限にある
遊歩道や木道がある場所では構図に制限はありますが、自由に動き回れる森ではほんとに色んな構図があります。
これによって、一日の撮影で複数の作品が生まれます。

3.人がいない
人によっては怖いと感じるかもしれないけど人がいないということは気を遣わないということ。

すんごい条件の日は叫んでも恥ずかしくない!


ふぉー!


4.五感が生き返る
これまじなんですけど、緑見てるからなのか森撮影してたら視力があがりました(0.3→0.7くらい)。

いやまぁこれはたまたまかもしれないけど朝の森って超気持ちいいんですよ。
鳥のさえずりだったり、朝日が差し込んでたり、ちょっと湿って涼しかったり、森の匂いがしたり。
五感が幸せになります。

5.同じ場所で色んなパターンが楽しめる。
自然なので季節で表情が変わりますが、森ではそれをダイレクトに感ることができます。

春から夏にかけて可愛い花が咲き、秋には紅葉で森を彩り、冬には雪が積もって行けなかった所へ行けるようになる。
霧で覆われると幻想的になり、そこに光が入ると光芒が生まれる。冬には霧氷して非現実的な空間が広がる。
一年間一箇所だけを撮り続けても色んな森の表情を見ることができます。

また、森はどんどんと形を変えていくので木が倒れたり、新しい命が生まれたり、成長したりと、自然の生命力なんかも間近で感じることができます。


森のいいところを話すとキリがなくなるのでこんなとこにしておきます。


最後に

森の魅力は伝わりましたか?
僕が森を撮りはじめたきっかけや理由はこんな感じです。
これだけ魅力あふれる被写体って中々ないと思ってます。

みなさんにもお気に入りの被写体ってあると思います!
いつまでも大事にしていきましょう!

それじゃ。

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