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【魔女と獣とふたり旅】時つ風と悠久の宿り木3/5【リプレイ】【完結済】

シルヴィ
「一緒に探しましょ!ねっ!!」
必死である。命がかかっているので。
 
ーーー
行動判定
<生き残る為、甘い何かを見つけろ!>
ーーー
GM
有利1:森での生活の経験や風の魔法を行使し、甘い匂いを探る。
有利2:棲み処である周辺探索を樹精が付き合う。
基本の判定サイコロ3つに、有利分のサイコロ3つを追加!6B6で判定です!
生死の境目!覚悟が決まりましたらどうぞ。
 
シルヴィ
6B6 (6B6) > 3,6,3,1,1,6

GM
成功2、災い2、現状打消し。さてどうする。

シルヴィ
災い一つ打ち消して、災いダイス振ります!
1d6 (1D6) > 1
 
GM
PLは災いダイスを振り、結果を見てから
対処を決める事が出来ます!
どうしますか、通しますか?
 
シルヴィ
通します!
 
GM
では、状況的に身体へのダメージ1とします。ダメージは1なので、振れるダイスの数へは現状影響なし。結果として、 難易度1の判定、成功2災い1でピッタリ成功!
では描写に戻ります。
ーーー
樹精
「………ん。」

ゆっくりと頷き、枝に両手をつく。先ほどの蔦を近くに呼び戻し、少しサイズを拡張させた。のっさりと立ち上がり、円盤状の蔦に乗り、吊るされるツタを掴む。

「……下に…ある……でいい…?」
手を差し出した。エスコートする気があったらしい。食べ物で人(?)は優しくなれるらしい。(2回目)
 
シルヴィ
「あっ、うん…」
手を取り、一緒に乗り物?に乗り込む。とりあえず下に降りねばなるまい。

「とりあえず下りて、探しましょ」@
 
樹精
こくりと頷く。右手の人差し指を下に曲げる。スルスルスル…とツタが伸び、ちょうどよい速さで降下していく。シルヴィにとっては久方ぶりの地上に、何を考えているのか良く解らない樹精と共に降り立った。
 
シルヴィ
「地面だ…」
当たり前のことがこんなに感慨深いとは思わなかった。安定している、ということの素晴らしさよ。

「さてと…」

感動してばかりもいられない。きょろきょろと辺りを見回す。普段の行動範囲とは違うためパッと見では何がどこにあるかわからない。

だけど自分には風の守護魔女がついている。

小さなころから野山で生活をしていた。見慣れないというだけならなんとかなる。風を読み、乗ってくる香りを嗅ぐ。甘い匂い?若い芽はどこにある?蕾のふっくらとした花の群生地は?感覚と、記憶と、経験を生かして探す。

「こっちかな…」
「あっちの方が匂いが強いかな」
「あの木の近くには蜜のある花があるかも!」

ツタの主をつれてあちこち歩き回る。だんだん場所の見当がついてきた。
 
樹精「………。」 クゥー……
 
シルヴィ
「うっ…、あの、もう少しだから…」
何も言われていないが、圧は感じる。

「このへんが一番甘い香りがするんだけど…」
きょろきょろ

「…あなたも見つけたら教えてね?」
一応、一緒に探すと言ってたし助力を乞うくらいはいいだろう。しばらく見回し、ふと上に目線をやる
 
樹精
「………わかった…」
ゆっくりと頷き、辺りを見渡す。
 
シルヴィ
素直に探しているのを見て、ちょっと微笑ましくなる。得体は知れないが、悪い子ではないのだと思う。

「あ…った!けど、う~ん…」
 
樹精
「……?」
心なしか、そちらを振り向くスピードが速かった…かもしれない。
 
シルヴィ
「わっ…、あー、あったんだけど、ごめん、これは無理かも…」

振りむいたことに驚きつつ上を指さす。ぴょんぴょんと飛び上がって見せ、到底届かないことを視覚的に示した。
 
樹精
ぼんやりと、キミの視線を追う。

「……それ……美味しい…の…?」
視線はくぎ付けになっていた。
 
シルヴィ
「ん?ああ、そうね、あれだけでも食べられるけど、煮詰めてジャムにしたり、今回みたいにクッキー生地に混ぜると甘酸っぱくてもっと美味しいのよ」

やや諦めつつも赤い実について説明する。

「今は飛べるものもないしなぁ…」
「……あれ、取れたりする?」

なんだかさっきはツタを操っていたようだし、ダメもとで聞いてみる。@
 
樹精
「………任せて」
両手を地面に付ける。少し力む。ツタが地面から……

「……?」

生えない。ツタは宿り木の方から伸びていたが、長さが圧倒的に足りない。宙でピン!ピン!と足掻いていた。…操れる対象・範囲は、そう多くないのかもしれない。

「……………………。」
クゥ〜…。虚しく鳴る腹の音。

「……………しかたない。」
そう呟くと、樹のふもとで徐に四つん這いになる。

「……これなら……」
 
シルヴィ
「えっ」
 
樹精
キミの動揺を余所に音はなり続ける。
 
シルヴィ
「……の、乗れ……って、こと……?」

顔がひきつっているのがわかる。たぶんそう。きっとそう。でも念のため聞いておきたい。
 
樹精
「……ん。」
力強く頷く。 瞳は希望に満ちていた。
 
シルヴィ
「……。」
普段なら。普段なら、拒否する。もっと他を探そう、あなたは休んでいいからと声をかける。自分の住む近くの範囲なら絶対そうする。

しかし、今、そうではない。飛行から落ち、死の恐怖を感じ、助かったと思ったら別の脅威にさらされーーーー

つまりは、疲れていた。

「あの…じゃぁ…乗るよ……?」
 
樹精
二度、頷く。今までは1度だったのに。そして忘れた頃になる腹の音。

「………はやく。 ………はやく。」
 
シルヴィ
「おなか…空いてるんだもんね…」

聖母と見紛うばかりの微笑みを浮かべ、決心する。

「すぐ取るからねっ…」

全体重をかけるのは忍びないため、片足をかけ、
勢いをつけて木の幹も利用して高くジャンプする。

「取れたっ……っ!」

ちょうど群生したあたりに手が届き、ひと枝むしることができる。油断したのか、気が緩んだのか。

ぐきぃっ

まさか相手の上に落ちるわけにはいかない。よけようとしたのも仇になった。足首に激痛が走る。せめて芝で良かった…。

「------~っ!!」
足と引き換えに、木の実ゲットだぜ!!
 
樹精
君は器用にも無音で勝鬨を上げ、雄々しくその右手を天に掲げた。樹精はというと、スタと立ち上がり膝に付いた土埃を払っていた。

「……。」
キミを見つめ

「……ん。」
良くやった…とでもいうかのように頷く。
 
シルヴィ
「これで…くっきー……」
作るからね、とまでは言えずに痛みで倒れこんだ
達成感のある顔でーーーー@
 
ーーー
魔女の子 手番終了
次いで、魔獣の手番 開始
ーーー
スポット 『宿り木の麓』
ーーー
樹精
動けなさそうなキミをまじまじと見つめる。キミはその後頭部に、視線を感じたかもしれない。

「………。」
一歩一歩近づいてくる。キミのすぐそばで、その足音が止まった。置いて行かれるという事は無いらしい。
 
シルヴィ
「あー、ごめん、ちょっと足が…」
腫れ上がっている足を指し示す。

「もう少ししたら立てると思うから…」
苦笑し、相手を見上げる。
 
樹精
「……。」
しゃがみこんで、視線を合わせた。
 
シルヴィ
「えっ」
 
樹精
「……魔力……感じる。」
「……風を……詠める……?」
首を傾げた。
 
シルヴィ
「あぁ…うん、そうよ。私には風の守護魔女さまがついてるから…」@
 
樹精
「……だから……空から落ちてきた……。」
 
シルヴィ
「えっ」@
 
樹精 何かを納得したように頷く @
 
シルヴィ
「えっ、いや…ええ…?」
風を詠める(ので空を飛んでたら失敗した)からではある。

「……そうね……?」
まぁ、いいか。(疲労)
 
GMーーー
変則処理
パーソナルスポット、ティータイムを差し込み
ーーー
 
樹精
ゆっくりと立ち上がる。辺りを見渡し、何かに目星をつける。スタスタと迷いなく行動し、太めの木の枝とツタを採取してくる。
 
シルヴィ
「…?」@
 
樹精
キミの腫れた脚を抱えると、添え木で固定しようとする。どことなくたどたどしい。
 
シルヴィ
「…」(やり方わかるのかな…)
「…」(わかんなそうだな…)
 
樹精
変なやり方で、ぐるぐると捲き始め…

「………ん」
どこか得意げに頷いた。
 
シルヴィ
「……」
結果はともかく、気持ちはありがたくいただこう。

「ありがと…」
つい、軽く頭を撫でてしまう。

GM
太陽の香がする。心地よい匂いだ。

シルヴィ
森の中で暮らしている自分には、馴染んだ匂いだ。まだまだよくわからない相手が、少し身近に感じた。

「しっかり固定する方法があるんだけど…やってみる?」

自発的に動いてくれたのに自分が手早く直してしまうのは違う気がして、まずは問うてみる。@
 
樹精 
「……?」
手が止まる。首を傾げて、何かを考えたらしい。

「……ん。」
頷きを一つ返した。
 
ーー
ふるまい の 宣言
魔獣  : 添え木・ツタで、患部を固定
魔女の子: 固定方法の伝授
→有利2つ獲得。
難易度0の判定。
 
樹精
6b6 (6B6) > 3,2,3,2,3,3
絆を一つ使用! 3を5に変化させ、成功1。
魔女の子は、体力を1回復。
ボーナス効果1個つきます。
ここは回復アイテム「木の実の代償(添え木)」価値1を獲得!(即使用)
ーー
GM
あーでもない、こーでもない。君は丁寧に説明し、やがて安定感のある即席ギプスを共に作り上げる事に成功した。
 
樹精
ツタをいい感じで結び、一息つく。そしてキミに語り掛けた。

「…けど…今…飛べない。 …どうして?」 @
 
シルヴィ
「えっとね、何か道具…っていうか風に乗るものが必要なの」
「もともと持ってた物干し竿で飛んでたんだけど…壊れちゃって…」

自分だけ使うからいいものの、横着して物干し竿を説明するのはちょっと恥ずかしい。やや語尾は小さくなってしまう。
 
樹精 
「……壊れ……」
「……なるほど………」

コクリと一つ頷く。そして樹の住人は再度、キミの前にしゃがみこんだ。しかし、今度は背を向けていた。
 
シルヴィ
「んん?」
 
樹精
「……ん。」 
乗れ、とでも言うかのように体を揺らす。
 
シルヴィ
「えっ」
 
樹精
「……そのままじゃ…うごけない。」
 
シルヴィ
「それはそう…だけど…」

さっきも踏み台にしたのに…とはいえ動けないのは確かでもある。乗るしかないのか…
 
樹精
「…ん。」
そうだ、とでも言うかのようだった。
 
シルヴィ
「肩貸してくれれば…」
若干の抵抗を試みる。
 
樹精
「ん。」
首を横に振った。ついでになる腹の音。

「…………。」
 
シルヴィ
「……急がないといけないのね…」
察しが良い。

「じゃぁ…お願いシマス…」
不本意を音声にしたらこんな感じだろうか。ゆっくりと樹の住人の背に身を預けた。
 
樹精
君は得体も知れない不思議な存在に背負われ、なすがまま運ばれる。行き着く先は…出会った場所の大樹の麓だった。君を背負いつつ、大樹を見上げて呟く。

「……私を」
「…使えばいい。」
 
シルヴィ
「??何に?何を??」
主語と目的語が欲しい。
 
樹精
「………ぁ……。」
「………。」

首を傾げる。頭が横に揺れキミに彼女の髪の毛がファサリとかかった。

「……空を飛ぶ…道具…として」
「…私…を。」

大樹を見上げた。

「…美味しいモノのためなら……少しあげても……問題ない……」
「…永く生きる私たちは その当体に 魔力を宿している……」
「……相性が……きっと良い………はず」
 
シルヴィ
「はずって…、もー、締まらないんだから…」

言葉を省略しがち。でも聞けばゆっくりでも答えてくれる。言葉が少ない分行動的。なんとなく樹の住人を理解できつつある気がする。

「まぁ、そりゃ、相性は良いと思うけど…」

風は樹の揺れで動きを示す。樹は風に触れて種を飛ばす。魔力の質的にも相性は良いはずだ。さらに自分は森の中で暮らしている。

「やってみる価値はあると思うけど、いいの?」

大きな体の中では小さな割合かもしれないが、一部は一部。美味しいもののためだからって、いいんだろうか。
 
樹精
「……いい。」
「……いずれ…私は……土へ還る…」
「……終の棲家を探しに……いこうと思っていた……。」
「……この場所から……遠い場所に…いけるのなら……」
「………おいしいものも食べれて」
「……お得。」

やはりそこが大事らしい。
 
シルヴィ
「……」
 
樹精
クゥ…
 
シルヴィ
「もーっ!わかった!じゃぁお願いする!」

ここでごねても結果は変わらないことは学んだ。

「クッキーだけじゃなくて、たくさん美味しいもの作ってあげる!」
「それで…それで」
「私がいろんなところ連れてってあげる!」

なんだかもうほっとけなくなってきた。
 
樹精
「…………。」

息を呑む音が聞こえた。髪が少し揺れた。

「………なら……」
「……使い慣れた……あそこがいい……」

視線の先には、座り慣れた上空8mの太い枝。
 
シルヴィ
「…!」
 
樹精
「…それでいい?」
 
シルヴィ
「そうね…ちょうど、乗るところもあるしね?」
少しおどけて、笑顔でウィンクしてみせる。
 
樹精
「……ん。」
ゆっくりと頷くと両手を大樹について、少し力んだ。

「……んん。」

上空8mの枝が、瞬く間に”枯れて”、別の箇所の樹勢が強くなり、青々とした葉が生い茂る。枯れた枝は、その根元からポキ…と折れて、地に落ちてきた。

「……きっと軽いほうが……いい」
「……後は……」

キミを背負ったまま、落とした枝の隣まで来た。
 
シルヴィ
「後は…?」
 
樹精
「……シ…ルヴィ…の魔力を」
たどたどしく君の名を呼び

「…私を介して…」
キミをゆっくりと下ろすと 振り返って

「…この枝に流し込む…だけ…。 …多分。」
右手を君に差し出し、左手を枯れ枝に乗せた。
 
シルヴィ
「…!うんっ」

名前を呼ばれたことも驚いたが、一度だけ言った自分の名前を覚えていてくれたことが嬉しかった。きっと成功する。根拠はないがそう思い、樹の住人の右手に触れ、魔力を流す。
 
GMーー
行動判定!
<空飛ぶ枯れ枝を創り上げろ!>
ーーー
有利1:使い慣れた枝を使う
有利2:これから使う主であるシルヴィの力を馴染ませる
 サイコロ+3!
6b6 (6B6) > 2,6,6,4,1,3
成功2!災い1!打消しで成功!
ーーー
樹精
シルヴィ、樹精、大樹の枝。それらは今、樹精を介して魔力で繋がる。

「………ん……」
ふんわりと髪の毛が浮き上がる。

「……どう…? ……樹の中………解る?」
何かを念じてみれば、何かが起きる、そんな予感がした。
 
シルヴィ
「うん…」

手を触れたところから、何かの流れを感じる。堅いようで柔らかく、冷たいようで暖かい。誰かと一緒に魔法を使うなんて初めてだ。それに、この枝は今後一緒に旅をするものだ。隣の、不思議な樹の精も一緒に。少し息を吸って、集中する。

「ーーーさあ、おいで。これからは皆一緒よ。」

目をつむり、ゆっくりと魔力を流す。枝に流れる魔力を邪魔しないように。言うことをきかせたいのではない。共に生きたいのだから。
 
樹精
「…………ん」
樹精の角のような枝の先端に新芽がポコンと芽吹く

「……魔力…いい感じ………」
新芽がゆらゆらと揺れる

「……好きな形……飛びやすい……形…?」
「…伝えて…みて」
「…きっと……応える………」
「…はず」
当の本人は首を傾げた。

シルヴィ
「…ふふ」

肝心なところで言いきらない。この不思議なテンポも慣れてきてしまった。これも馴染むってことなのかしら、なんて考えつつ。

「形ねぇ…」

頭に浮かぶのはやはり箒だろうか。昔からの、伝統的な形。樹精の新芽をちらりと見る。
 
樹精
ゆらゆらと愉しそうに揺れている。彼女の中で一番動いている所は新芽だ。
 
シルヴィ
「ねぇ、形は、昔ながらの箒でお願い」
「でも、そうね…」

少し思案して。樹精がもともとよく座っていたであろうところを少し撫で。

「ここを二人乗り用のシートにしましょう」
「柔らかい芽や葉で覆ったら乗り心地が良いかしら?」
「あっでも新芽は柔らかいから潰れてしまうかしら…」
「座るところを芝生のようにふかふかにすることはできるのかしら?」

うーん、と悩まし気に眉を寄せる。
 
樹精
「………ふかふか…………」

少し上を見上げた。何にも考えて無さそうな表情で、共に考えている素振りを見せた。
 
シルヴィ
ふかふかなの好きなのかしら、と予想する。

「ねぇ、あなたは、どんなのがいい?」
「一緒に乗るんだもの、聞いておきたいわ」

にこりと笑って尋ねる。具体的な案は出なくとも、擬音だけでも拾うつもりだ。
 
樹精
「………私は……ん……」

少し首を傾げた後、キミと繋いだ手をくいくいと引く。大樹の近くに誘導したいようだ。
 
シルヴィ
「…?」
おとなしくついていく。
 
樹精
ぎこちないエスコートで大樹の前に立つと、君と手を繋いだまま、大樹に手を付けた。

「………ん………んん………」

周囲にあったツタが、宙を漂い手際よく編み込まれていく。
 
シルヴィ
「すごい…!」
 
樹精
ぼんやりと宙を見つめる先に、ツタで出来たクッションのような物が出来上がっていた。

「…………ん~………ん……」
「………?」

振り返って、どう?とでも言うかのように首が傾く。
 
シルヴィ
「素敵ね!ばっちり!」
きらきらとした瞳で樹精を見つめる。
 
樹精
新芽の頭の方ががグルンと回転した @
 
シルヴィ
「その…新芽って…」
感情表現そこでしてるの?とまでは聞けない。

「そしたらこれをシートにしましょう」
「あとは、柄のところに四葉の意匠ってできるかしら」
「このイヤリングとかブローチみたいな形よ」

そう伝えて、魔力とともに枝に伝える。幸運の四葉。なんだかんだあったが、今日の出会いはとても幸運なのだろうと思った。樹精にとっても、幸運であれと願って。
 
樹精
ぼんやりと胸元のブローチを見つめて、こくりと頷く。枯れ枝のシートと反対側の先端、樹皮がペリペリ…と削れるように捲れて行く。捲れた樹皮は、地に落ちることなく、剥がれた傍から枝に吸収されていき……やがて柄の先端に、四葉の意匠が刻まれた。
 
シルヴィ
「わぁっ…!」

一連の流れに目を惹かれ、感嘆の声が漏れる。意匠も、思ったよりずっと自然で自分の好みだ。樹精の好みでもあるんだろう。なんとなくそれがくすぐったい感じもする。樹精の新芽を少し撫でる。

「ありがとう、随分素敵なものができたわ」
 
樹精
「…………」

感動を魔力の流れで感じ取る。それに応えるように、樹精はさらに魔力を送り込む。

「………んんん……」

枯れ枝がうっすらと光を発し、宙に浮く。元ある形はそのままに、左右のバランスを整える様に新たな”枯れ枝”が生える。

「……………。」

またもや ”どう?”と言わんばかりに振り向いた。

シルヴィ
「あなたってばほんとに…」

思わず頭を撫でる。少し呆れたように一息ついて。

「わかりにくいのに素直なのね!」

にっこり笑いかける。

「ねぇ、知ってる?」
 
樹精「…?」 キョトン @
 
シルヴィ
「四葉のクローバーの花言葉」
「幸運と……約束よ」
「…きっと、あなたの最高の場所を見つけるわ、一緒に」
「だから、この子の名前…プロメッサ、はどうかしら?」

少し照れたように微笑む。意匠と名前に自分の誓いを乗せて。
 
樹精
「……………………」

君を見つめて、常に眠たげな瞳で瞬きを一つ。

「……終の棲家………ん…」

呟いて、頷きを返した。そうして、手を離し、いつの間にか出来上がっていた座布団を2枚をタンデムシートに置き、座布団から出た糸のほつれのようなツタを箒…もとい”プロメッサ”に捻じ込む。そして片方に腰を掛け、もう片方の座布団をトントンと叩いた。
 
シルヴィ
叩かれた座布団にふわりと座る。物干しざおで適当に飛び散らかしていたときは、いつも一人だった。これから、この素敵な箒、”プロメッサ”に乗るときは二人なのだ。不思議な、嬉しくて叫びたいような、噛みしめておきたいような、そんな気持ち。

「よろしくね!プロメッサ!」

これからの空の相棒に、一つ挨拶をして。空を飛ぶために、風の守護魔女の力を使おう。
 
GMキーピース ”プロメッサ” 獲得
キーピース2つ目 獲得!
解決フェイズへと移行します!
魔女の子は、魔力を2にしてください @

次回、2人は何事も無く家に帰れるのだろうか…?(反語
https://note.com/shochan919/n/n106640493c6b

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