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エスカレーターは歩き続ける

こんばんは俵省太郎です
「エスカレーターでは横2列に並んで歩かないで下さい」
新宿駅ではエスカレーターの前に立った駅員さんが声をかけていました。わかり易い絵付きのボードを持って「2列になって下さい、歩かないで下さい」と促しています。

ですが、3、4歳の女の子の手を引き、空いている右側をガンガン勢いよく降りて行く母親と思われる若い女性と、よろめきながら大股で降りて行く子供が私の横を通り過ぎて行きます。

転がり落ちそうな子供の姿に驚きましたが、急に声を荒らげてビックリさせても逆に危ないので、極力平常な口調で「危ないよ、危ないですよ」と母親に向って2度声を掛けました。しかし、構わず降りて行きます。そして、必死で母親のあとをついて行く子供。

その子が転げ落ちて怪我をしたならば、勿論、エスカレーター子供手を引きガンガン歩き親の責任ではありますが、駅員の言うことを無視して2列に並ばない私を含めた周囲の責任も大きいかと思いました。

エスカレーターの右側歩きは、私が予想しなくとも、何かとても悲惨で悲劇的で衝撃的な事故が起きない限りずっと続いていきます。
この世の中ではその様なものはよくある当たり前の光景で、私達は常にその様な出来事を目にしながら誰もが立ち止まることせず、ただ誰かが止まる事を待っているだけなのです。

「馬鹿は死ななきゃ治らない」
その言葉は、馬鹿を止められない大勢の人々の為にある言葉なのかもしれません。その言葉は、いつもこの世の中の様々な出来事について回り、明日も死ななきゃ治らない人らによるエスカレーター右側行進が静かに行なわれるのです。

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