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文字漫画 『選挙育彦の果敢な挑戦』 育彦 vs ロバート・デ・ニーロ ①

~さて、候補者選びも終わったことだし、あとは選挙の日を待つだけだ。
ああ、3日後の選挙か楽しみだ。投票行ったあと何を食べようかな、選挙速報も忘れずチェックしながら。

そうだ、今のうちに着て行く服を決めよう。ジーンズに長袖Tシャツじゃ冷ややかな目で見られそうだし、投票にはそれなりに相応しい格好で行かなきゃな。

前回の選挙のとき、は、たし、か、前の選、挙……
うっ、頭が痛い、頭が割れるようだ、痛い、そして全身が熱い、熱い、熱さが激しい、あっ!僕の身体から何かが飛び出して来た、いったいなんなんだー!

デ・ニーロ「私は君が選挙に行くのを阻止する君の守護者、ロバート・デ・ニーロ」

育彦「!! お、お前は誰だ、いったいなんなんだ!」

デ・ニーロ「君が選挙に行くことを恐れた、君自身!が作り出したのだよ、私を」

育彦「何を言ってるんだ、いったい」

デ・ニーロ「必ず阻止する、君が選挙に行くのを」

育彦「選挙に行くのを、阻止するだと?」

デ・ニーロ「やはり、君自身が言ったとおり、すっかり世論の波に翻弄され選挙に夢中なようだな」

育彦「当たり前だ、国民の大事な権利なんだぞ、選挙は」

デ・ニーロ「ふ、前回より威勢が良いようだが、君は今回も選挙に行くことはできない」

育彦「今回も?いったいさっきから何を言ってるんだ貴様、僕が選挙に行かないなんてあり得ない、絶対にそんな」

デ・ニーロ「首相の名を言ってみたまえ」

育彦「なに?」

デ・ニーロ「日本国の現在の内閣総理大臣の名を言ってみたまえ、と聞いているのだよ」

育彦「ふんっ、そんなの簡単だ!中曽、根、うっ?」

育彦・心の声「( 中曽根、ではない?そうだ、今は2019年、首相が中曽根ではないのは確実。しかし、中曽根総理の顔しか浮かばないのは何故なんだ )」

デ・ニーロ「フフフフフ、さあ、首相の名を言うのだ、総理大臣の名を!」

育彦「貴様、僕にいったい何をした」

デ・ニーロ「私は何もしていない、本来の君が中曽根以降の首相の記憶を封印したのだ」

育彦「そんな馬鹿な、中曽根以降が思いだせないなんて……こんな状態では、、ハッ」

デ・ニーロ「そうだ、首相の名前も言えぬ男に選挙に行く資格はない、のかもしれんな」

育彦「クッ」

果たして育彦は3日後に控えた練馬区議会議員選挙に行くことができるのか

第2話につづく

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