文字漫画『選挙育彦の果敢な挑戦』育彦、秘められた想い
あらすじ
選挙を楽しみにしていた育彦は、自身のアウトロー資質を具現化した存在、ロバート・デ・ニーロと対決。中曽根以降の首相を思い出せたものの、モニカ・ベルッチからの多大なる影響を受けたことによりイタリア人と化してしまう、、、
育五郎「……いちゃん、おい、爺ちゃん、」
育彦「お、育五郎か、すまんすまん、ついうとうとと」
育五郎「暇だったら選挙でも行ってきなよ」
育彦「……選挙か……、私は今まで一度も選挙に行ったことがないし、今回も行かないよ」
育五郎「へえ、どうしてさ?近所の爺さん婆さんはみんな張り切って行ってんのに」
育彦「私はね、投票という行為を拒み続ける、アウトローだからさ」
育五郎「アウトロー?犯罪でもやったのかい?」
育彦「いいや、しかし、育五郎はなぜ選挙があると思うんだい?」
育五郎「それは、人の意見を束ねる代表みたいな存在が必要だからだろ」
育彦「そうだ、民衆には代表が必要なのだね、多様な考えがあるのだから」
育五郎「だったら尚更行った方が」
育彦「しかし、民衆に必要なのは本当は何なのだろうか、選挙が唯一の手段なのであろうか、育五郎は考えたことがあるかい?」
育五郎「いや、就職したばかりで、忙しいから」
育彦「私が、投票権を持たぬ子供の頃、ある納豆工場の経営者が選挙に出馬した。たどたどしい喋りだったが、庶民的で真っ当な心のこもった演説に、子供ながらに感心したし、立派な大人の候補者だと思っていた」
育五郎「へえ、で?」
育彦「圧倒的大差で落選した。信じられないくらいの惨敗だった。そのとき私はこの地域、いやこの国に絶望し別の道を模索しようと決心した」
育五郎「ああ、そうかい」
育彦「それから、私はイタリア人になろうとした。毎日、ピッツァを食べ、イタリアントマトをむさぼり食った」
育五郎「爺ちゃん、ちょっとごめんよ」
育彦「どの国でも良かったが、当時イタリアンが流行っておったし、ピッツァマルゲリータは私の口に合った、ミネストローネもな。そして、あるイタリア人女性に、イタリアの宝石に運命的に」
育五郎「おーい、母さん!爺ちゃんに早く薬」
育彦「おお、ベルッチ、モニカ、ヴェルーチ。映画マレーナでの尻と太ももがまた見たい、ムチムゥチと歩く尻と太ももが」
育彦「オー、モニーカ・ヴィェルゥーツィィ」
果たして育彦は練馬区議会議員選挙へ行くことができるのか
つづく
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