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1人5役の映画評

今日は私の中に潜む5名の評論家の方々をお招きして、映画レビュー座談会を行います。

・茂 54歳 コラムニスト

・隆 61歳 画家

・耕太郎 46歳 会社員

・静夫 27歳 家事手伝い

・道郎 58歳 小説家

以上5名の皆様に映画「リベンジャー 無敵の復讐心」をご覧いただきました。まずは順番に感想を伺っていきましょう。

茂「アクションが大変素晴らしいです、その一言につきます(笑)」

隆「僕もキレの良いアクションが好きだね、勢い感じる、熱こもってた」

耕太郎「やはり、主役の方のアクションが見所だと思います。えー、あと、とても実戦的な動きというか、そういうのがいいですね、迫力ありました」

静夫「僕もアクションのキレが凄いと感じました。主役の人は初めて見たんですけど、本物のそういう格闘技をやっている方に見えました」

道郎「私も今回拝見していまして一番に感じました、アクションが素晴らしくできているなと。キック技はお見事(拍手)」

皆さん一様にアクションが素晴らしかったとのご感想でしたが、その他に印象に残ったところなどお聞かせ下さい。

茂「どうぞどうぞ、お先に」

隆「……」

耕太郎「僕は、アクションシーン以外では、あの島の不気味な建物、なんなんでしょうね、廃墟の不気味感ですね」

静夫「……」

道郎、煙草を手にとり火をつける。「シュボッ」

茂、その音に反応し、ビクッと肩が上がる。

隆、徐に窓の外に目を向ける。

庭の花壇に白いクレマチスの花、隣の花壇には小さく芽吹いた植物が日に当たっている。

静夫ナレーション「あれはムスカリの芽だ。順調に育つと4月になる前にはブドウの房を逆さにしたようなたくさんの小さな花が咲くのだ」

道郎 心の声「静かな時間、私にとっては貴重な宝物だったが、昨夜は磨りガラスを打つ風の音にどうしてあんなにも安らぎを覚えたのだろう、なあ、多喜子さん」

続いては、本作で主演に大抜擢されました、ブルース・カーン氏について伺っていきます。

茂「(笑)やはり、彼が動き出すと場の空気がギュッとしまりますよね。主役という軸をしっかり保ってましたし、拳や蹴りが相手に当たる瞬間のインパクトは凄まじくて、クライマックス以外のどのシーンでもポテンシャルを100%出しきってるなと、新たなスターの誕生を目撃した満足感もバッチリでしたね」

隆「… …」

耕太郎「そうですね、パンチや蹴りが、速いというか、速い、ウマイ、安い(笑)みたいな、安いじゃなくて、痛い、ですかね。凄かったです」

隆「安いとか誤解を招くから駄目だよ」
耕太郎「すみません、牛丼食べ過ぎですね」
隆「ハッ(笑)」

静夫「僕は、あの顔が良かったです。力を込めて殴るときの顔の迫力が、蹴りの動きも見たことないレベルで、ビックリでした」

道郎「私は、最後まで拝見してまず感じたのが、顔ですね、復讐に燃えたぎるね。溜めが効いてる、殴りかかる前のね。キックも同様に溜まってましたね、憎しみが。見事でした、彼は」

それでは皆様、本日はありがとうございました。

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