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憂さ晴らしに元カレの家をめちゃくちゃに

今年のMステだったと思う。ミュージシャンたちに「あなたの好きなMVは?」と尋ねて流す企画があり、私なら何をチョイスするか考えてみた。

好きなMVならいくらでもある。しかしインパクトを考えるとこれしかなかった。
Kelly Clarkson(ケリー・クラークソン)の「Since U been gone」。


今改めて見るとケリー・クラークソン若いなぁ。2004年といえば私も高校生だったし、彼女の面影に残る幼さに気づかなかったのだな。そしてずいぶんセクシーな衣装で歌っていたものである。

この「Since U been gone」はアメリカで大ヒットした「Breakaway」というアルバムの収録曲である。この曲を含めシングルカットされた楽曲はいずれも人気を博し、ビルボードシングルチャートを賑わせていた。

当時も思っていたが、このアルバムの収録曲には他に「Breakaway」「Behind These Hazel Eyes」などのいい曲があり、正直に言えばこちらの方が好みである。

しかし相手を罵倒したり恨みつらみを吐き出す楽曲はJポップには少ないし、何よりMVの激しさは他にない魅力である。そんな理由もあり、私は今でも印象に残ったMVのひとつとしてこの曲を真っ先に挙げる。

わざわざ私が解説しなくても動画を見てもらえばわかる話なのだが、一応触れておこう。

「Since U been gone」は「いなくなってしまった元彼」への不満を募らせ吐き出す曲である。穏やかな曲調がサビでいきなり弾けるため、怒りの感情の表出が見事に表現されている。

なにより注目すべきはそのMVである。1番のverse(Aメロ)→pre-chorus(Bメロ)では(歌詞もあり)洗面台や自室のいらないものを捨ててリフレッシュしようとしているように見える。しかしchorusの歌唱シーンを挟んで部屋をぐちゃくちゃにし始めると、その推測が間違っていることに気づかされる。そこは自室ではなく元カレの部屋なのである。

留守中ということもありやりたい放題。元カレの私物を投げ飛ばしたり倒したり、今カノの服の肩紐をハサミで切ったりとその行為はだんだんとエスカレート。土足でベッドに立って飛び跳ねながら枕も引き裂いてしまう。彼の積み上げたCDタワーを指ひとつで倒壊させたと思えば、今カノとの記念写真をガラステーブルに叩きつけ粉々にする。

帰り際に笑みを漏らすケリー・クラークソンだが、写真を叩きつけるシーンのみ微かな迷いの表情が見える(重なる歌唱シーンのせいでそう見えるのかもしれない)。

いや、爽快である。今も元カレのことが許せないという人にはおすすめのMVだろう。
もちろんそんなことで気は晴れないかもしれない。私だって許せない元カノに仕返しするならものを壊さずに精神的に追い詰める方法を採用するだろうから(待て

しかし恋愛において許せないという気持ちをありのまま吐き出すことも必要なのではないか。

やはり私はこの曲のMVが大好きである。

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