ドローンの未来、社会実装は近いのか?

インターンに行って、常日頃からドローンに触れていると、考えること。

「ドローンの未来、社会実装される日は近いのだろうか?」ということ。

会社にはドローンの実験機体がたくさんあるし、試験飛行も行っている。
だけど、大都会を飛び回っているわけではないし、実際に許可が降りるようになるまでたくさんの資料が必要だったり、安全性の基準が厳しいことを見て肌で感じていると、本当にドローンが街中を飛んで、次世代インフラとして活躍する日は来るのだろうか、と考えてしまうのだ。

こんなふとした疑問を、同じ部署でプロジェクトマネジャーをされている方にぶつけてみた。この日のお昼はちょっと時間があって、ドローンの未来について15分くらいかな、語っていただいたので書ける範囲で残しておきたい。

まず、国交省を中心に国がイメージしているドローンの社会実装は3、4年先の話。今、ドローン業界はレベル4飛行の実現に向けて、取り組みを進めている。
これはまだ今の法律では不可能で、年末の法改正によって可能となる。

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とは言っても、直近で実現できるのは低リスクのレベル4。第3者が入り込む可能性はあるものの、そのリスクが低い田んぼや離島、田舎などを想定飛行エリアとするものだ。レベル4において、これからのドローンは、パイロットによるマニュアル操縦ではなく、あらかじめ決められたルートに従って飛んでいく、自律飛行、計画飛行が主流となる。

そこで実績を積み、さまざまな事象に耐えうることがわかると、都会での飛行が可能になってくる。しかし、都会を飛び回り、インフラとして活躍させるためにはさまざまな制度設計やシステム構築が必要だ。スカイルートのような、低高度航路設計の構想もあるらしい。となればそこにはゼンリンやgoogle mapなどの地図アプリを応用する必要がある。ドローンの離着陸場所を整備することも必要で、これはいわゆるドローンポートというやつだ。これは国交省や経産省が関わっている。他にも、ドローンだけが利用する新しい電波の周波帯を設定しようという動きもある。今使っているLTE回線だけでは社会実装に耐えられないからだ。これは総務省の管轄。さらに、飛行機の場合は航空管制の仕組みが整っているが、現状ドローンには管理システムがない。機体制御のコントロールシステム(GCS)と合わせてドローンもこれに似た運航管理システムを作っていこうという動きがある。

ここまで揃ってきてはじめて、社会実装が現実的なものとなる。
いわゆる、ドローンが都会でも田舎でも関係なく安全に飛び回り、物流や測量、点検、防災などの面で活躍する近未来的な社会だ。国も関わってくるが色々な省庁が協力しないと成り立たないし、そこにドローン事業を展開する民間企業やドローンメーカーがどう関わっていくのか、というところも重要になってくるのだ。


でも実際に、今のインターン先の仕事は、どちらかというともっと地味で、
認証を取るための試験の準備だったり、国交省に提出する資料のたたき台作成だったりするから、こんな派手な近未来がどうしても想像できなかったりするのだが、3、4年先にそんな未来があるのかと思うとちょっとワクワクする。

ただ、ドローンで荷物を運ぶことができたとして、そこにどれくらいの需要を生み出すことができるか、というとまた別の問題がある。産業用のものとなればドローン1台も高価だし、そこにオペレーターや運用システムというコストが乗っかってくる。そうなると、意外に用途は限られてくるのかもしれない。(その先に、人を運ぶ、空飛ぶ車の運用があると話はまた変わってくるのだが。)



と、こんな話をしていたのだ。

時代の最先端を切り拓いていく分野であり、たまたまSFCに入ったことがきっかけでドローンに興味を持ち、インターンという形で少しだけドローン産業に関わって。ドローンが次世代モビリティになっていこうとしている時代にいることはとても面白いし、そこに興味を持ててよかったと思っている。メカにしても、エレクトロニクスにしてもプログラミングにしても、この辺のエンジニア的な知識はないから、メーカーに入って生きていくのは難しいのかもしれないけれど、将来的にはドローンを一つのインフラ、産業として運用する側の立場で携われたら面白いかもしれないな、と考えている。

インターンも折り返し。
実はこの日、この話をする前に、自分の将来についてとか仕事への考え方についてとか、いい話を色々聞かせてくださったので、その話もまとめておこうかなと思っている。(すごく刺さる話だったので、お昼休みが終わってから業務時間になっていたけど急いでノートに手書きで話してもらったことをまとめていました笑)


ではまた!

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