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なんで学校を休むの?

 私が学校を休みがちになったので、父も母も先生も困り果てていました。いじめられているわけでも、勉強でつまずいているわけでもなく、表面上は何も問題が無いように見えたからです。
 私も困り果てていました。当時は自分で自分のことが分かっていなかったからです。
 どうして何も問題がないのに学校を休むのか、自分は本当に怠け者のダメ人間だ、と思っていました。
 担任の先生が家に来て、先生の車で二人きりで話をした時も、自分の状況をなんとも説明できませんでした。先生も本当に困っただろうなと思います。

 そんな私にも、当時親友が一人いて、毎朝一緒に登校しようと言ってくれていました。でもあまりに私が約束をすっぽかすので、私はついにその子に見捨てられました。
 私は学校で孤立するようになりました。昼休みは教室に一人ぼっちでいて、ひたすら読書をして過ごしました。読書をしている間だけ、私は孤独を忘れ違う世界へ逃げ込むことができたのです。
 親友はクラスが違い、授業の合間も、昼休みも、私の所へは来てくれなくなりました。
 ほかの友だちに一度だけ相談してみたことがありますが、すぐ話題を逸らされ、まともに聞いてもらえませんでした。
 この頃から、私は人に悩みを相談することを躊躇するようになりました。

 親友が悪いわけではありません。その子はその子で、友だち関係で理不尽な問題を抱えていたり、体が弱かったりして、たくさん悩んでいたからです。
 でも、本音を言えば寂しかった。学校に行くといつも胸いっぱいの孤独を感じていました。家では父に怯え、自分を責め続けていました。
 この頃には、死にたいという気持ちが強くなっていました。
 学校でも、家でも、私の心はいっぱいいっぱいでした。だから、バランスが取れなくなったんだと思います。学校を休んだり、自分の体を傷つけることで、心がSOSを発信していたんだと思います。
 こうやって当時の自分を理解できるようになったのは、実はつい最近のことなのです。

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