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ジェンダー格差の現状【小論文の時事】  



【1】 ジェンダー問題の現実  

 近年ようやく日本でもジェンダー問題についてかなり多くの議論が進められています。日本のジェンダーギャップ指数は年々降下している状態で、世界125位という非常に低い順位を推移しています。ジェンダーギャップといっても何を指標にどのような評価が行われているのかがむずかしいところではあるのですが、事実は事実としてそのような順位が出ている以上、私たち日本国民はそれを率直に受け止める必要がありそうです。


【2】 ジェンダー問題に関する日本の特徴1  

 特に日本は「男は仕事、女は家庭」といった男女の役割分担なるものがもはや固定観念として根付き続けていることが最大の要因だといえるでしょう。ただそれは国民に問題があるというよりも、例えば扶養にあたる103万円の壁の存在や待機児童問題など、何か自然と行政から「女は家庭」に残るように要請されているかのような制度設計に問題があるという考え方もあります。


【3】 ジェンダー問題に関する日本の特徴2  

 個人や行政だけでなく企業の発想としてもなかなか産休や育休に対するネガティブな考え方などが存在しています。そもそも年功序列制を中心とした考え方で日本特有の企業風土があるもので、そこをスタートになかなか一気に考え方を変えるのはむずかしいものがありますが、それにしても外資系企業の制度と比べるとあまりにも大きな差があることがわかります。例えば北欧スウェーデンではそもそも夏休みが5週間も与えられ、40歳を過ぎるとさらに6週間に拡大されます。当然産休や育休も十分に与えられるものです。そもそもの発想が大きく違うものの、現代社会においてはそのような慣習を言い訳にすることはできなくなってきているといえるでしょう。


【4】 アイスランドの取り組み  

 特に北欧諸国では昔からジェンダーに関する考え方は先進的です。そもそも北欧諸国には男性と女性は平等な存在であるという共通認識がしっかりと根付いており、特にそれは教育環境や労働環境に顕著に表れています。中でもアイスランドでは2000年に男性の育児休暇制度が導入され、現在では男性女性ともに6ヶ月の育児休暇に加え、夫婦が同時に6週間育児休暇を取得することが可能になっています。そこに対して国民が違和感を感じて声を発するようなことはまったくありません。

 2018年になると世界で最初に、男性と女性の賃金格差は違法であるとする法律が制定されました。アイスランドではジェンダー関連で、世界最先端の法律がどんどん整備されています。アイスランドでは特に法整備の面から男性と女性の平等について強く意識づけされているようです。過去も日本と比べるとかなり先進的でしたが、そのような時代すらも過去のものとし、次世代に持ち越さないようにさらなる男女平等について強い意識を持って取り組んでいるようです。


【5】 フィンランドの取り組み  

 男女平等実効性に関する世界ランキング153ヶ国の中で2位に輝くフィンランドでは2019年から女性が首相に就任し、大臣職の女性の割合も37.5%から50.0%に増加しています。フィンランドでは1995年に平等法が出され、憲法にも「ジェンダー平等は、社会活動、労働、賃金、雇用において促進されなければならない」と明記されています。その後2015年には、​​教育機関やNGOでも商品やサービスの提供面でのジェンダー差別を定義しています。フィンランド当局・教育提供者・雇用主は、計画、評価、割当など、すべての取り組みにおけるジェンダー平等推進を義務付けられています。特にコンプライアンス違反を行う企業や団体に対して、罰金を科す可能性についても触れられています。


【6】 日本のジェンダー問題の未来  

 教育や社会福祉の先進国と呼ばれる北欧諸国にも問題は山積しています。北欧諸国こそが天国で、完璧な法整備がなされているわけではありません。北欧各国間でも相違点はかなりありますし、その国その国にふさわしい方法があるはずです。特に日本と北欧諸国では経済規模や人口規模、災害問題や近隣国との関係性など、まったく異なる条件が多々存在していますから、日本としては北欧諸国の制度が素晴らしいものだからといって丸呑みにするのではなく、日本に適用されることが望ましいと思われる政策について1つ1つ精査しながら選択していく必要があるでしょう。


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