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脱水症状になった場合の対策・治療

こんにちはSHOです。僕のnoteを読んで頂きありがとうございます。

以前こんな投稿をいたしました。

こちらの投稿では「脱水症状の3タイプ」についてお伝えしました。そもそも脱水とは何か?ということについてお伝えしていますので、ご興味がある方には是非ご覧頂きたいです。

今回の投稿はこの続きです。

もし、脱水症状になってしまった場合にはどうしたらいいのか?という話をしていきます。前回の投稿で出している用語はそのまま出していきますので、わからない場合は前回の投稿を参考にしてください。


脱水症状の3タイプをおさらいすると
・水欠乏性脱水
・ナトリウム欠乏性脱水
・等張性脱水

この3つでした。

これら3つに共通していることは、細胞外液が減少していることです。これによって起きる症状の代表例も3つありますので、まずはこれをお伝えしておきます。

○細胞外液の異常

・ツルゴールの低下
・血圧低下
・尿量減少

です。これらの症状は3タイプ全てに共通しておきます。

「ツルゴールの低下」とは肌の張りがなくなるということです。皮膚を摘んですぐに戻らなかったりすると、ツルゴールが低下していると判断して良いでしょう。

次に血圧低下ですが、細胞外液とは血漿と間質液のことなので、細胞外液の減少は、血漿の減少と考えることができます。血管を流れる血漿が減れば血圧も下がります。

ちなみに、血圧が下がると、心臓を全身に血液を届けないといけないってなるので脈拍が上昇します。【血圧低下→脈拍上昇】はセットです。

最後に尿量減少ですが、細胞外液が減少すると、身体はこれ以上水分量を減らしたくないということで、脳下垂体から抗利尿ホルモンが分泌されます。これは尿の生成を減らして体内に水分を保持し細胞外液量を保つために働きます。


ちなみに。


脱水の3タイプの中で最も細胞外液が減少するのはナトリウム欠乏性脱水なので、ツルゴールの低下、血圧低下の反応が他のタイプより生じやすいということも併せて伝えておきます。

ただし、尿量減少に関しては水欠乏性脱水のケースが最も生じやすいです。これが間違えやすいところなのですが、抗利尿ホルモンは細胞外液の減少だけではなく、浸透圧の上昇でも分泌されるからです。細胞外液の浸透圧が上昇すると、それ以上浸透圧が上昇しないように水分を保持しようとして抗利尿ホルモンの分泌が促進されます。

脱水の3タイプの中で浸透圧が上昇するのは水欠乏性脱水なので、尿量減少が最も強く生じやすくなります。ちなみに、脱水症状で水分量が不足することで便秘になってしまうこともありますので気をつけましょう。

○細胞内液の異常

まず、水欠乏性脱水では細胞内液が減少しているのですが、細胞が水分を求めて強烈な口渇感が生じます。

口渇感を感じて水分を補給すれば、水欠乏性脱水を緩和することができるのですが、口渇感は加齢に生じて感じにくくなる傾向があるので、高齢者は脱水症状が起きていることに気づかないケースがあります。

また、細胞内液が減ると粘膜の乾燥というのも出てきます。口唇や口腔、舌といった部分乾燥も起きやすくなってきます。

逆に、ナトリウム欠乏性脱水の場合は細胞内液が増えている状況です。この場合は細胞浮腫という状態になり、頭痛や嘔吐という症状が現れやすくなります。このように症状に違いが出てきます。

○脳の神経細胞への影響

脱水による細胞内液の影響は、脳の神経細胞にも及びます。神経細胞が水欠乏や細胞浮腫の状態になると痙攣や意識障害といった症状が起きやすいです。等張性脱水でも進行すればさまざまな要因によって意識障害は起きます。

○症状別対策

水欠乏性脱水では、水が足りないので水を飲めばOKです。ただし、水だけ飲むと今度はナトリウム欠乏性脱水になりやすいので、スポーツドリンクや塩飴などで塩分もしっかり摂りましょう。

意識がないなどの理由で自力飲水できない時は輸液が必要です。ただし、細胞外液は水欠乏状態、浸透圧が上昇しているので体内と同じ浸透圧のものではなく低張な液体を輸液しないといけません。
ただし、体液より低張な液体を輸液してしまうと、赤血球が破壊されるなどの問題が起きてしまいます。

なので、ここでは5%ブドウ糖液を使用します。これは、ブドウ糖の濃度を体内の正常な浸透圧と同じになるように調整している輸液で、体内に入れても問題はありません。なぜかというと、体内に入ったブドウ糖はすぐに吸収され代謝されていくので、結果的に水を輸液したのと同じになります。

等張性脱水の場合は、体液に浸透圧の異常はないので、等張液を輸液すればOKです。ナトリウム欠乏性脱水の場合も等張液がメインになりますが、必要に応じてナトリウム濃度が高い等張液も使用します。

輸液はゆっくり行いましょう。体内の浸透圧を急激に変えてしまうと、細胞がびっくりしちゃいます。


ということで、2回に分けて脱水症状についてお伝えしてきました。梅雨も終わり夏本番となっていきますので、暑さに気をつけてしっかりと水分補給して体調を整えていきましょう。

ここまで読んで頂きありがとうございました。


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