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研修を通じて感じる「教科の壁」と横断的思考の必要性

先日、数学教員の研修に参加しました。

暗記用アプリ「モノグサ」を提供するモノグサ株式会社主催、啓林館のFOCUS GOLDで代表執筆者を務める竹内英人名城大学教授を代表登壇者に招いて、AIと数学教育に関する研究会でした。

内容自体はためになるものであった

研修会の内容は非常にためになるものでした。

具体的にはChatGPTなどのAIに対して数学指導者がどうあるべきか、いかに対応すべきかをテーマとしたもので、公立、私立学校、予備校、塾とそれぞれの業界の数学指導者がA登壇しました。

ICTの利活用が進む中での授業の方法や教員の存在意義について、現在の状況を踏まえつつ現状報告を行う形式のものでした。

それぞれの登壇者によって立場の違いが指導方針や工夫の重心の置き方が異なるものの、AIを「うまく活用する」、生徒との人間的な関係性を深め学習の支援者としての立場を確立するといった基本スタンスは共通していました。

こうした教育系のAIに関する話題の場合、多くは否定的な文脈で語られるケースも多い中で、非常にためになる話を聞き、考える機会となったように思います。
(主催のモノグサがそうした登壇者を意図的に選んだのでしょう)

ありがちな盲点

一方でこうした教科という枠組みでの研修会にありがちな盲点も存在しました。

それは教科、科目横断的な視点です。

今回の研修も会場に来ていたのは大半が数学科の指導者、しかも学校の教員がほとんどのようでした。

もちろん、会の主題が数学教育会全体を通して数学科という教科におけるAIの利活用ということもあり、致し方ない点ではあります。

しかし、情報が共通テストの入試科目となったこと、統計分野の出題も存在するなどの点から考えても、教科横断的な思考は必要不可欠です。

そもそも数学力の高い人材の要請はAIの開発から利活用まで全て日本社会全体の問題点解決の一環であり、そのためにAIや統計学などの計算機数学や情報数理科学の研究者を増やすことも数学教育には求められています。

その点での視点や提言は少なかったことは必然的ではありますが残念にも感じました。

何のために数学を学ぶか

何のために数学を学ぶのか、統計分野の増加など教科横断的をどう身に着けるのか、それが何のために行われるのかはしっかりと生徒が考え、各々の答えを見つけるべき問題です。

そして教員もまた、これまでの数学教育とは異なる自分なりの答えを持つ必要があるでしょう。

そういった教科横断、カリキュラムマネジメントに基づいた思考が高校教員にも必要なのではないかと感じています。

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