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NIE推進協議会総会というレガシーな場と現代に不適合を起こす人たち


埼玉県NIE推進協議会の総会

先日、埼玉県NIE推進協議会の2024年度定期総会が6月12日に行われましたと言うニュースを目にしました。

この記事の感想は、まさに老人とレガシーメディアの会合の場で在りし日を偲ぶ場だったのだろうということです。同会長である埼玉大学教育学部長の戸部秀之氏の出席のもと、新聞活用教育の重要性が強調されたようです。

元小学校校長のお気持ち表明

元小学校長で日本新聞協会NIEコーディネーターの関口修司氏からの「ICT(情報通信技術)のデジタル機器は使うほど学力が下がる」という発言に彼らの意図が明確に表れています。これは明らかに具体的なデータや科学的根拠が欠如した感情論に過ぎず、この発言は、単にレガシーメディアである新聞を擁護するためのものでしょう。

こうしたICTへの無条件での批判は現代の教育の実情を無視したものです。関口氏は国の学力テストの結果を引き合いに出していますが、それがICTの使用とどのように直接的な因果関係を持つのか、少なくとも記事の中ではそれを明確に示す記述はありませんでした。

ICT機器とエンタメツールの混同

また、関口氏の発言にはスマートフォンの使用とICTの使用を混同している点があります。スマートフォンは主にエンターテインメントやコミュニケーションのために使われる一方、ICTは教育的ツールとしての多様な可能性を持っています。これを混同することで、ICTの教育的価値が不当に低く評価されています。

デジタル時代の教育において、ICTを効果的に活用することは不可欠であり、その利点を無視することは時代錯誤です。自動車が危険性を持つ道具であるという理由で人の移動や物流の利便性まで否定するのに等しい愚かな批判の典型であると言えます。

時代錯誤な新聞誌推し

新聞の活用に関する関口氏の提案も時代遅れと言わざるを得ません。現代の情報社会において、新聞紙面は一方向的な情報伝達手段であり、インタラクティブな学習には適していません。子どもたちはインターネットを駆使して多角的に情報を収集し、自ら考える力を養う必要があります。新聞紙面の社会的意義は過去のものであり、現代の教育には適していないのです。

勘違いすべきではないのが、新聞「誌」という存在の価値は低下しているが、通信社としての役割は依然として存在するということです。通信社は速報性と信頼性の高い情報を提供することで、メディア全体の情報基盤を支えています。
(逆に言えば大手通信社からニュースを買って輪転機を回すだけの仕事は終わりを告げつつある、ということでしょう)

教育においても、信頼できる情報源からの最新ニュースを活用することは、子どもたちに現実世界の動きを理解させるために有益です。しかし、これを実現するためには、デジタルツールを効果的に活用し、インタラクティブな学習環境を整える必要があります。

NIEの自画自賛

また、NIEに取り組んだ結果として教員の指導力が向上したという主張も、具体的なエビデンスが示されていません。単なる主観的な評価に基づいた主張では教育現場での効果を測定することは困難です。教育には定量的なデータに基づいた評価が不可欠であり、その点が欠けている今回の総会の議論は、説得力に欠けます。

老人とレガシーメディアの会合

今回の総会は、新聞業界が自らの存続を図るための自己満足的なイベントに過ぎません。老人たちが過去の栄光にしがみつき、現代の教育のニーズを無視することで、未来の世代に不利益をもたらしています。

現代の教員の多くは、ICTを効果的に活用し、子どもたちに21世紀のスキルを身につけさせるための努力をしています。その一方で新聞紙面の時代は終わりを迎えており、新しい教育の形を模索する時が来ています。

通信社の役割を再評価し、デジタル時代に適した教育方法を導入することで、子どもたちの未来を切り拓いていくべきではないでしょうか。

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