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下位コースを担当することの学びの多さ

私の勤務校では、数学の授業が習熟度別に行われています。

コース編成が多い時には4コースでの授業となっており、生徒は自分の学力に合わせたコースで学習をすることになります。

習熟度別授業の学習効果は定かではない

習熟度別授業が生徒の学力にどの程度影響するのかというのは定量的なデータは少ないようです。

特に、従来型のペーパー試験の点数という意味での狭義の学力に対する効果に対しての効果は定かではないようです。

しかし進度や細かい部分の解説などで授業内容を変えることで、個別最適化に寄せた集団形式の授業とすることは可能であり、何よりも教員側の負担軽減という意味では効果があります。

5年以上ぶりの下位コース

私の教員としての経験も長くなり、近年は中位~上位コースを担当することが多かったのですが、5年以上ぶりに(8年ぐらいでしょうか)下位コースを担当することになりました。

もうすでに数回授業を行いましたが、授業準備から実際の授業を通して、私自身に改めて大きな学びがありました。

大きな違いは、基礎知識が定着していない生徒が多いということです。

この対策として、授業時間の中で復習を行う時間を設定しました。また一つのトピックに対して関連する基礎知識の振り返りを入れるようにしました。

一方で再確認したこともあります。

それは、既有の知識の差はあれどその場で理解したり、考えたりする内容では中位コースとそこまでのレベル差はないということです。

よくある教員側の勘違いが、下位コースに対して理解力まで低いと考えて学習内容を減らすというものです。

しかし、私の勤務校のような進学校の場合、下位コースであっても生徒は地方私立大学を志望するレベルですので、中位コースの国公立大学志望者と比べて得点差は大きいのですが、思考力や理解力という意味ではそこまで差があるわけではないのです。

もちろんこなせる問題の分量や難度の高さに注意をする必要はありますが、実は一度に理解できる分量や進度をそこまで差をつける必要はないというのは、頭では分かっていましたが再度確認することができました。

果たして習熟度別にコース分けをする意味はあるのか

こうなってくると、教員側のファシリテーション力次第ではコース分けをする必要性は大きく低下するのではないかとも考えるようになりました。

しかし、そういった柔軟な指導が難しい教員が現場にいることも事実です。

また、現場の教員にはベテランから新人まで存在する(最近はどこもかしこも大ベテランばかりのようですが…)ため、ある程度の経験を前提とした指導体制をとることは組織運営の観点からも問題があるのかもしれません。

ある程度誰が担当者になっても対応できるシステムを運用するという意味では、コース分けの意味はあるのでしょう。

コース分けの賛否は功罪はおいておいて、おそらくこの1年は現在の下位コースを担当する可能性が高いでしょう。

この機会に間口の広い学習方法などを再度学習していきたいと思います。

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