群馬大学医学部の「3分の1が留年」問題について

群馬大学の医学部のアカハラが話題になっています。

どうやら医学部の教授が厳しい単位認定を行い、その結果学年の3分の1の学生の留年が確定しているということです。

医学科は「必修単位を落とす=留年」の可能性が高い

医学部、特に医学科の場合、1つでも単位を落とすことは留年につながる可能性が他学部と比較して非常に高いことは有名です。

実習時間を確保するために、6年間で学ぶ内容を4年間に押し込んだカリキュラムであるため必修単位を落とすと、次年度の必修を受講できないことが多いからです。

また、多くの国立大学では医学科のキャンパスと教養キャンパスが離れているケースが多く、教養授業の場合であっても現実的に再履修が不可能であることから単位修得に関しては意識をしておく必要があります。

シラバスと異なる試験など理不尽な評価

記事によると、本来は期末レポートによる評価であったはずが、何のアナウンスもなく途中から変更なった上に再試験を実施することもなく、普通に受講していたにも関わらず24人の学生が単位を落としている、という状況のようです。

講義の内容は医療倫理に関わるもので、評価を即興演劇やその感想で行っているとのことです。

この担当教授はこれまでも群馬大学からアカハラ認定を受けており、一人の編入生に関しては6年間にわたって単位を認定せず、当該学生はPTSDを発症し訴訟を起こしているようです。

この件に関して訴訟中のため、群馬大はコメントを控えています。

国立大学は低所得世帯からの可能性を担保する存在

国立大学の医学部は、低所得の家庭で生まれた生徒が医師になる可能性をつなぐ存在です。

そのため、学生の中には民間の奨学金や学費援助の仕組みを駆使して通っている人もいます。

そうした学生にとって、1年間の留年は大きくその人生に影響します。場合によっては医師の道を諦めざるを得ない場合あるでしょう。

こうした不透明な単位認定やアカハラ体質に関して、国立大学はもっと社会に対しての責任を自覚すべきでしょう。

近年は研究費や運営費の削減で、大学の研究力が低下するといった声が大学関係者から多く聞こえます。

そうであればこそ、自らの運営体質に対してはきちんと襟を正し、その上で主張をしなければその正当性が社会に浸透することも難しいのではないでしょうか。

思い返すとそうした評価を下す教官は存在した

私の学生時代、20年前にもそうした不透明な評価を行う教官は存在しました。

幸いなことに、自学部の教官にはそうした人はほとんどいませんでしたが、教職課程で受講していた教育学部の講義では教官の持論以外の意見は全て不可、といった人も多かったように思います。
(これと比較して文学部系の教官は異論反論歓迎の姿勢が強い印象があります)

講義資料として準備した過去の「新聞」資料がすべて「赤旗」という極端なパターンもありました。

そう考えると、令和の時代になってもいまだに変わらない因習を引きずる組織が多いということなのでしょう。

担任として、進路担当として

このような古い体質の残る大学への進学を勧めることは担任として、進路担当者としてはできません。

進学先でその生徒の人生がすべて変わるとまでは思いませんが、大きく影響する要素なのは間違いないからです。

逆に、学生にきちんと向き合い、問題を解決しようという姿勢を持つ大学も近年は増えてきています。

そうした大学を生徒には勧めていきたいですし、機会があればこうしたネット上に書いていこうと思います。

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