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大型イベントと国立大学入試のバッティングは調整できないのか

本年度の国公立大学の前期日程が先日、終了しました。

基本的に国公立大学の前期日程は曜日関係無く2月25日(及び26日)に実施することが決まっています。

毎年ではありますが、こうした入試と大型のイベントがバッティングし、交通網に影響が出たり、宿泊先が埋まってしまうというトラブルが発生しています。

今年は宮崎県で発生したようです。

近年の事例

私の記憶にある限りでは、こうしたバッティングでトラブルになったのは2017年の2月25日(土)、福岡での事案です。

その前後24~26日にかけて三代目 J Soul Brothersのライブが行われており、福岡市内のホテルは週末であることも重なってそもそも飽和状態でした。

その上に、薬剤師国家試験が25、26日に実施されたため九州中の薬剤師国家試験受験生が集まっていました。

そのため、福岡市内のホテルは直前での予約ができず、受験生が宿を探して北は北九州市から南は大牟田市、佐賀県などにも散らばったということがあります。

この時点で九州大学は伊都キャンパスへ移転していたため、受験生たちは宿泊先から大学までの交通手段を確保するのも苦労したようです。

とはいえ、今年の宮崎に比べたらまだマシだったと言えるかもしれません。

今年の宮崎の場合

今年の国公立大学入試も2月25日が土曜日となったため、全国的にこうしたホテル不足が懸念されていました。

そして、予想されていた通り宮崎でこの問題が噴出しました。

毎年、この時期に多くのプロ野球球団がキャンプを行っている上に、今年はWBC日本代表の壮行試合が重なりました。

そのため、宮崎市内は言うまでもなく、南は都城市や日南市、北は日向市、延岡市のホテルまで直前での予約が難しい状態だったようです。

今年の宮崎の問題は2017年よりも深刻です。

そもそも、宮崎市内の宿泊施設が福岡と比較しても少ないこと、遠方に宿泊した場合公共交通網がそれほど充実していないことなど地理的な不便さがあげられます。

そして、宮崎で国公立大学を受験する先が宮崎大学であるということが宿泊先の予約をややこしくしています。

第1志望ではない大学の受験

以前の福岡の場合、受験者の多くは九州大学を志望しています。

彼らの多くは第一志望で九州大学を志望しているため、かなり早い段階からホテルの仮予約をしています。

そのため、直前期にホテルを探す受験生はそれほど多くありません。

一方、宮崎大学は県外受験生にとっては第2、第3志望の大学で、多くは共通テストの得点の結果受験を決断したケースが多いでしょう。

そのため、彼らは1月の末から2月の初旬にかけて予約を取ることになります。

しかし、大型イベントが予定されている場合、その時期に予約をするのは非常に困難であることは自明です。

リンク先のニュース記事にもあるように、日南市にある高校の寮を リノベーションしたホステルが送迎をセットで予約を受け付けて対応したり、自動車学校やコロナ対応の宿泊施設が協力することでどうにか凌いだようです。

大型イベントとの調整は必須

国公立大学の試験は、全国で約40万人が受験する一大イベントです。

もちろん、これに他の業界がスケジュールを合わせるべき、とは言いませんが、一定の配慮はあってもよいのではと個人的には感じます。

また、文科省や国大協に対しても、曜日に関係なく一律に2月25日としているスケジュールを柔軟に変更してもよいのではないか、と思います。

平日であればキャンプやライブと重なってもキャパオーバーになることは避けられたかもしれないからです。

おそらくこうしたトラブルは全国で一定数起こっているでしょう。

そうしたトラブルを避けるためにも、ぜひ土日を避けて実施する案を検討すべきではないか、と思うのです。


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