「多子世帯大学授業料無償化」は少子化対策には一切ならない
「異次元の少子化対策」
異次元の少子化対策として、3人以上の子供のいる多子世帯については2025年度より大学授業料を無償化するという報道があっています。
詳しい内容は不明ですが、おそらくは国立大学の標準額に相当する額が支給される可能性が高いと思われます。
私立大学の学費の場合は、ここからはみ出た分を手出し、という形になるのでしょうか。あくまでも予想ですが、私立医学科などの学費を全額免除するとは 考えにくいでしょう。
今回のこの政策に関して、私自身は子供が2人しかおらず残念ながら対象となっていません。
そのため自身のポジショントークになりますので、必ずしも中立な意見ではない可能性があることにご注意ください。
「少子化対策」になり得るか
まずもって問題となるのは、今回の施策は少子化対策になり得るのかということです。
おそらくはこの施策を受けて子供を産もう、3人目を作ろうということを考える人はほとんどいないのではないでしょうか。
なぜならば今から子供が生まれたとしても大学入学は早くても18年後、約20年も先のことになります。
その間にこの制度が存続している保証が一切ありません。
公的年金で老後は心配いらずと言っていた国の政策であることを考えれば、それを信用して人生設計を行うのはあまりにもリスキーです。
そもそも子供は3人以上になると育児の負担が大きく増加します。4年間の学費200万円でそれが全て相殺できるとは考えにくいでしょう。
したがって、これが第3子を作るためのインセンティブとして機能するとは到底思えません。
学費無償化自体は賛成
私は大学という存在は社会インフラであり、国民の教育レベルの底上げに寄与し治安や公衆衛生の維持に大きな効果があると考えています。
教育の受益者は教育を受けた個人ではなく、教育を受けた人が所属する社会全体であるといことです。
そのため学費無償化自体には大きく賛成します。
しかし、今回の一部の世帯に限った施策に関しては積極的に反対まではしませんが、その効果が疑わしく、しかも無償化の理念としては大きく間違いがあると考えています。
そもそも大学進学をする子供は現在の日本においては成人しているわけで、成人の学費を親が受け取るという仕組み自体も疑問符が付くシステムです。
詳細は不明
現状では細かい制度設計は不明ですので、詳しい議論は難しいでしょう。おそらくはある程度スキのない法案を官僚が練り上げてくるのは間違いないので、その詳細を待って再度意見をまとめたいと思います。
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