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楽天決算分析-秀逸すぎるビジネスモデル


楽天市場や楽天カードマンで知られる楽天の決算資料から、楽天の事業分析を見ていきたいと思います。

楽天の一番最近の2016年Q4の決算資料によると、営業利益の半分以上は楽天市場のインターネットサービスからではなく、Fintech事業から稼ぎ出しています。

楽天の事業を洗い出し分析していきたいと思います。

売り上げに関しては昨年同時期に比べて10%以上成長。しかし営業利益に関しては-13.8%と減益となりました。主な原因は楽天市場事業の減益が起因しています。

Fintech事業は順調に売り上げ営業利益ともに堅実に成長しております。

国内EC事業


国内EC事業の流通額を表した図になりますが、順調に伸びております。EC事業の市場自体が今特に伸びているのでその成長とともに伸びてきていると言えるでしょう。

だいたい流通総額の10%が売り上げになっています。売り上げの20-30%が営業利益率になっています。売り上げは伸びていますが営業利益はあまり伸びてないですね。最近はZOZOTOWNやBUYMAなどの他のECサイトでも有名なサービスは出てきており、そういった競争環境の激化により成長が鈍化しているように思えます。

楽天市場のビジネスモデル

案外知らな人もいると思いますので楽天市場のビジネスモデルを見ていきたいと思います。

楽天市場は「楽天市場」というプラットフォームを構築し各店舗運営者がインターネット上で店舗を運営していくためのシステムやノウハウを提供することによって売り上げの手数料やテナント収入で収益を得ています。なのでユーザーから直接もらっているよりも、店舗からの手数料収入が主な収入源になっております。

アマゾンと何が違うのか

アマゾンはEC事業で数兆円の売り上げを上げておきながら営業利益は4-5%前後です。楽天市場と比べて圧倒的に営業利益率が低いのです。

主な収入源やビジネスモデルが全然違うのです。楽天は上記に挙げた通り店舗運営者からのテナント収入で収益を得ているが、アマゾンはユーザーからの直接的な物販が主な収益源です。

つまりアマゾンではユーザーが1000円の買い物をするとそのままアマゾンの売り上げになりますが、楽天ではそうはならないのです。店舗者の売り上げになり、その手数料が楽天の売り上げになります。

楽天は自社で在庫を持たない経営をしており、アマゾンはガンガン設備投資をして自社で倉庫を持って商品を管理しています。楽天は店舗に物流を任せているのに対し、アマゾンは自社で物流まで完備しており、ビジネスモデルが正反対に違うのです。

Fintech事業 順調に成長

楽天カードマーン!!!でおなじみの楽天カード事業ですが、順調に伸びております。売り上げ収益営業利益も右肩上がりと言っていいでしょう。

同じ事業者に比べて楽天カードの伸び率はハンパないほど伸びています。クレディセゾンなどはもう取扱い高では抜いており、三菱UFJカードに迫っており勢いでこの勢いだと2017年じゅうに抜くことが予想されます。

なぜここまで伸びているのか??

楽天市場とのシナジーです。楽天市場などの楽天経済圏で行われる決済に対してのポイント還元比率が高すぎるのです。1%ほど還元されており5兆円の取扱い高だとすると500億円ほどの還元をしている状況でございます。

それでもなぜ利益が出ているのに関しては、審査の効率化によって、ペーパレスで登録できるようにしており、営業管理費がかからないためである、また楽天市場のユーザーによって利用されるのが多いため、マーケティングコストもあまりかかることなくユーザーを獲得できているのである。

つまり楽天市場などでの取扱い高が増えれば増えるほどそれに付随して楽天カードが儲かる仕組みになっているのである。

次は楽天銀行を見ていきたいと思います。

楽天銀行も同様右肩上がりで伸びており、営業利益も順調に伸びております。

ここではそもそもネット銀行とはなんなのか?普通の銀行とは何が違うのかから分析していきたいと思います。

文字通りインターネット上に銀行を作り、インターネット上で残高照会や振り込みなどを行うということである。普通の銀行だと振り込む際にわざわざ出向く必要があるが、ネット銀行はインターネットさえあればいつでもアクセス可能ですごく便利なのです。通帳は発行されず、引き出ししたい場合は提携しているATMまで出向いて引き落とす必要があります。またネット銀行の多くは(この部分は全然調べていませんが)コンビニATM手数料無料で使えるというスーパー便利なものです。

インターネットなので普通よりもコストがかからずに済むので手数料が安く金利も普通預金に比べて高いです。

楽天銀行を使うとまた楽天ポイントがたまってそれが楽天市場で使うことができ、その決済は楽天カードで行われるという最強のループが形成されているのでしょう。

最後に楽天証券を見ていきたいと思います。

売り上げ営業利益ともに減益しているが、依然としてかなり儲かっていますね!。

まあここでもFXなどの取引を活発にしていくことによって、楽天ポイントがたまり、楽天市場で購買し、楽天カードに収益がたまり、楽天市場から楽天証券のユーザーを獲得しなど、楽天市場など楽天経済圏サービスを存分に活用してこの金融サービスと相乗効果を出しています。


まとめ

楽天が秀逸なビジネスモデルで感動しました。国外の事業はあまりうまくいってませんが、国内は依然としてうまくいっています。キャッシュも有価証券報告書によると5000億ぐらい持っており、投資資金も存分にあります。国内EC事業は今かなり競争が激化しているので、ここに注目して見ていきたいですね。楽天の場合は国内ECの伸びがそのまま比例して他の事業に結びつくので,まあ逆も言えますが、これからどう伸びていくか今後も見ていきます。


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