見出し画像

アーティスト本人が語るVISIONを聞くと、自分の人生観も前向きになる

9月20日に京都リサーチパーク(以後:KRP)で開催されたONE DAYというイベントに参加してきた。この企画自体は普段からお世話になっているKRPさんとCasieの共同企画であり、メインはアーティストであるタニグチカナコさん、稲垣尚毅さんお2人によるトークセッションというもの。今日はこちらのイベントに単に参加者として顔を出した自分が心底感銘を受けたので、その記録を少し残す。

ONE DAYのイベントメインビジュアル

人前で話せるアーティストはキャリアの掛け算が成立する

左:タニグチさん、右:稲垣さん

内容の話に入る前に、まず最初に衝撃を受けたのがお2人とも大勢の人前であるにも関わらず堂々とお話しされていたこと。もっと言えば言葉選びのセンスも高く、めちゃくちゃ勉強になったし、笑い声が何度も会場で湧き起こった。アーティストって勝手ながら「話すのが上手じゃない」「話すの苦手だから作品を作ってる」という印象がどうしても強かったので個人的にこの驚きは大きかった。

話せるアーティストはキャリアの掛け算によってその他大勢から何歩か前進するなと感じ、大昔に読んだ藤原和博さんの「100万人に1人の存在になる方法」を思い出した。素晴らしい作品が作れる×人前で自分の作品や表現方法について語れる(語る能力が高い)が掛け合わされていることによって、オーディエンスの皆さんが彼らの作品との向き合い方が分かってくる。実際にトークセッションが終わってすぐ会場で作品が売れてる様子も見れた。


強い動機がある奴にしか続けられない。続けてるうちに成功する。

稲垣さんのハンドパワー

自分が中学生の時に父親が亡くなった。人ってこんなに簡単に死んでしまうんか!と衝撃だった。いつ死んでも後悔しないように、自分が一番好きで得意なことに命はらないとアカンと思った。そこから定職という生き方をやめて表現活動の道を進んでる。正直何回も挫折しそうになったし、これからもピンチは何回もあると思う。だけど人生賭けてやりたいって自分が決めたこだから続ける。自分が描いた作品を手にしてめっちゃ笑顔になってくれる人が1人でもおる限り続ける。

稲垣さん
笑顔が素敵なタニグチさん

自分は生まれつき足が不自由だった。小さい頃から病院通いが続いてて、待ち時間に絵を描いてた。足が悪いので必然的におうち遊びばかりの毎日になり、気づいたら得意なことが「絵を描く」になってた。
大好きだった祖母の手足が不自由になり、服飾の仕事ができなくなったことをキッカケに友達が少なくなっている様子を見て悲しかった。手足が悪くなると人とのつながりまで失われていくのが悲しくて仕方なかった。それ以降「手足」と「コミュニケーション」をテーマに作品を作り続けてる。

タニグチさん

※ 上記引用はぼくが会場で聞いたことを自分の記憶と解釈で書いてる。なので一言一句その通りにお2人が話した内容ではない。

もうめちゃくちゃ心打たれた。2人には表現活動という道を選択した強い動機があるんだなって。だからきっと幾度となくやってくる挫折や大ピンチを乗り越えて今もそれを愚直に続けてる。これは勝手な妄想だけど、アーティストって名乗ると「え?それ大丈夫なん?」「定職につかづ生活できるの?」社会からのはみ出しものを見るような冷たい視線もあるかもしれない。もしかしたらもっと酷い直接的な誹謗中傷も経験してるんじゃないだろか。それでも彼らは負けない、だって強い動機があるから。続けてるうちにその動機はいつか報われて、成功するんだろうな。

人とのつながり、その中に介在する「感情」「コミュニケーション」をテーマに製作する

タニグチさんの作品

タニグチさんの作品は以前からずっと目にしてきた。手足をモチーフとしたムチムチ、ぷにぷにした作品が多い。でも恥ずかしながらこれを描き続ける意味(VISION)を深く知ったのは今回のお話を聞いてからだった。

おばあちゃんが洋服を作る仕事をしてて、手先が器用だった。ワークショップを開いたりするなどおばあちゃんの特技に魅了された人々がその周りをいつも囲んでいた。そんな様子を幼少期から当たり前のように見てきたタニグチさん。皆んなからの人気者だったおばあちゃんが突然の病で手足が不自由になってしまい、これまで当たり前だった姿が当たり前じゃなくなった。

人とのコミュニケーションは手足だけで決まるものではないかもしれない。だけど彼女の原体験から「人とのつながり」「感情」「コミュニケーション」のモチーフとして手足が選ばれた。自分がこうして文章をタイピングして書けることも、これを読んでくれる誰かがいることも、当たり前じゃなく本当に恵まれたことなんだって感じなければいけない。

最近読んだ本「THE GOOD LIFE」にも気が遠くなるような長い研究結果で導かれた「良い人生」は「良い人間関係」と比例するという結論の1つが紹介されていた。

正直自分はシャイを言い訳をしながら人との関係をあえて広げなかったり、出不精なところがあったと反省。自分が今やっているCasieという事業そのものも人との繋がりを生み出すものだ。今を当たり前と思わず、もっと人に優しく、もっと人との関係をより良く、もっと誰かのために役に立てるような男にならなければいけないなって。

ONE DAYという機会を通して、また自分の人生に新しい発見と勇気をもらえた。アーティスト本人から聞くVISIONに溢れた話は多くの人を幸せにするんじゃないかな。ということでこうした「人との繋がり」がたくさん生まれる素晴らしいイベントをもっとやっていこうと心に決めたぼくでした。

最後にこの場を借りて、ご協力いただいたKRP関係者の皆様、タニグチさん、稲垣さん、そして運営に関わったCasieメンバーのみんなに感謝を申し上げます。本当にありがとう、ぼくにとって最高に幸せな気持ちになれた機会でした。

▼ もっと詳しく知りたい方のために


この記事が参加している募集

この経験に学べ

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?