HSPの人に言ってはいけない言葉なんてあるの?|接し方のポイント
日本人の5人に1人といわれるHSPとは、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の頭文字を取ったものです。世間では「感受性が非常に強く、敏感な気質をもった人」といわれ、繊細な印象を持たれています。
あなた自身がHSPの場合、友人や家族、パートナーがHSPの場合など、いろいろなケースが想定できます。もし、あなたの身近にHSPの人がいる場合、どのように接していけばよいのでしょうか。
インターネットでHSPについて検索すると、「HSPの人に言ってはいけない言葉」のようなキーワードも出てきます。今回は、HSPの人に対しての接し方について詳しく解説します。
HSPの人に言ってはいけない言葉なんてあるの?
先に結論を申し上げると...
「絶対に言ってはいけない言葉なんてものは、存在しない」と考えます。そもそも、コミュニケーションに禁止事項なんてものはないでしょう。
ただし、現代は「忖度」のようなものが働くことが多く、場の空気を読める人が重宝される世の中ですからね...インターネットで検索すると「HSPの人に言ってはいけない言葉」をタイトルにしている記事が多くあります。(本記事もまさにこれ笑)
「絶対に」はありません。気にしすぎると、逆にコミュニケーションを取りにくくなることすらあるでしょう。
しかし...
HSPの人に言うと、あとあと響いてくるような言葉があります。少なくとも私は、相手からすればさほど気にせず軽い気持ちで放った言葉でも、ずっと尾を引くものがあります。その相手とは正直もう話したくないし、できればもう会いたくない。
HSPの人とコミュニケーションを取っていく上で、意識しておいたほうがよいことはあります。「言ってはいけない言葉」とまでは書きませんが、「あえて言う必要がない言葉」はあるのではないでしょうか。
では、具体的にはどのような言葉が該当するのでしょうか。以下で詳しく解説します。
HSPとは何か、もっと詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。
HSPの人に言ってはいけない言葉13選
あなたの身近な人にHSPの気質を持った人がいる場合、以下のようなことを頭に入れておくとスムーズに話が進む可能性が高くなります。
態度を責める言葉
HSPの人は、仕事でもプライベートでもすべての事象についてポジティブな態度で望めるわけではありません。そのため、見た目ではやる気がなさそうだったり態度が悪かったりしても、その言葉をストレートに伝えるのは避けましょう。
感受性を否定する言葉
HSPの人の特徴の一つが、感受性豊かなことです。些細なことにも気が付きやすいのですが、感受性が豊かなことで、気にしすぎてしまうこともあります。
「気にしすぎ」や「普通はそんなことまで考えないよ」などと否定しないようにしましょう。どのように感じるかは、人それぞれです。
繊細さを否定する言葉
HSPの人は、基本的には争いごとを好まない特徴があります。嫌なことがあって本当は何か言いたいときでもグッとこらえ、ストレスを溜め込んでしまうことも。
そのため、傷ついたり気分が落ちているときでも、HSPの人に「落ち込みやすいよね」「メンタル弱いよね」などと言わないようにしましょう。ポジティブになりたくても、なれないときがあるのがHSPの人の特徴です。
急かす言葉
HSPの人は、物事に対して深く考えてから行動・処理する傾向にあります。話し合いの最中に急かして「聞いてる?」「早く何か言ってくれないかな」などと急かすような言葉を放つのはやめましょう。
少し時間がかかっているとしても、きっと今はいろいろと考えているんだという理解が必要です。
前置きの言葉
「あのさ...話したいことがあるんだけど」
このように前置きの言葉を伝えると、HSPの人はネガティブな内容を想像することが多いといわれています。HSPの人と話すときは、自然な流れで始めることがポイントです。
相手を見下すような言葉(命令口調)
「もっと大人になったほうがいいんじゃないかな」
「これから頑張って成長していこう」
このような言葉は、HSPの人の敏感さや感受性を軽視していると受け取られる可能性があります。
また、命令口調で指示されると、たとえキツく言うつもりがなかったとしてもHSPの人は気分悪くなることがあります。これはプライドが高いというより、ビックリして不安になってしまう気持ちが強いといわれています。
アドバイスや考え方を押し付ける言葉(一般論の押し付け)
あなたにとっては常識であり一般論だったとしても、HSPの人に自分の考え方を押し付けるような話し方は控えましょう。
HSPの人は、アドバイスされることが苦手な傾向にあります。特に「〜するべき」というような「べき論」は押し付けられていると感じやすいでしょう。
病気だと決めつけて治療を促す言葉
HSPは先天的な特性といわれており、精神疾患や病気として診断されるわけではありません。
たしかに、HSPであるが故に落ち込みやすかったり不安になりやすかったりする人もいます。ただ、これはHSPの繊細な気質からくるもので、病気とは限りません。
本人が望んでいないにもかかわらず、治療を勧められるのはいい気分にはならないでしょう。病気だと決めつけず、人より繊細だと理解することをおすすめします。
耐えるように提案する言葉
「そんなに気にする必要ないんじゃないかな」
HSPの人から何かしらの相談を受けたときに、このように回答してしまったことはありませんか?あなたにとっては大きな問題ではなかったとしても、HSPの人にとっては困っているからこそ相談している問題です。「気にするな」といわれては、もうこれ以上何を言っても理解してもらえないんだと判断してしまうでしょう。
必要以上に気を遣ったり特別扱いしたりする言葉
HSPだからといって、必要以上に気を遣ったり特別扱いしたりする言葉は不要です。通常の人と同様に、公平な態度で接することが大事です。逆に気を遣われたり特別扱いされたくないからこそ、HSPであることを他人に話したくないと思っている人もいるくらいです。
傷つくような冗談を言う
「バカ」や「アホ」などという言葉を友人同士で平気で使う人もいますが、このような言葉で傷つく可能性があります。たとえ冗談のつもりで言ったつもりでも、HSPの人からすれば鋭利な刃物で刺された感覚になる可能性があります。
一度使われた言葉は、ずっと尾を引く可能性もあるでしょう。今までは仲良く接していても、たった一言で今後の友好関係が築けなくなることも大いにあります。
淡白すぎる返事
「ふーん」「そうなんだ」などの淡白すぎる返事は、HSPの人からすると「え?何か変なこと言ったかな?」「怒らせた?」「つまらなかったの?」など頭の中でわちゃわちゃと考えるきっかけとなり得ます。
考えても正解に辿り着くことのない一人会議は、考えれば考えるほど疲れてしまいます。蓄積するとストレスになるため、淡白すぎる返事は控えたほうがよいでしょう。
誰かの悪口、陰口
HSPの人は、負のエネルギーを大きく受け取ってしまいがちです。自分のことを言われてるわけではないにもかかわらず、嫌な気持ちになる傾向があります。誰かの悪口や陰口をHSPの人の前で言うのは控えたほうがよいでしょう。
HSPの人との接し方のポイント
「HSPの人に言ってはいけない言葉」を紹介しましたが、実際にはHSPの人とどのように接していけばよいのでしょうか。以下で解説します。
穏やかなコミュニケーションを心がける
HSPの人と話すときは、穏やかなコミュニケーションを心がけましょう。
話すスピードはゆっくり
優しい口調
わかりやすい言葉
この3つがポイントです。早口だったり語気が強かったり、わかりにくい言葉を使われたりすると、うまくコミュニケーションが取れない可能性すら出てきます。
相手の気質を理解・尊重する
HSPの人は繊細であるため、些細な変化にも過敏に反応する傾向があります。自分の常識や考え方と異なることがあっても、HSPの人の気質を理解・尊重する必要があります。否定的な言葉を投げたり無視したりすることは、HSPにとっては簡単に理解できるものではなくストレスとなってしまうでしょう。
疲れているときにはそっとしておく
HSPの人は繊細かつ感受性が豊かで、いろいろなことを受け取りやすい傾向にあります。そのため、通常の人より疲れやすいともいわれています。
疲れてそうだなと思うときは、無理に話しかけずそっとしておくことが無難です。何かしてあげたいときも努めて明るく接する必要はなく、「大丈夫?」と一声かける程度がちょうどよい距離感といえるでしょう。相手も気にかけてくれているのかなと安心できます。
誤解を生みたくないからあえて伝えたい
ここまでHSPの人との接し方を解説してきました。
「HSPの人に言ってはいけない言葉」というキーワードを使用しましたが、私は「あえて言う必要がない言葉」と解釈しています。
正直に申し上げて、ここまで書いてしまうと通常の人はHSPの人のことを「面倒だな」「かまってちゃんかよ」と思ってしまうことも考えられます。
私は「HSPの人は繊細だから、優しく扱ってくださいね」と言いたいわけではありません。むしろ、特別扱いされたくないんです。
ただ、繊細で感受性がたかいがゆえに、気づかなくていいところまで気づいたり、考えなくてもいいことを考えてしまう傾向があることを知ってくれていると、接しやすいと思うしありがたいなと思っています。
みんながみんな、あなたと同じような価値観ではなく考え方ではありません。HSPという特性・気質を持つ人がいることを少しでも知ってほしいなと考えています。お互いがお互いを尊重し合い、良好な関係を築けるためのきっかけになれるような記事をこれからも書き続けていきたいです。
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