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農家は産直EC(食べチョク、ポケマル)に出品するべきか

この記事は
☑︎「食べチョク、ポケマル、出品しようかな...しようかな...うーん...」

☑︎「自分のホームページと、産直ECに出品するの、どっちが良いだろう」

☑︎「手数料取られるんだな…気になる…」
という人におすすめ。

産直ECサイトとは、産地と消費者をD2Cで結ぶ産地直送ECプラットフォームの総称で、秋元里奈ちゃんが社長のビビッドガーデンが運営している「食べチョク」や高橋博之さんが社長の「ポケットマルシェ(ポケマル)」(社名は「雨風太陽」)が中でも台頭しているけど、そのほか大小数十もの産直ECが存在していると言われている。他の販路と比較して、ポイントを整理してみた。

農家は、食べチョクやポケマルといった産直ECサイトに出品すべきか。

結論から言うと、
「出品したほうが良い」と言うのがボクのアンサー。

農家といえども単一品種を大量に作る農家、少量多品目を作ってる農家、大規模、中規模、小規模いろいろある。
部会縛りとか何らかの制限で他に出荷できないってケースを除いて、どの農家も出品したら良いよな、という理解だ。

ただし経営の中心としてではなく、
あくまで販路構成の一つとして、ね。
アリだと思う。

その理由を、産直ECの特徴なども踏まえてしていきたい。


ポイント
◯自分で末端価格を決めることができる
◯お客さんに直接商品を届ける緊張感とやりがい
◯販売手数料がかかる

価格を決めることができる

「野菜を市場に出すと〜」みたいな表現は、ボクが米農家なため認識のミスマッチが起こりやすいので、コメで表現したおす!
お米をJAでも商系でも出荷しようとなると「コシヒカリ、石川県産、一等、ホニャ年産…ポクポクチーン!1俵11000円ね!」と、買取価格の相場が決まってくる。取引先によって値段は変わったりするけど、栽培方法がどうとか、美味しさの評価がどうとかって話は差し引かれて値段が決まることも多い。流通だからね。

良い悪いとかじゃなく、そういう性質という話。

産直ECに出品する場合は、店頭価格も出品者が値決めをする。
経営する上で「価格決定権を握れ」とか「経営とは値決めだ」
と言われるほど、このポイントは高い。

ただ、産直ECという場では、
お客さんからみると、すぐ隣に別の生産者の似たような出品が並んでいて、価格も商品特徴もじっくりコトコト比較されてしまうので、その中で選ばれる攻め方をしなければいけない!値段が安いと買われやすいよね。
(値段を安くしろ、という話ではないよ)

お客さんに直接届ける緊張感

これはJAに出荷しても同じではあるけど、ボクたちが生産したものは、消費者に届き評価される。これが産直ECだといわゆるD2C(ダイレクト・トゥー・コンシューマー)でお客さんから注文情報が届き、農産物を直接届けるので、責任感や緊張感が違う。

<流通の場合>
「もしかしたら石原さとみちゃんもワンチャン食べているのかもしれない」
<産直ECの場合>
「いいい石原さとみちゃんからちゅちゅちゅ注文来た!」

来ないけどね。

このライブ感が、
お客さんのニーズというものに繋がっている感覚があって、
「あ、すごく喜ばれている」
「自信あったけどお客さんのノリはイマイチ」
「前は重くても全然OKだったけど、だんだん軽い規格が注文くるな」
を体感しているのとそうでないのでは、大きく違ってくると思う。


販売手数料がかかる

産直ECに出品するには
登録料はかからないけど、販売手数料がかかるサイトが多い。
食べチョクは19.8%、ポケマルは20%、メルカリshopsは10%、
(そのほか諸々の手数料があったりするので、詳細は各社サイトでご確認くださいね。)

この手数料がなんとなく勿体無いのでは…という感覚はある。
産直ECの仕組み的には、出品=儲かる!ではなく、出品=チャンスをもらえる!なので、売る努力は各自がしなきゃいけない。売る努力は自分でしなきゃいけないのに、手数料そんだけ取るんだぁ、という感覚は、まぁ分かる。

ただ、
登録料もかからないので、興味あるならば出品だけしてみれば良いなーというのが、経験者としてのアドバイス。自分でネットショップを開設しても、集客つまりお客さんが来てくれるようにするのは、めちゃ大変。
「上手いものを作っている自信がある。放っておいてもお客さんから来る」って世界じゃないのだ。すごく美味しくてもお客さんが来ないお店もあるし、ウチはこんなにこだわってるのにあのお店ったら何でそんな手抜きでお客さんが来てんダァぁあ…みたいな現象も、なくはない。

自社サイトも今は無料で作成できるツールが発達してて、BASEとかね、15年くらい前から汗かいてやっていた世代の人間としては羨ましい限りだが、時間という自分の資産を削る行為になるし、集客が今はとっても困難な時代になってきたので、タダで集客できる食べチョクやポケットマルシェに出品できる魅力もとてもある、と思う。
最近は食べチョクがホントに集客力があって、ボクらの売る努力以上に物が売れている実感がある。

産直ECに出品するのと自社サイトで販売するのは、お客さんの視点から言うと似たような感覚はあるかもだけど、出品者サイドは全然違う。
モール出店と個人店のような感覚。

続いて、関心ごととしては


「一つのサイトに絞るべきか、複数すべきか」

ファーストステップとしては1つのサイトで「オペレーション慣れる」
セカンドステップ→複数サイトに展開
サードステップ→自社サイトも持つ
が、「2021ネット販売これからやりたい」って人への最適アドバイスなのでは、と考える。
(品目による部分もあるかもだけど)


出品、受注応対、荷造発送、発送案内、在庫管理、プラットフォームのなんやらかんやら応対など、手間は確実に増える。オペレーションが破綻したら、もうこんなのダメだ→ゼロ。になってしまうので、そこまでの努力が水の泡になるので、おすすめしない。
ひとまず一つのサイトに絞って慣れる。
これが出来た段階で、複数サイトに展開する。
展開する際は、商品説明や写真など、初期設定的なものはコピーアンドペーストでサクサク行くので、思った以上に簡単。ただし、どのサイトも同じような売れ行きとは行かないので、思っていた以上に売れた場合は、オペレーションがヤバくなったり在庫管理がヤバくなったりしがち。
自社サイトは、お金を最低限にかけつつ、過度に投資しないやり方で並行するのが良いと思う。最低限にかけるのは、独自ドメイン取得、買い物カゴ導入(これもやりようによるかも)くらいは、無料うんぬんのサービスよりも、低価格でもお金を出した方が良いと思うし、自信がなければ利用者1番の所にしとくと良いと思う。

どのように出品して、どう攻略すべきかについては、また述べたい。
音声だったら農系ポッドキャスト「よるののうか」「青いTシャツ24時」で最近取り上げられてたので、そちらを参考に。

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