【ライブの記憶】第二回 歌舞伎町のフランクフルト学派 ゲスト:つやちゃん「教えてつやちゃん!100の質問状」@ ROCK CAFE LOFT is your room 2022/09/10

ライブみたいなものだと思うのでこのタイトルですが、現地参加してきたトークイベントについて、簡単に書き残しておきたいと思います。

初めに、めちゃくちゃ楽しいイベントでした。
伏見さん、西村さん、つやちゃんという、気鋭の批評家・文筆家たちが、どのようなことを考え、どのようなことをしているのか。そこではどんなこだわりがあるのか、もしくはないのか。
そういったものが伝わってくる内容だったと思い、とても良かったです。

ただ、自分の立ち位置を明確にしておくと、伏見さんの最高のステイトメントにいきなり反するようで申し訳ないですが、自分は"批評"や"文筆"といった活動からは縁遠いと思っていますし、そういった活動をやるつもりも、やりたいとも、あまり思っていません。("批評"や"文筆"とは何なのか?という話がまずありそうですが、そういったことについて、自分では明確に言語化出来ていないというのが、その証左のように感じます。)

じゃあ、なぜ参加したのか?という感じですが、そんな自分でも、この文章のように、なんとなく書いていることはあるわけで、面白い言葉を紡ぐ方たちが、どのようなことを考えて、どのように書いているのかには興味があったという辺りかと思います。あとは単純に、なんかこの辺、最近盛り上がっていて面白そうな感じがするので、勢いで、というのも大きいかもしれません。

そんな自分が参加してお話を聴き、印象に残った話はたくさんあるのですが、一つだけ特に刺さった話を残しておきたいと思います。

どんな文脈でのお話だったかはあまり思い出せないのですが、つやちゃんが「ディグをしまくっていて、詳しい人でないと、文章を書けないという雰囲気が好きじゃない。もっと皆書けばいいと思う。」というニュアンスのことを回答していたことについてです。

何目線なのかという気もしますが、自分も全くその通りと思っています。
というか、自分がやっていることはそういうことだと思っています。
正直、今回のイベント通して終始痛感していたのは、あまりにも積み重ねてきた知識・経験量が違いすぎるということです。出てきた話は3割ぐらいしか分からなかったんじゃないかな。(この辺り、もう少し考えたことがありますが、書きたい本筋からずれそうだったので、割愛。)
そもそも、"批評"をちゃんと学んだことはもちろんないし、映画もほとんど観たことないし、本をちゃんと読み始めたのも5年前ぐらい。唯一何とかなりそうな音楽も5年前ぐらいまでは、邦ロック+@程度の知識しかなかったわけです。今でこそ、色々思うところもあり、出来るだけ接するようしていることも多いですが、そりゃまず積み重ねてきた時間が違いすぎるよねという当たり前の事実が、今回書き手の文章というアウトプットではなく、その"過程"が100の質問という形で見えたことで、改めて浮き彫りになったなと思っています。

だから何なのか?
最初に書いた通り、自分は別に"批評"がやりたいわけではなく、強いて言っても、良い音楽やその他様々な創作物に触れて、それを語って、楽しく過ごしたい、ぐらいの考えしかないわけです。
そんな自分みたいな人が書くことで、きっと何かにはなるんじゃないか。そういうことをつやちゃんの言葉から、改めて勝手に受け取ったと思っています。
以前の、つやちゃん x valknee x 伏見瞬のイベントで言っていた、我々は良いと思ったものに対して、感想を書きまくることが大事だという話にも、直で通ずる話だと思いました

そういえば、イベントの中でも触れられていた、「映画を早送りで観る人たち」はまだ読み途中で今半分ぐらいなのですが、ちょうど読んだところに書いてあったことがあります。
それは、Z世代はSNSでの炎上を見過ぎていて、作品を自分なりに解釈することを委縮しているそうです。"正解"を言わないと、詳しい人から叩かれるから。
気持ちは痛いほど分かりますが、これはつまらない。
誤解を恐れず書けば、この3名の書き手の持つ知識・経験に、自分は足元んも及ばないのは確実なわけですが、それでも、自分がこれまで紡いできた文脈から書けることは、ほんの少しかもしれないけれど、何かはあるはず。そこに関しては、信じているし、信じたいと思っています。
きっと、そうやって多少なりとも考えて書き連ねることによって、何でもかんでもインスタントになっていく世の中に対して、何かしらの抵抗?表明?となり、適切な距離感を保って生きていけるんじゃないかと思っています。(もしかして、これはすでにある種の"批評"なのか?)

あの場にいた方は、皆素晴らしい書き手の方ばかりだったようなので、ある種のコンプレックスみたいなものも、めちゃくちゃに感じる部分もあるわけですが、そんなこと言っていてもしょうがないので、自分がやれることをやって、もっと色んな人が、色んなことを書いて、それを読んで面白く過ごせたら良いなぁとか、そんなことを思った夜でした。

100の質問は時間の都合上、77で終わっちゃいましたが、色々調整してくださっているようなので、楽しみに待ちたいと思います。
伏見さん、西村さん、つやちゃん、そして参加されたみなさま、お疲れ様でした!今後も楽しみにしています。

#批評 #伏見瞬 #西村紗知 #つやちゃん #ライブの記憶

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?