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2024/9/30週|マーケットプレイスの勝ち方のヒントを学ぶ

LyftやThumbtack(専門家やハウス サービスを検索し、お住まいの地域で利用可能な専門家とマッチングするサービス)の成長に携わってきたベンジャミン・ラウアー氏のインタビューから、マーケットプレイスの勝ち方のヒントを学びたいと思います。

同記事より

ベンジャミン・ラウアーは、約15年間マーケットプレイスの構築と拡張に携わってきた。 彼はThumbtackの製品および成長担当副社長を務め、製品チームとThumbtackの成長レバーを再構築し、収益モデルを再構築し、3年間で会社の成長を倍増させた。 Thumbtackの前は、Lyftに6年間在籍し、製品組織の供給側を率いて、米国労働者の1%が毎月Lyftのために運転するまでに成長させた。

https://www.lennysnewsletter.com/p/how-marketplaces-win-benjamin-lauzier

主なポイントと学び

以下は上記のインタビューからのポイントです。

  1. 人間的な要素を重視する運営が重要

    • マーケットプレイスを運営する際には、データや統計に頼るだけでなく、人々の直感的な行動に注目することが大切です。供給側に対して明確な品質基準やコーチング、サポートツールを提供し、そのギャップを埋めるために実践的な取り組みを行うべきです。

  2. 供給と需要のどちらか「難しい側」に集中する

    • 市場において供給と需要のどちらか一方に集中するのが一般的で、特に初期段階では難しい側を優先的に成長させるべきです。例としてThumbtackでは、需要側が難しいと判断され、供給は既存のリソースから容易に集めることができたため、需要創出に注力しました。

  3. 流動性(Liquidity)が成功の鍵

    • 一度始めたら、需要と供給をいかに効率的にマッチさせるかに注力する。 流動性が高いほど、ユーザー体験が向上し、リテンションが高まります。 これを測定する簡単な方法は、充填率(取引に成功した需要の割合)を分析することです。 充填率が高ければ高いほど、マーケットプレイスのパフォーマンスが高いことを意味します。

  4. 質の高い供給を確保しつつ、管理されたマーケットプレイスに移行するかの検討

    • AirbnbやUberのような企業では、供給側を直接管理することが難しく、品質管理が課題となります。このため、多くの企業は供給側をしっかり管理し、品質の一貫性を確保する「管理されたマーケットプレイス(Managed Marketplace)」モデルに移行することを検討します。

  5. マーケットプレイスの失敗要因と成功のための要因

    • マーケットプレイスが失敗する要因として、流動性不足や、需要・供給のどちらかに偏りすぎる運営が挙げられます。また、品質管理が不十分な場合、プラットフォーム全体の信頼が失われ、利用者が離れてしまうリスクが高まります。品質と流動性のバランスを維持することが、成功のために不可欠です。

さらに、拡大していくにあたって、メンバーシップやアンバサダーの活用方法にも言及されていました。

Lyftは、他の競合に対してリソースが限られていたため、非常に効率的かつ創造的な方法でドライバーを採用・オンボーディングする必要がありました。その一環として、Lyftは優秀なドライバーを「メンター」として起用し、新しいドライバーの車両検査や書類チェック、短時間の試乗を行わせました。(最高のドライバーにメンターセッションごとに35ドルを支払うという、自己オンボーディング供給エンジンを構築)
このプログラムは非常に成功し、次のような利点を生み出しました:

①ブランドの強化: メンターはLyftの熱心な支持者であり、Lyftの価値観や経験を新しいドライバーに伝えることで、ブランドのロイヤリティが強化されました。
②効率的なスケール: メンターを活用することで、従来のオフィスベースのグループオンボーディングに比べて、より迅速かつ低コストでドライバーのオンボーディングが可能になりました。
③ドライバー同士の支援: 新しいドライバーがメンターから個人的なアドバイスや連絡先をもらうことで、信頼関係が築かれ、早期の定着や継続的な稼働が促進されました。

https://www.lennysnewsletter.com/p/how-marketplaces-win-benjamin-lauzier

個人の感想

現職もマーケットプレイスであるので、今までの経験と照らした時に合致する部分が多いのが率直なところです。特に、
・特に初期段階では難しい方を優先する
・充填率の重要性
等。
今思うとあの時のあの経験はこれに該当するな、といった捉え直し、整理ができる良いインタビューでした。

今週はこの辺で。
お読みいただきありがとうございました🙇


📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
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