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整理術。「無意識の意識化」(佐藤可士和さんの「整理術」)

今回、この佐藤可士和さんの「超整理術」を手に取った理由は2つ。

1つ目は、現在、イベントやセミナーなど「企画」に追われている。そこで、数多くの「企画」を手がけてきた佐藤可士和さんの思考方法を参考にしたかった。

2つ目は、「整理」にヒントがあるのではないかと思った。それは、日ごろから、部屋の中や情報、思考などの整理がおろそかになり、気づいたときにやるという状況になりがち。その場合、「情報が溢れて」から実施すると言うことになるので、無意識の状態が続いているという状況。

また「気づき」を意識化する、言語化することの重要性を昨年受けたコーチングを通じて実感しているため、この「整理」というキーワードに惹かれた(別途、この「コーチング」はnoteに書きたい)

見えないものを「見える化」していく

今回のタイトルにもある通り、「無意識の意識化」であり、目に見えるにしていくことがまずスタート。その上で、優先順位をつける。その優先順位付けのための視点を多方面から行っていくという。

著書の後半にまとめがあります。先にご紹介します。

・空間の整理……整理するには、プライオリティをつけることが大切
・情報の整理……プライオリティをつけるためには、視点の導入が不可欠
・思考の整理……視点を導入するためには、まず思考の情報化を
(佐藤 可士和. 佐藤可士和の超整理術 (Japanese Edition) . 日本経済新聞出版社. Kindle 版.)

「思考は見えない、情報は見えるけど散らばっている、空間は確実に見える」
空間から思考にいくにつれて、難易度が上がっていくということです。
それぞれの観点でどんなことをするのか?ということが本の中で整理されています。

「整理」の前提として

何のためにやるのか?という、いわゆる「目的」が大前提だと思います。
その上で、空間であろうと思考であろうと、「現状整理・把握」が大事になります。
目的と論点を抑えた上で、以下のプロセスに入っていくことで、常に立ち返ることができ、ブレずに進めることができます。

どんなプロセスで整理を行っていけば、問題の本質をきちんと捉えて対処することができるのか。僕はたいがい、このような順序で進めています。
1.状況把握/対象(クライアント)を問診して、現状に関する情報を得る。
2.視点導入/情報に、ある視点を持ち込んで並べ替え、問題の本質を突き止める。
3.課題設定/問題解決のために、クリアすべき課題を設定する。
佐藤 可士和. 佐藤可士和の超整理術 (Japanese Edition) . 日本経済新聞出版社. Kindle 版. 空間編

空間編

私は、毎日整理だけする時間を設けています。

この著書の中で言われている「空間」とは、オフラインとオンラインの両方が言及されています。

オフラインは、自宅や仕事場。オンラインは、PCやフォルダなど。

いずれも、無意識にそのままにしておくと増えていく一方になるものです。また、すぐに取り出すことが難しく、探すことに対するストレスが溜まりやすくなります。

そこで、一定のルールを決め、整理をする時間を意識的に作っていく。そのとき、「捨てる勇気」をもつことです。
「後で使うから〜」とか「とりあえず〜」とかは、なるべく捨てる。
この文面を読んだ時に、「あー、確かにあるな〜。けど、気づけば、数年も使っていないものもあるな。」とすぐに無意識化が意識化されました。
特に本や服の類はそうなりがちです。

ということで、毎日、最低でも5分間、徹底的に整理だけする時間をつくりました。

ファイルのネーミングなどの具体的な方法も書かれているので、早速取り入れることができます。

情報編

上記の空間の整理では、基本的には、目に見える形で出揃っているので、目的に合わせて優先順位をつけて整理をすると言うことになります。

一方で、「情報」に関しては、そもそも出揃っていない可能性があるので、まずは情報を出し切ります。
その上で、目的に合わせて優先順位をつけて整理します。その時に、優先順位の付け方に「視点」が多方向からあることによって今までにない形で整理ができるようになります。つまり、それが新しい企画やアイデアにつながるということです。

視点を引いて客観視することも、視点を転換することも、思い込みを捨てることも、すべては「多面的な視点で物事を見る」ということのバリエーションです
佐藤 可士和. 佐藤可士和の超整理術 (Japanese Edition) . 日本経済新聞出版社. Kindle 版. 思考編

いくつかの事例が掲載されているので、情報整理の参考になります。

思考編

この章が一番の肝であり、難所です。いわゆる、無意識の意識化というパートです。

頭の中にある事を見える化する、つまり、言語化することで、まずは情報化し、その上で、前述した情報の整理と同じプロセスをたどっていきます。

マーケティング思考の訓練とも同様で、「自分が購入したものや何かを選んだ時に、なぜそうしたのか?」ということを言語化することが大事と言います。

佐藤可士和さんは、数多くの経営者の方々の想いを形にし、例えば、ロゴであったり、クリエイティブであったり、目に見えるものにしています。

この「想い」というのが相手の「思考」であり、その思考を言語化していくプロセスとなります。
つまり、自ら0から生み出すというのではなく、思考を整理し、情報化し、視点をいくつか交えながら、優先順位をつけ、アウトプットする。
これが佐藤可士和さんが、

その時に、あまりにも自分の経験から遠いと、リアリティに欠け、情報化しづらいケースもあるので、いかに「自分との接点に近づけるか?」が大事になる局面もあるとのこと。

昨年、coachedでコーチングを受け、日々の気づきや発見を言語化していくことを続けています。

なぜその感情が生まれたのか、その時どう思ったのか、本当はどうしたかったのかといったことを簡単にメモしていくと言うことをずっと続けています。
これこそまさに思考の言語化です。


今回、佐藤可士和さんの本を読んでみて、佐藤可士和さんなりの苦悩があることを改めて実感でき、一方で、一足飛びでいきなりクリティカルな解決方法やアイデアがあるわけではないことが逆に安心を感じました。

必ずたどり着けると信じて、段階を踏んで「整理」を行っていくことが大事です。
非常にわかりやすく、かつ、すぐに取り掛かれる本質的な本でした。


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