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黒部市のオススメ名建築5選【建築巡礼06】

今回は、黒部市のオススメ建築です。
黒部市は、旧黒部市と旧宇奈月町が合併したことにより、海岸線から渓谷まで非常に多様な顔を持つこととなりました。北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅がちょうどその中間付近に位置しています。
富山県東部で建築的には一番勢いがあると思います。建築に興味のある方なら是非是非来訪をオススメします。
(写真は黒部市国際文化センター コラーレです。日本建築学会賞も受賞した建築ですが、あえて選外にしてみました💦)


1)関西電力黒部川第2発電所/山口文象/1936年

外観 トロッコ電車の中からの撮影…これ以上近寄れないのです

個人的には富山県で最も美しい近代建築と思っています。
黒部峡谷からトロッコ電車に乗って奥地に行く過程に見ることができます。
残念ながら最寄駅が本来降車できる駅ではないので内部見学不可。内部は設備のための大空間だそうですが、そう見えませんよね。
この写真はもう20年近く前に撮ったもの。今は前の擁壁?が高くなり、この端正な佇まいが十分に見れなくなってしまいました。残念…。
それでも、トロッコ電車で自然と温泉を楽しみに行く機会があるなら是非とも見ていただきたい建築です。

2)パッシブタウン/第1期街区:エステック計画研究所 2016年、第2期街区:槇総合計画事務所 2016年、第3期街区:キーアーキテクツ(改修)・第一建設(新築) 2017年、第4期街区(たんぽぽ幼稚園):田口知子建築設計事務所 2022年、第5期街区:ヘルマン・カウフマン+竹中工務店 2025年(予定)、ランドスケープ:設計組織プレイスメディア

第2街区外観 街区ごとにイメージが異なるも、いずれもデザイン的には洗練されている

黒部と言えばYKK。YKKと言えば黒部。
黒部にはYKK絡みで建築家の行ったプロジェクトがわんさかございます。
事務所、展示場、集会施設、公園、職員寮等。
それだけでも見学ツアーができるのですが、それはまたの機会に。
その中でも、元の社員寮を大々的に建て直しや改修などし、断熱性をあげ、再生可能エネルギーや地域特有の風を活かして、ローエネルギーの街を追求したのがこのパッシブタウンです。まさに今、社会に求められてるプロジェクトと思います。
しかもデザイン的にも洗練されていているとなると、家賃は周辺よりも割高なのもしかたないなあと思うわけですよ。残念ですが💦
個人的には第4期のたんぽぽ幼稚園が好みです。機会があれば見ていただきたいのですが、そういう機会はなかなかないだろうなあ💦

3)宇奈月温泉総湯/ofa、桃李舎/2016年

夜景 まるで灯籠のようにもれ出る光が街を灯している

黒部市と合併した旧宇奈月町は温泉の町です。
ここにある駅からトロッコ電車が欅平まで走っており、温泉と雄大な自然を感じることができ、可能であれば泊りがけで訪れていただきたい街です。
この建築はボリュームはかなりあるのですが、格子状の外観と、すっきりとした形状で、圧迫感をかなり軽減できています。また、もともと立ち寄り湯をしている温泉宿もあったのですが、この共同浴場ができたことで、日帰りでも立ち寄りやすい観光地となった気がします。
ここを起点として、街歩きできるようなポイントがいくつもできてくれば、かなり面白くなってくるのではと期待しています。

4)くろべ市民交流センター/佐藤総合計画/2023年

外観(黒部市HP(https://www.aoyo-kurobe.jp/)より)  アルミのルーバーが特徴

実は工事中は見せてもらったのですが、完成してからはまだ訪れていません・・・。ということで、後日内容は更新する予定で記載します💦
旧の市役所跡地に建てられた図書館を中心とした交流施設です。
敷地が大変いびつな形をしていますが、それにうまく対応していること、また、アルミのルーバーが2列になっており、視線や日光を遮断するべきところ、通すべきところをその重なり方で滑らかに調整できているところに好感を持っています。
建築単体としては非常に優れていると思っていますが、中心市街地の規模の割には公共施設をまとめすぎているような気がしています・・・。

5)天真寺松桜閣/1883年(本堂)

外観(富山県HP(https://www.info-toyama.com/attractions/51017)より)雨戸開放時の開放感はなかなかに素晴らしそう

前回訪れた際には、大規模改修中でした。ということでまだ巡礼できていません・・・。しかしながら、まず間違いなく、これは5選に入る建築と確信していますので、後日更新予定とさせてください💦
初代富山県県令(知事)の元私邸で楼閣数寄屋造りとして非常に価値があり、庭園とともに、北陸の銀閣と呼ばれているとのこと。
北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅は、新しくできた駅だけあり、周りには何もないところでしたが、この建築が近所なのです(徒歩10分)。もし新幹線でお越しになるなら、絶対立ち寄るべきと思います。まだ行ったことないけど(笑)

いかがでしたでしょうか。黒部市のオススメ5選を紹介しました。
パッシブタウンの項目でも挙げましたが、黒部市内、本当にYKK関連の建築は見るべきものが多いのです。ただ、そのあたりを色々見て歩こうとすると車が前提かなあ。
ついでに言うと、富山県内、YKKだけでなく、アルミ産業が盛んです。その理由は水と電気。黒部市はその要件を満たしています。電源開発の渓谷と、生地の清水(しょうず=湧水)も併せてみていただけると幸いです。

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