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ミーティングNo4 宇宙と頭痛

頭痛ってどのくらいの人が悩んでいるのでしょうか。驚くなかれ、片頭痛は10人に1人、緊張型頭痛は5人に1人ほどが悩んでいると言われています。これから多くの人が宇宙でも活躍する時代、QOLに関わってくる頭痛対策は重要です。また、宇宙で頭痛が生じやすいとも言われています。


頭痛について


頭痛とは頭部の一部あるいは全体の痛みの総称です。後頭部と首(後頸部)の境界、眼の奥の痛みも頭痛として扱います。

頭痛は、髄膜炎、脳腫瘍、クモ膜下出血や脳卒中、脳炎など脳や頭部の病気の症状として出てくる頭痛(症候性頭痛、二次性頭痛)と、他に病気が隠れているのではなく、頭痛(発作)を繰り返す(持続する)ことが問題である慢性頭痛症(一次性頭痛)に大別されます。一次性頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。

以下「国際頭痛分類第3版」よりの抜粋です。

I 一次性頭痛

1.片頭痛
2.緊張型頭痛

3.三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)
4.その他の一次性頭痛疾患

II 二次性頭痛

5.頭頸部外傷・傷害による頭痛(例:むち打ちによる持続性頭痛)
6.頭頸部血管障害による頭痛(例:くも膜下出血)
7.非血管性頭蓋内疾患による頭痛(例:脳腫瘍)
8.物質またはその離脱による頭痛(例:薬剤の使用過多による頭痛)
9.感染症による頭痛(例:髄膜炎)
10.ホメオスターシス障害による頭痛(例:高山性頭痛、宇宙頭痛
11.頭蓋骨、頸、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口あるいはその他の顔面・頸部の構成組織の障害による頭痛または顔面痛(例:急性副鼻腔炎)
12.精神疾患による頭痛

III 有痛性脳神経ニューロパチー、他の顔面痛およびその他の頭痛

13.脳神経の有痛性病変およびその他の顔面痛 (例:三叉神経痛)
14.その他の頭痛性疾患


10.ホメオスターシス障害による頭痛
にある宇宙頭痛についてはこの後説明していきます!!!



自分でもできる頭痛対策について

頭痛は様々ありますが、頭痛一般、特に一次性頭痛(片頭痛や緊張型頭痛)、物質またはその離脱による頭痛(例:薬剤の使用過多による頭痛)では 以下の対応が個人で可能です。その上で必要に応じて医療機関へ受診してください。

  • 頭痛の日記をつける!

  • 肩や首周りの体操、運動をする

  • 日常生活を整える!

  • 歯並びや歯軋り、など歯科周りのチェック

  • 睡眠の時に呼吸が止まってないかチェック、場合によっては睡眠測定など


日記をつけることは最重要です。
日記をつけることで自分の状態が把握できるだけでなく、病院受診で我々医療従事者へ日常の情報を正確に伝えることができます。
頭痛の起きる時間、どの程度継続したか、頭痛薬を内服したか、周辺に特徴的なイベントがあったか(生理、食事の偏り、飲酒、寝不足などなど)などをつけておくとベストです!

体操や運動は筋骨格由来の頭痛で大切になります。緊張型頭痛はこれを習慣的に行うだけで改善する例もあります。

日常生活を整えることはどの病気でも基本ですが重要なことです。睡眠時間、運動週間、食事などなどです。

歯科周辺のチェックも大切です。顎関節症、齲歯(虫歯)で頭痛となっている場合もあります。

睡眠も重要です。睡眠時無呼吸症候群の症状での頭痛もあります。

以上が個人でできるチェックや対応です。繰り返しになりますが、迷ったら病院への受診をしましょう。
急激な頭痛は救急外来へすぐにでも、1ヶ月以上継続するような頭痛は日中の外来へ受診をしてください。


宇宙頭痛

2009年に宇宙飛行士の頭痛が学術雑誌に報告され、初めて宇宙頭痛として認識されるようになりました!!!!

なんとなんと、地上では全く頭痛を有さない宇宙飛行士の71%が宇宙飛行中に強い頭痛があると言われています。

国際頭痛分類第3版では「ホメオスターシス障害による頭痛」に、「宇宙飛行による頭痛」が加わっています。



なぜ頭痛が生じるか。詳しいことはまだまだわかっていません。
しかしながら微小重力環境による体液シフトが一つの要因と言われています。




地上では体内の血液や髄液に重力がかかっています。人間はほとんどの時間を立ったり、座ったり過ごすので水は足元へ落ちていきます。つまり地球上では血液や髄液が足下の方へ行く傾向にあります。しかし宇宙では、微小重力下によって重力の影響が限りなく小さくなり普通なら足下へいく血液や髄液が頭側へ行ってしまいます。結果として、頭の圧が亢進して頭痛を生じている一つの原因なのではと考えられています。


頭痛は離陸の際と宇宙ステーション滞在中に多く、着陸時には少ないと言われています。
離陸時に片頭痛や緊張型頭痛のような痛みが出るようです。
非特異的な頭痛は全ての時期で起こりえて、特に宇宙ステーション滞在中に多と言われています。

現状で頭の圧を測定できる方法は腰椎穿刺(腰から針を刺して髄液圧を測定する)などしかありません。宇宙ではなかなか困難なことから他の方法が検討されています。超音波検査(エコー検査)を利用して間接的に測定する方法が現実的と言われており、研究が進んでいます。具体的には目の部分や頭の部分を通して頭の圧を測っていきます。加えて、MRIを宇宙で行うことも今後検討されています。

最も重要なことは予防で、地上で宇宙頭痛の予測が可能となれば、宇宙飛行士人選の重要なデータとなるだけでなく、宇宙飛行前に頭痛対策をすることが可能となります。

予防や病態を探っていく一つの手段として、地上で研究可能な宇宙頭痛の研究手法にhead down tilt bed restという方法があります。文字通り、足を挙上して、頭を下げて寝るだけです。下記の記事に詳細あります。


なぜ宇宙頭痛が問題なのか?

なぜ宇宙頭痛が問題なのでしょうか。
片頭痛や群発頭痛などを経験されている方はわかるかと思いますが、日常生活の質が非常に落ちます。QOLの低下です。

具体的に言うと、頭痛で仕事をする気力が起きない、もやは頭痛で動けない、嘔気嘔吐してしまうなどです。

宇宙飛行士は、非常に繊細な課題を綿密なスケジュールの元でこなしています。もし頭痛で上記のような状態になってしまったらどうなるでしょうか。船外活動中や宇宙船の機体操作中などでそれこそ命に直結します。

また、宇宙飛行士でなくとも一瞬の時間が命取りになる場合もあります。
また旅行できているのであれば、宇宙旅行を全く楽しむことなどできない状態となります。


地上で同じような環境ってどんな環境がある??


宇宙頭痛の病態を研究していくことで、一般的な片頭痛や緊張型頭痛などの病態解明につながることもあるかもしれません。
現在薬剤以外にもデバイスで頭痛を改善しようとする試みもあり、

チェックイン・雑談


・暑いですねー!
・元気です!仕事が忙しいですね!
今が新卒採用のonシーズン。どこも暑いですね!今いるところは都心とは違うので、東京と比べると自然の暑さで心地よさある。
・中国や東南アジアのSNS運用(ビリビリ、ウェイボー)+ホームページ作成をチームでやり始めた。学チカ(大学で力を入れたこと)は就活でキーワード。
・0⇨1が1番楽しい!
・頭痛も困るけど腹痛も困る
・月面開発フォーラム行ってきた。ゼネコンさんやメディア、建設会社さんなど多数参加。色々と構想はあるがまだまだ時間かかる印象。隕石落ちるから地下で住むが、エネルギーをどうするか。月面だと作用反作用が働かないから穴を掘ること自体が難しい。そして穴を掘る掘削機などのエネルギー源として太陽光発電では持続時間や充電量ともに難しいので、原子力電池が候補としてある。次世代電池と言われているもので、人工心臓のコントロール源にも使われたりが候補として。鉄腕アトムの以前の設定はまさにこれ。

https://www.tdk.com/ja/tech-mag/hatena/005


以上で一般的な頭痛の話から宇宙頭痛についての話まで終了です。これから人間が宇宙進出していくにつれ大切になっていく可能性大きいです。

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我々って??
「Space Healthcare Medical Consultation」
・ビジョン「宇宙視点で世界を一歩でも先へそしてその先へ=あなたらしく」
・ ミッション「地上のものづくりを宇宙へ、宇宙のHealth & Medical領域を通じて地上と宇宙の課題解決」
・バリュー=楽しく、敬意、謙虚に、ポジティブ、まずトライ、個人組織でV & M重なる、全力で協力→今後より洗練していきますが、現在のミーティングの雰囲気はこんな感じです!

参考文献、資料
AA Vein,et al. Cephalalgia.2009;29(6):683-686.
Future Neurology.2017;12(2):61-4.
国際頭痛分類第3版
病気が見える
日本内科学会雑誌 107 巻 8 号 特集 神経・筋疾患に対する治療の進歩 片頭痛
https://pixabay.com/ja/photos/%e3%82%84%e3%81%91%e3%81%8f%e3%81%9d%e3%81%ae-%e8%80%83%e3%81%88%e3%82%8b-5011953/

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