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授業で手を挙げない息子を見て

息子の授業参観に行った。驚いたのは、先生の問いかけに対し、ほとんどの子が元気よく手を挙げて答えていることだ。

我が子はと見ると、たまーに思いついたように遠慮がちに手を挙げるのだが、ほとんどはじっとしている。

参観後、そのことについて何か言おうかなと思ったけれど、思った瞬間に心にしまい込んだ。私自身が子どもの頃、手を挙げてハキハキ答えるようなタイプではなかったからだ。そして何より、「大きい声で」「元気よく」「明るく」を強制されることに怯えていた。

明るく活発な子が、周囲に好かれるのは分かる。自分の考えをしっかり言えるのも大事なこと。でもみんながそうなれるわけではない。だったらこの子の「大人しい」という個性を見守りたいなと思う。

挨拶をするとか名前を言うとか、最低限必要なことはしなければいけないけど、自分だってできていなかったのに、それを子どもに求めるのはやめよう。

ちなみに私は今、子どもの頃コンプレックスだった「大人しい」という性格を、克服したというか、受け入れられるようになった。仕事では何故か言いたいことが言えるし、取材もプレゼンもできるし(緊張しいだけど)、プライベートでは大人数で話すのは苦手だから、聞き役に徹している。

自分に無理をしないで、私ってこういう性格なんだよね、と認めてしまえば、結構楽になる。子どもの頃は「明るくなりたい!」と思い詰めていたけど、学校という小さな社会の中で、求められる役割を果たせなくて、もがき苦しんでいただけだった。

ありのままでいいよ、大人になったらもっと広い世界が待ってるよと、子どもにも、あの頃の自分にも言ってあげたい。

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