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異国での子育て②

フランスで一年間子育てをして、気づいたこと、感じたことを綴ります。

親が子どもの鞄を持つ

日本との違いを感じる場面はいくつかありました。そのうちの一つは、親が子どもの荷物を持ってあげていること。日本だと、幼稚園でも「鞄は自分で持たせてください」と言われて、私も自分の荷物だから自分で持つのは当然、と思ったのですが…。

フランスでは、小さい子の荷物は親が持って登園しているのです。おそらくこれは、「弱きを助ける」「困っている人には手を貸す」というフランス人の精神から来ているのでは、と思っています。子どもは力がないので、力のある親が持ってあげればいい、という発想ではないかと。(あくまで私の推測ですが)

逆に日本では、「自分のことに対しては自分で責任を持つ」という文化があります。日本人が他人に助けを求めることが苦手なのは、こういった文化も背景にあるような気がします。
これもどちらが良い、悪いではなく、文化の違いだと思います。でも、なんとなくフランス人の姿を見ていると、別に大人が持ってあげてもいいか、という気持ちになりました。

子どもが遊んでいる間、親は自由に過ごす

例えば公園で自分の子どもが遊んでいるとき、日本だと親が一緒に遊んであげている光景をよく見ます。フランスでは、子どもが遊んでいるときは、親は本を読んだり、おしゃべりしたり、スマホを見ていたり…していることが多かったように思います。
子どもは子ども、親は親、という感じ。

これが、幼稚園の先生達もこんな対応だったのでちょっと驚きでした。子ども達が園庭で遊んでいる時間、先生達は一緒に遊ぶのではなく、休憩時間のように先生同士集まってお喋りしていました。(もちろん、子どもが泣くなど何か問題があれば走っていくのですが)
フランス人は子育て中も、自分の時間を大切にすると聞いたことがあります。それ故に子育て中のストレスも、日本に比べて少ないかもしれません。
ちなみに幼稚園の先生達は、日本の先生達のようにエプロン、ジャージ、という姿ではなく、ヒールの靴とかミニスカートとか、ごく普通にお洒落も楽しんでいました。

子どもは容姿の違いを気にしない

フランスの幼稚園に行き始めたとき、白人、黒人、アラブ系の子、色々な人種の子がいたので、子どもがどんな風に思うかな?と思ったのですが、意外と、そこは全く気にならないようでした。

「今日、クラスで2番目に大きい子と遊んでねー」とか「今日は背の高い女の子と遊んだよー」とか。髪や肌の色、目の色なんて気にしていないようなのです。「人種」という概念がない子どもにとっては、国によって異なる身体的特徴も、単なる個性なのだなと感じました。よくよく考えれば、日本人ばかりのクラスにいても、背が高い子、低い子、目が大きい子、小さい子、みんなバラバラの個性を持っています。子どもからすると、その程度の違いなようでした。これも、外国に行ってみて初めて分かったことです。

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息子がフランスの幼稚園で描いた絵。日本にいた時と明らかに絵のタッチが変わっていて、これまた驚きました。日本に戻ってきた今では、もうこんな絵は描きません。

私たちは一年間という短い間しか滞在しませんでしたが、もし幼少期をずっとフランスで過ごすことになったら、間違いなくフランスの文化に染まり、フランス式の考え方が根付いたでしょう。
帰国から2年経つ今でも、子ども達はごくたまーにフランス語を話します。フランスの幼稚園のこともよく覚えています。
本当に貴重な経験ができたなぁと改めて思っています。


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