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ヨーロッパ一人旅 Vol.3 〜ロンドン三日目〜

 こんにちは。
 今日はロンドン三日目について書いていこうと思います。
 その前に、二日目の夜にホステルで仲良くなったナイジェリア人の友達についてちょっとだけ紹介しようと思います。

ナイジェリア人の友達

 ロンドンにはアフリカから来ている人が多く、私が滞在したホステルにも何人かいました。その中でナイジェリア人の医学生、社会人、もうひとりは何しているかわからない3人と仲良くなり、色々お話をして彼らの国の文化をたくさん教えてもらいました。
 中でも、特に仲良くなったのがナイジェリアからロンドンにあるコンピューター関連の大学に勉強をしに来たケケです。年齢は30歳手前だそうで、驚くことに彼には兄妹が8人もいるそうです。
 なぜ私は彼、そして他のナイジェリア人の友達と仲良くなったのでしょうか。
 二日目の夜にホステルのキッチンでご飯を作り終え、ラウンジでくつろいでいると彼らがやってきて、ラウンジにあったテレビでナイジェリアの音楽を流し始めました。私は様々な言語の音楽に興味があったので、彼らに「ナイジェリアではどういう音楽が流行っているの?教えてほしい!」と言うと、「まあとりあえず座って、いろいろ教えてやるよ、まずはな〜…」という感じで約3時間位ずっとナイジェリアで流行りの音楽、文化などを様々教えてもらいました。
 例えばこの曲、ナイジェリアも含めアフリカやその宗主国であったイギリスにまで及び人気があるアフロポップのアーティストAsakeのJohaという曲は非常に印象的で、MVのビビッドな色使いのファッションと、アフロポップ特有のダンサブルなサウンドで、今でもこの曲を聞くと彼らと過ごしたロンドンでの日々を思い出します。

 日本にいるとアフリカの人々と交流する機会はそうそうありません。アフリカの人と話しているといつも感じますが、大前提として彼らは自分の国の文化を愛しており、それについて聞けば1から100まで詳しく丁寧に教えてくれます。そして常に家族のことを考えています。ケケは毎朝、私と一緒にホステルの前でタバコを吸っているときにお母さんに電話をかけていました。何を話したの、と少し聞くとお金のことだったり、自分の兄妹がどうしているかみたいなことだったり、家族を常に考えているように私は思いました。
 これはあくまでも一例ではありますが、多くの人たちもそうであるんじゃないかな〜と思ってしまいました。自分と家族という最小単位の共同体を大事にしながら日々を過ごす彼らには尊敬がやみません。
 そしてこれは四日目か五日目の出来事ではありますが、ケケといつもどおり外でタバコを吸っていたところこんなことを私に話してくれました。
 「俺は生まれて初めて海外に来て、いろいろな素晴らしいものを見て、様々な人種の素晴らしい人達に会って、もちろんShika(自分)もめちゃくちゃ優しくて、自分が頑張って働いてロンドンに来て良かったって思えるんだ」
 
私はすごい嬉しかったです。嬉しいというか、幸せというか、言葉では表しきれないほどの喜びを感じました。生まれた国も、人種も、言語も、文化も違う彼にこのように言ってもらえること、一生の宝物であると思います。
 それではロンドン三日目です。

イギリス生まれのPret a Manger

 まずはじめに大英博物館を12時に予約していたので、ホステルの近くにあったカフェチェーン店のPret a Mangerに行きます。ロンドン市内を歩いているといたるところにこのお店があり、なんだろう?と調べてみたら、イギリス生まれのカフェチェーン店だそうです。
 店内は談笑するおばあちゃん、忙しそうにパソコンへ顔を向けるビジネスマン、課題に取り組む学生など、様々な人が利用していました。
 私は抹茶ラテを購入して、ロンドンの街角を通り過ぎる人々を眺めながら時間を潰しました。そして足元には談笑するおばあちゃんの飼い犬がトコトコと足元に寄ってきていました。店内に犬がいることに非常に驚きましたが、ヨーロッパではこれが普通なのだと、旅の中で知っていくことになります。

大英博物館

 さて、予約していた時間がやってきました。ついに大英博物館へ入ります。まず予約する段階で気づいたのが入場料が無料であるということ。これは素晴らしいですね。ロンドンでは様々な人に利用してもらおうという考えなのかはわかりませんが、多くの美術館や博物館がこのような方式をとっています。良い取り組みだと思います。

エントランスホールは意外と近代的

 エントランスホールは様々な国からやってきた旅行客が歩き回っており、修学旅行中の学生は地べたに座って友達と他愛もない会話をしていました。
 私は早速展示品を見ようと思いましたが、特にこれといったガイドブックは渡されず、これだと展示品を深く理解できないと考えわざわざ日本語ガイドを購入してしまいました。これも自分へのお土産だと考え、展示室へ入っていきます。
 初めはエジプトです。

迫力がある、としか言えませんでした…
ただ何か、冒険心をくすぐるものがあります。
初めてみました、ヒエログリフ!!!
教科書の世界です。

 ここまで見て「あれ?なんでロゼッタストーンが出てこないの?」と感じた方も少なくないと思います。現在、ロゼッタストーンはここの展示室では置いていないそうなんです…。自分も一つの楽しみとしてここに来たのですが、何度エジプトの展示室を行ったり来たりしようと見当たりませんでした。詳しい理由はわかりませんが、なんか問題でもあったのでしょうか。残念でなりません。
 こんな感じで一つ一つ展示品を日本語ガイドに沿ってじっくり鑑賞していきました。そしてたどり着いたのが古代ギリシアの展示室。

ごめんなさい、ここの展示に関しては解説がなくほぼほぼ理解できませんでした。
ただこの台座?の布のなびいている部分が繊細ですごいと感じました。
空間を捉えるセンスがあったのですね。
不思議な魅力を感じて撮ってしまいました。
彼はこの壁画に何を感じて、どのように描写しているのか非常に気になります。

 このあとは日本コーナーも行って、ぐるっと一通りを鑑賞しエントランスホールへ戻ってきました。お昼ごはんの時間です。

キャロットケーキとジェノベーゼ

 目の前に座ってた韓国人の老夫婦と会話を交わしつつお昼ごはんを食べ終え、大英博物館を後にしました。
 あの、正直なところ、大英博物館は期待していたほど「すごい!面白い!」とは自分の中ではなりませんでした。これは単純に私の知識不足です。圧倒的にこれらを鑑賞し、考え、楽しめるほどの教養が足りませんでした。世界史をやっておけばよかったのかとふと思いましたが、後の祭りです。もっと世界の歴史についての教養をつけなければと焦りを感じた大英博物館でした。

テート・モダンの魅力

 大英博物館からはるばるミレニアム・ブリッジの辺りまでやってきました。この橋を渡ると、近現代美術館のテート・モダンがあります。
 テート・モダンは国立の近現代美術館でその建物は以前発電所だった建物をリノベーションしたものとなっていて、非常にアイコニックです。
 ここに展示されている作品自体もかなり有名なピカソやダリ、モネやマグリットからかなりマイナーなものまで様々です。私個人的に、西洋美術はとても好きで昔の絵画も好きなのですが、やはり背景知識などを必要とするものがどうしても多くて、理解が難しいものも多いです。ただ現代美術は理解が難しいものも多いですが、如何様にも受け取れる多面的な作品が多いです。自分がいま頭の中にある知識と思考方法で捉え方を試行錯誤できる現代美術の作品は私の目に魅力的に映りました。
 私がテート・モダンの展示で特に好きだと感じたものは、パキスタンの映像作家、Bani Abidiによる「Reserved」という作品です。
 この作品は映像作品であるため、真っ暗な特殊な展示室で上映されていました。誰もいない中、興味がそそられ一人で見ていました。
 概要としてはパキスタンで要人がなかなか来ず、待ち続ける男性の苦悶と、その要人を歓迎するために道端に並ばされた何も知らない子どもたちのそれぞれの映像が二つの画面で映し出され、それらは交互に点いたり、また同時に点いたりしながら話は進みます。
 少しだけですが映像がYouTubeにあったので、よければ見てみてください。7分50秒からです。

 この作品を見ていると、変わることが無い日常の風景は静的であり、それでも時間は進み続ける動的な印象を受けました。また二画面で映し出されるというのが非常に面白いと思います。この方の他の作品も見てみたくなりました。
 稚拙な感想を述べて、テート・モダンのお話はここで終わりです。

夕焼けに映るロンドンの街並み

 そろそろロンドン三日目も終了です。そんなことを思いながらロンドンブリッジを目指して歩いているとこんな写真が撮れました。

後ろに映るビルはThe Shard、300mもあるそうです。

 曇りばかりのロンドンで初めて、こんなきれいな空を見ました。ちょっと鬱になりそうなほど曇りのロンドンでこんな空を見られたら、もう最高です。実はこの後、ロンドンブリッジの近くにいた友達に会って、一緒にディナーをします。その友達はイギリスに留学しており、偶然ロンドンに来ていたそうで、久々友達と会うことができて安心したというのが私の本音です。
 
 次はロンドン四日目、この日は友達と一緒にカルチャーの街、イースト・ロンドンを巡ります。ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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