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リアルオフィスvsバーチャルオフィス

こんにちは、oVice CEOのジョンです。

今回は、私がリアルオフィスの何が好きなのか、そして自分が作ったバーチャルオフィスはリアルオフィスと比べてどうなのかについてお話ししたいと思います。


リアルオフィスの何が好きか

もともとリアル派だった私が考えている、リアルオフィスの良さは以下の3つです。

会社の動きがわかる

リアルオフィスにいると、どのチームが忙しくしているか、誰と誰がコラボしているかが一目で分かります。
会社というのは、あるビジネスモデルの中でメンバーが有機的に動いてコラボレーションしたり、そのコラボレーションが可視化されることで他の社員が介在する余地が生まれたりすると感じています。「あのコラボは意外だな」と感じたら、近寄って行って話しかけたり、ミーティングに混ざることができるのです。

空間があることで「自己開示」ができる

それぞれの社員が、今集中して何かに対応しているのか、会議をしているのか、雑談しているのかなど、それぞれの状態を「自己開示」できると感じています。それを周りの人が見ることで、今声をかけても良いのか、後にした方が良いのかなどの判断できるのが、リアルオフィスの良さだと考えています。

「拘束力」が強く、集中して何かに一緒に取り組める

リモートワークだと、会議中に他の作業をやり出すことが多いと感じます。もちろんリアルで会っていてもそれは起きうるのですが、リモートワークの時よりも集中して会話することが多いので、リアルな方が「拘束力」が強く、一つのトピックに対する「密」なコミュニケーションができると感じます。リモートで強制的にカメラをオンにして会話するよりも、細かな動きや雰囲気も含めてコミュニケーションできるため、リアルの方がよりハイコンテクストなやり取りができると感じます。

リアルオフィスで面倒だと感じること

リアルなオフィスには色々な良さがある反面、もちろんデメリットも存在すると感じています。

通勤と退勤

通勤と退勤にかかる時間が、リアルオフィスの一番のデメリットだと感じています。リアルオフィスに出社する必要がある場合、必然的に朝起きる時間は早くなりますし、オフィスが家から遠い場合は、長い時間通勤ラッシュに巻き込まれながら会社に行くことになります。体力的な問題はもちろん、リモートよりも仕事にあてられる時間が減ったり、プライベートな時間が減ってしまうことも起こりえます。

その他にも、子育てを行っている方たちが子どもの送迎を勤務に合わせて調整せざるを得なかったり、介護のために離職せざるを得なかったりといった状況が発生していると感じます。特に女性のキャリアに関する問題も、出社をしなければならないという状況によって一定生み出されていると考えています。

オフィスという「固定費」が発生する

特に経営者であれば、オフィス費用という「固定費」が発生すること自体が脅威であると感じます。資金が潤沢にある会社であったとしても、例えば市況の変化でコスト削減が必要になった際、今のオフィス面積が妥当かどうかも含めて再検討する企業のニュースをよく目にします。また、資金に余裕のないスタートアップであれば、極端な言い方をすると「オフィス」という固定費はただ単に会社をしばり、苦しめる負のコストともいえ、その固定費を「価値創造」に貢献する人に充てた方が事業にとっては有益だと感じます。人と人とをつなぐというオフィスの役割を、より安い何かで代替できる方法があるのであれば、それを使うに越したことはないと考えています。

ではリアルオフィスはいらないのか?

もともとリアルオフィスが大好きだった私がコロナでリモートワークに移行し、バーチャルオフィスを使ってみて思うのは、「会うのは良いが、それが毎日である必要はない」ということです。リモートワークをしながらも、たまにメンバーと会う機会はありますが、「初めまして」といった感覚には一度もなったことはありませんでした。それは裏を返すとバーチャルオフィスで毎日勤務することで「一緒に」仕事をしている感覚になっているからだと感じています。とはいえ、もちろん直接会えるとうれしいのですが、たまに会うからこそそのありがたみが増すと感じています。

オフサイトミーティングでの集合写真

2023年3月、会社としての重要な転機であったため、oViceの社員を集めた東京でのオフサイトミーティングを企画しました。より「密」な時間を過ごしながらその場の熱気を共有したいミーティングは、オンラインだと不十分だと感じたからです。実際に実施してみて、やはりリアルの方が「密」で一定の「拘束力」が発生すると感じましたし、重要な場面ではリアルで会うことの重要性を改めて認識しました。

バーチャルオフィスはオフィスの代替品になれる

リアルオフィスに毎日集まっていた代わりに、バーチャルオフィスに集まることで、社員が交流する場としては十分だと考えています。また、リアルオフィスだと支店ごとに分かれてしまったり、たとえ同じビルでもフロアが分かれてしまっていたり、会議室に入ってしまっていると何をしているのかが見えなかったりと、同じ空間にいるはずなのに見える範囲がかなり限られてしまいます。こうなってしまうと、オフィスに出社していても相手の状況が分からないという意味で、リモートワークの時と同じような状況になってしまいます。バーチャルオフィスであれば、全体を見渡すことができるため、リアルオフィスより社員一人一人の状況を把握しやすくなるメリットがあると感じます。

リアルオフィスの良さはもちろんあります。ただ、東京の高い家賃を考えると、広いフロアを借り続けるのは、莫大な「固定費」が発生することになります。例えば、六本木ヒルズのような立派な場所に全社員が出社する前提でオフィスを借りた場合はかなりの金額になりますが、こうした立派なオフィスを借りるということは、外部から「きちんとした会社だ」という信頼を獲得できたり、立地が良くきれいなオフィスは従業員のモチベーション向上に資するとよく話を聞きます。ただ、ITの進化・浸透と柔軟な働き方の実現が声高に叫ばれている現在においては、そうした価値観は再考の余地があると考えている方も増えてきているのではないでしょうか。

日常のやり取りは基本的にバーチャルオフィス上で行い、より「拘束力」を強めて「密」な時間を過ごしたい時だけリアルで集まれる場所を借りる。もしくは最低限の広さだけ借りておき、必要に応じて集まれる環境を整える。そんな働き方が合理的だと感じています。


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