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地方スタートアップこそフルリモートワークすべき

こんにちは、oVice CEOのジョンです。

oViceは石川県七尾市に本社を移転してから、3年で総額60億円以上の資金調達を行い、社員数も約100名規模の会社となりました。地方スタートアップでありながら、こうした成長や採用が実現したのは、「フルリモート」であったことが大きいと感じています。今回は、バーチャルオフィスを使ったフルリモートで実現した「採用」や、地方に本社を置いたことによるメリットを紹介します。


「賃金の安さ」は地方スタートアップにとって良いこと?

「地方スタートアップ」のメリットとして、地方の方が東京などの都市部と比較して給与を比較的押さえて採用ができることが挙げられます。ただ、私個人としては、そうした考え方には疑問を感じています。「地方だから安い」のではなく、「地方であっても都市部と変わらない給与」にすることこそが、会社と地方の発展につながると考えているからです。

石川県七尾市にあるovice本社。ここに出社している人はおらず、全社員が基本的にリモートで働いています。

「地方で採用」だけではすぐに人材不足に悩むことに

また、その土地で採用するだけでは人材不足に陥ってしまう可能性も高いです。例えば、地方に移住しているエンジニアの場合、地方の企業で働くより、東京などの高賃金の仕事をリモートで受けることがほとんどです。引く手あまたな優秀な人材であればあるほど、地方の企業で低めの給与で働くという選択をすることがほとんどないと感じます。逆に言うと、本社がどこにあろうとも、フルリモートであれば首都圏に住んでいる人材を含め、日本全国、ひいては世界から優秀な人材を採用することができます。

「フルリモート」という勤務形態が求職者に響く

oVice社もフルリモートをいかした採用を行っており、本社が七尾市にあるからという理由で採用候補者から断られたことはありません。さらに、首都圏の人材を採用後、その人が地方に移住して個人の生活の満足度が高まった結果、oViceという組織にも定着しています。フルリモートで働ける会社が少ない今だからこそ、良い人材を集められていると感じます。

エンジニアの多くはチュニジアに居住しています。

コロナ禍でフルリモート勤務は増えましたが、収束にともなってその数も減ってきました。しかしリモートワークが可能な環境で働きたいと考えている人材は多く、そうした方々から興味をもってもらいやすくなると感じています。

スキルがある人を世界から採用。多拠点展開やグローバル展開も容易に。

場所を問わないため、スキルのある人を全世界から採用することができます。「出社」という選択肢のみの企業の場合、採用は出社できる方に限られてしまいます。せっかく採用しても、家庭の事情での引っ越しなどがあった場合は離職せざるをえなくなり、優秀な社員をみすみす手放してしまうことになります。バーチャルオフィスを使うことで、どこからでも採用が可能になるため幅広い人材にアプローチでき、その社員が働き続けることができる環境を整えられると感じています。

チュニジアワーケーションでの写真。日本、韓国、チュニジアの社員が集まっており、中には日本所属でありながらオランダで勤務している社員も。

また、例えば石川県の会社が東京で営業活動しようと思った場合、特にコロナ前までの常識であれば、東京に支店を設けてそこに出社できる人を採用する必要がありました。フルリモートであれば、支店がなくとも東京で活動できる人を採用するだけで済みます。支店を作る場合はオフィスなど諸々の固定費が発生し初期投資額が増えてしまいますが、フルリモートなら少額の投資で多拠点展開ができます。これは日本国内での事業展開に限った話ではなく、海外展開する上でも言えると考えています。

地方スタートアップ×フルリモートのメリットは採用にとどまらない

フルリモートを活かして採用するというメリットは大きいと考えていますが、それに加えて、地方に拠点を置く場合自治体からの補助が得やすく、メディアからも興味を持っていただきやすいと感じます。その地域の特徴を活かしたビジネスができていれば、なお良いでしょう。
そうした環境で、優秀な人材を制限なく集められたら、企業として勝てない理由がないと考えています。VCも「地方スタートアップだから投資しない」ということもありません。逆にVCがたくさんあり、地方銀行も頑張って融資しようとしてくださっている今は、地方スタートアップの方が、銀行からの借入を含め資金調達がより有利になる場合も多いです。
つまり良いビジネスを作り、良い人材を集めていれば、きちんとお金もついてくるため、「地方で安い賃金で人材を雇用する」という形をとらずして、サステイナブルなビジネスを作り上げることは可能だと感じています。

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