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目の前のことに一心不乱に取り組んでいたら今の場所にいた | Geolocation Technology 山本敬介社長インタビュー

今回お話を伺ったのは国内で唯一の技術を持つIT企業、株式会社Geolocation Technologyの山本敬介社長です。

テレビゲームが大好きだった少年はどうして自衛隊入隊を選んだのでしょうか。またIT企業を立ち上げるまでに、どのような考え方の変化があったのでしょうか。

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ゲーム大好き少年が自衛隊へ

僕の家は母子家庭でした。早くに父が亡くなっていて、とても裕福な家庭とは言えませんでした。おまけに勉強も真面目にしてこなかったので、「大学に行ってしっかり勉強しよう!」という雰囲気でもなかった。

だけど、そんな僕にもひとつだけ熱中できるものがありました。コンピュータです。コンピュータゲーム、つまりテレビゲームが大好きで、いつかあんなゲームを自分でつくってみたいと夢見ていました。

じつはWEBサイトのデザインも、大好きだったファミコンゲーム「ドラゴンクエスト」の世界観がモチーフになっています。

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株式会社Geolocation Technology公式HPより(https://www.geolocation.co.jp/

だからできることなら、コンピュータを勉強できる学校に行きたいと思っていました。

そんなある日、沼津の街中を歩いていたら急に呼び止められました。相手は自衛官でした。「君、自衛隊に入らないか?」って。冗談みたいですが、本当の話なんです(笑)。近くに自衛隊募集事務局があって、たまたま勧誘活動をしていたんですね。

ボーイスカウトで見慣れていたこともあり、自衛隊に抵抗のなかった僕は話だけでも聞いてみようと彼らについて行くことにしました。

案内された事務所で自衛官の方とおしゃべりをしたり、出されたカルピスを飲みながら陸上自衛隊の演習のビデオを見たりしました。その時点で少し自衛隊の仕事に興味が湧いていましたね。

自衛官から「君は将来どうしたいと思ってるの?」と聞かれたので、僕は素直に「コンピュータの勉強をしたいです」と答えました。

すると自衛官の方が「自衛隊でもできるよ」って言うんです。自衛隊にはコンピュータ通信を専門とする部隊があって、そこに配属になれば仕事でコンピュータに触れるらしかったんですね。

コンピュータを勉強できるうえにお金までもらえるとは、なんとも魅力的な話ではありませんか。俄然興味が湧いてきて、あれよあれよと入隊する運びとなりました。

自衛隊への入隊は僕の人格に大きな変化を起こしました。先ほど申し上げたように、僕は勉強ができなかった。高校卒業までは劣等感の塊でした。

ところが自衛隊に入った瞬間に待遇が一変します。教官から、「山本みたいな隊員は10年に一人いるかいないかだ」とおだてられて、完全に舞い上がってしまいました。

劣等感は払拭され、「俺はできるやつなんだ!」と思い込むようになったことで、自分に自信が持てるようになりました。自衛隊でのこの体験が、僕の経営における自信を支えていると感じます。

配属になった通信部隊は、駐屯地と駐屯地を結ぶコンピュータネットワークの運用が主な仕事でした。つまり、プログラミングより通信ネットワークがメインだったんです。

同じコンピュータネットワークで言えば、みなさんに馴染み深いのはインターネットではないでしょうか。ちょうど一般家庭にもパソコンやインターネットが普及し始めた頃です。僕も趣味でインターネットに触れるようになりました。

インターネットとの出会いは衝撃でした。自衛隊で身につけた知識があったからこそ、その仕組みの素晴らしさに驚かされ「これを本格的に仕事にしたい!」と思うようになりました。

そんなときに加入していたインターネットサービスプロバイダのWEBサイトを見たら、たまたま社員を募集していたので迷わず応募しました。転職が成功して入った会社では、仕事をしながらインターネット運用の勉強ができました。

そこでお客さまの要望を聞いているうちにIPアドレスのアイデアにたどり着き、起業に至った次第です。

こうやって見てみると、とんとん拍子に進んでいるように思えますね。しかし、それは振り返って見るからいえるのでしょう。決して簡単な道ではありませんでした。

昔はいつも必死でした。自衛隊の仕事にせよ、ベンチャーキャピタルとの交渉にせよ、瞬間瞬間にドキドキして、一喜一憂して、目の前のことに一心不乱に取り組んでいたら今の場所にいた印象です。人生、何がどこで繋がるかわかりませんね(笑)

やりたいことがあるならば

「辛抱することもたまには必要じゃない?」ってことを若い人たちには言っておきたいです。何かをやめたいと思ったとき、もう一年、もう数ヶ月でもいいから辛抱して続けてみたらどうかなって。

仕事にせよ趣味にせよ、思いつきでパッとやめるのは簡単だけど、ちょっとだけ辛抱するとガラリと状況が変わることもあると思います。僕のIP Geolocation事業なんか辛抱の連続でしたしね。

ただし、絶対に辛抱して続けたほうがいいわけでもありません。他にやりたいことがある場合は例外です。

やりたいことがあるなら我慢はよくない。新しいことにチャレンジするためだったら、今やっていることをすぐ放り出していいとさえ思います。

あとは「相談してくれたらいいのにな」って思います。にっちもさっちも行かなくなる前に、近くの先輩や上司に悩みをぶつけてほしいんです。やめるかやめないかを決めるのは、それからでもいいんじゃないかと。ちょっとだけ長生きしている身として思うことがあります。

まとめると、「積極的にやりたいことがないならちょっとだけ辛抱する」「でも、やりたいことがあるならすぐやめる」「苦しくて悩んでいるなら上司や先輩に相談する」と、そんなところですね。


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