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つれづれなるままに呟く

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ひとりごちるは藍の夜
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#小説

日々断片蝶々

東京にいた頃に書いた短編小説を、すこし、書き直した。 あの頃の私を消さないように、あの頃…

自己表現、という呪い、あるいは

noteに自分のことを書くのが、ひどく、こわくなってしまった。本業でもライフワークでも、文章…

こぼれ落ちていく4月

葉桜の頃、東京へ行った。 ビルを背景に、散りかけの桜を見た。 人がたくさんいて、にぎやかく…

生きるための遺書【書籍『トワイエ』を発売します】

「とはいえ、私たちは生きていかなければならない」 止まらない不景気。匿名の悪意。伝わらな…

あなたを迎えにいく日まで

年末、というのはどうしてこんなにも、 人生を直視せざるを得ないんだろう。 あの頃のわたし…

日記6/17

鼓動と合わせて痛む心臓を、抱きしめるように寝込んでいる。クーラーの調子が悪い。冷や汗が止…

深淵を覗く

小説を書く、というのは、自身の深淵と向き合う覚悟を背負う、ということだ、春。風が砂を巻き上げて、灰色の祝福が街に降り注ぐ。 深淵。 生きれば生きるほど、深く、暗くなる。社会生活に順応しようするほどに、遠ざかるしかなくなる。まともに覗き込んでしまえば、もう帰って来られなくなる。私たちは、それを本能的に知っている。 学生の頃までは、生活が破綻しても死にはしなかった。奨学金は毎月決まった額振り込まれ、バイトをすれば周りと同じ暮らしができた。一銭にもならない原稿を夜通し書いて書

2度別れた恋人と結婚する友人

2度別れて2度復縁した恋人と、結婚する友人がいる。 深夜1時のサイゼリアで、私はその話を聞い…

Tully'sの女の子の話

「私ね、彼から連絡が来るのをずっと待ってるの」 Tully'sで偶然隣り合った女の子が、連れの…

深夜2時に「死にたい」と呟くと「いいね」が来ることについて

「死にたい」 と、ある日Twitterで呟いた。深夜2時に。行き場のない孤独を吐き出すように。 …

ひとりで人間を失格していた冬

大学一年の冬、大講義室の片隅で 講義を聞き流しながら『人間失格』を読んでいた私へ。 それ…