大阪・全興寺「地獄から極楽へ」
「ウソをつくと舌をぬくぞ」
ここは、お寺です。おもしろいお寺です。
遊園地のアトラクションではありません。
さきに書いておきます。
大阪市平野区・全興寺。
ここは、おもしろいお寺です。
全興寺と平野のまち
やっぱり屋台村のイベントでは?
アーケード商店街に、あかい提灯。コミカルな鬼の看板。
舌をぬかれる、ハートをぬかれる。
ここは、たびたびメディアに登場の「地獄から極楽への体験ができるお寺」なのです。
キャッチフレーズは、
「ウソをつくと舌をぬくぞ」
もより駅は……
●Osaka Metro大阪メトロ谷町線・平野駅…徒歩約13分
●JR大和路線…平野駅…徒歩約13分
大阪市平野区は、
戦国時代より民衆が町のまわりに壕と土で囲う環壕をめぐらせました。そして、しぶんたちで町を守ってきたのです。
自治都市・平野郷といわれ、いまでも住民が景観を保存しています。
「町ぐるみ博物館」平野区には、いろんな施設があり、その歴史を伝えています。
◆全興寺・地獄体験「地獄堂」
うわさで聞いていたけれど全興寺に行くのは、はじめてです。
ダンドリが悪いところもありますが、どうぞ笑ってお読みください。
受付で案内図を
「全興寺すみからすみまでお楽しみガイド」(白黒リーフレット)をいただけますので、まずは受付へ。
全興寺は、いよいよ夏の陣、いや夏の風物詩。エンマ大王の季節です。
有名な地獄堂。お寺なのに地獄。
「ウソついたら閻魔大王に舌をひっこぬかれるで!」
よみがえる記憶。あの看板の絵だ。
ちゃっかり宣伝と商売も同時進行。
おみくじ。すでに釜ゆで地獄。
修行、カップ麺のような? 3分
おもしろいお寺ですね。
体験・地獄堂はどこ?
どこに地獄があるのか……。
梅雨空と、あまりの静けさに、こころがおちつきます。
地獄なんてないと思えるほど。
やっぱりお寺ですね。と、思ったら建物が。六畳ぐらいのコンパクトさ。トイレかしら?
地獄通行手形・拝観料100円
ここで、お金を入れるのではないのです。また受付にもどります。受付で地獄堂に拝観を申し出て100円を、おさめます。
全興寺には、自由に入れますが地獄は有料です。
地獄も「拝観料」というのですね。
受付でリーフレットを渡され、通行手形の説明があります。
【リーフレット内容】
◆体験コース「地獄から極楽へ」
親切ですね。効率よくまわれます。
赤字で何か書いてありますよ。
受付には鬼の手下のような……いやスタッフの女性が説明してくれます。
そばに家族づれがいて「おみくじ自動券売機が動かない」とかなんとか、すこし渋滞……
男性が対応しています。もしかしたら、ご住職かもしれない。
全興寺。けっこう忙しいのでした。
地獄への入りかた
説明を受けて地獄堂に戻ります。
受付で、さきに100円を払えば時短ですので覚えておいてください。
それにしても、QRコードとは……
「新旧ないまぜ」のシステム。
地獄もアップデートしているのですね。
それにしても最初に拝観料100円を徴収されないところが、おおらかですね。
まずは薬師如来にごあいさつ。
みな、ゼッタイ地獄堂に行くので受付に戻る。100円おさめにくる。自信のあらわれかもしれません。
極楽度・地獄度チェック(手動)
ど、どうしよう。わたしは煩悩にまみれまくっています。
家族をネタに、悪しざまに文を書く。
1000円以下のパフェを夜な夜な探し、たいらげる。
時間もお金も無駄づかい。しぶんがカワイイ。じぶん勝手にいいほうに考える。
わたしは、みんな地獄への道 (黄色)です。
ふたつだけ極楽への道(青色)です。
エンマ大王のおさばきは「地獄行き 覚悟せよ」でした。
さばきの下のアドバイスがおもしろい。
極楽行き・たいこ判のひとへのアドバイス
「そんな奴はおらん。本当の自分の姿をよく見つめなさい」
エンマ大王。
地獄通行手形
◆紙製・QRコードあります。
◆一生使えます・永久保存版!
◆5歳以下無料
◆終わりのないのが終わり。
◆何度でも地獄へ行けます!
◆紛失したら、また100円
地獄の扉は全自動
ここは、英語の説明あり。
地獄のトビラは自動ドアですよ。
ガラッ、シャーッと開きます。
オートマチカリィ……。
なんとドラはゴングと言うのですね。
こわい暗いせまい
暗いです。ひとりは嫌です。狭いです。
おじけづく、わたし。スマホ持つ手が震えます。
まともに写せなくてスミマセン。
舌をぬかれるやつ。本物は看板より怖い……!
ひいぃ、奥にエンマ大王が見える。
目が慣れないうちに、扉の中へ入ったらよかった。
もう、なみだ目。助けて!
これ以上はムリかも。
ドラは、そこにある。ドラを……。
エンマ大王の真言? ほんとう?
さいせん?
さいせん、さーせん、すみません。
このなかに6分もおれないですぅ。
あとずさり、あとずさり。退場。
地獄への道は怖くて断念しました。
チーン、終了。
お花と緑がたくさんあります。
アジサイがふっくら。雨のしずくと光ります。
ぽとり。桃の実が落ちていました。
そして地獄の怖さも、うすらいできました。
ほとけのくに
「ほとけのいのちにつつまれる」
地下に瞑想スペースがあります。
西国四十八ヶ所のお砂が入った手すりだそうです。
水琴窟。どこにあるのか。
水が落ちる静かなリズム。長い呼吸へと、いざないます。
ほとけさまに かこまれる ばしょ。
お寺といえは、座禅がうかびます。
地下の瞑想・ほとけのくに。
だれか来ました。ゆずりあい。
そろそろ地上に帰ります。
現実にもどる
おもしろい平野のまち。まちあるきは、また次の機会にいたします。
おわりに
地獄堂の壁のおことばです。
お父さんお母さんへ
お寺からのおねがい!
この地獄堂は子供たちに「悪いことをしないこと」と「自分のいのちを大切にすること」を教えるために開いたものです。
お父さん、お母さん むやみに子供に恐怖心を与えて言うことを聞かせるための材料にしないで下さい。
こわいエンマさまの姿は本来はお地蔵さまのやさしい慈悲の心のあらわれなのです。
これを機会に子供たちと「いのちの大切さ」についてもう一度、話あってみて下さい。
暑い日も寒い日も
「いのちの大切さ」を伝える。
全興寺のエンマさま。
きょうも いちにち。
ところで あなたは だれ?
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。