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大阪・タビノネさん〜秋の旅の音〜


秋の散歩道からの、寄り道。これも楽しい。
歩くのに、ここちよい季節。
風をみる余裕と、新しい発見。



タビノネ?

いつもと違う道。肌を差すような陽射しが和らいだので、違う道を歩きます。

返事の保留
娘と孫が旅行に行くので「いっしょに」とのお誘いがありました。
生活の余裕はない母子家庭、孫娘が3歳になるので記念にと。


旅行。久しく行ってないのです。
妊娠中の娘と倉敷に行こうと申し込んだのは三年前。
旅行当日、体調不良で娘はキャンセル。
新幹線のホームから帰宅したんだっけ。

それから旅行という単語、音が、じぶんの頭から薄れました。
たぶんみんなの暮らしから。
旅の|音。タビノネ。

珈琲と菓子
タビノネさん
大阪市西区北堀江1-13-20


人生の寄り道

2歳なら無料、3歳から有料の施設、遊園地などの多さ。
それで東京の向こうの夢の国へ行くと言う娘。


「新幹線の2時間半、間がもたないから来て~」
あらあら、これが本音ね。


人生のレールを走る、わたしたち。
通勤急行になったり、快速になったり。
地下にもぐって、地上に出たり。
山あり 谷あり。

新幹線に乗れば途中下車できない。
決まった駅まで一直線……
「間がもたない」そんなときもある。


途方に暮れる。そんな時。
わたしもあった。
新幹線のように、まっ白……
あれもやらないと、これもやらないと!
きもちだけ光速。こころは鈍行。いつだったか。



菓子会館 をかし

今日のお散歩。
大阪の1990年代ぐらいからの、オシャレな人気エリアを歩いている。
わたしの住んでいるテーマパーの隣だ。

こんなところに白い建物。
菓子會舘。
貸し会館になっている。
なにやら服屋さんが入っている。

和菓子、洋菓子かな?


お菓子。さっぱりとモダンなスイーツ。シンプルな白いおやつ。茶色いおやつ。
お菓子は甘くてしあわせ。
菓子会館。帰宅したら調べてみよう。

まわりは、カフェや服屋さんが立ち並ぶ。
ここは戦前、粋な街でした。
飲食店も多く「寿司会館」なんてのも見ました。
歩くと感じる独特な街。茶色のお店がすぐそこに。


旅のはじまり

最初は暗く感じた喫茶店。しばらくすると目が慣れる。
おひとりさまのカウンター。
灯りは、手元のランプだけ。

サイフォンコーヒー


まさに琥珀色こはくいろ
秋が深まり、豊穣のよろこびと落ち着きと。
コーヒー色の夜空に星が。
異空間。いきなり、どこかへ飛んでいく。
深い深い壁におおわれたトンネル、やっと足元が見えてきた。

ハスの実だ。
人生の華は遥かに過ぎ「花は咲いた? やり残した事はない?」
足元から聞こえてくる。

見る人によって、柄は違うのでしょう。
何に見えるのか、見えないのか。

アクリル板はあるけれど


この透明な隔たりにも慣れてきましたね。
顔の下半分もおおっている、そんな時代に。


さっきの菓子会館を見たせいか、パフェをおともに旅します。
カラフルなコーヒーゼリーパフェ。
いろんな味が誘います。


旅行は、やっぱりいいよ。旅は道づれ。
ふわふわのミルクプリンと、カリンカリンの粒つぶ。

最近のパフェの底は、ペラペラのコーンフレークではない。グラノーラという、まるい粒つぶ。
大阪ではぜったいに観れない、旅先のお星さまのようだ。
コーヒーには星の明かりがあるけれど。


子どものころ、パフェを食べた。
細く長いスプーンがペラペラのコーンフレークを見つけ出すと、さびしくなった。
かつん カツン。 グラスの音だけ。
ふやけたコーンフレークの声はない。
パフェとサヨナラ。
出会いと別れ。人生の旅は、くりかえし。

茶色いトンネルの出口。
秋の深まり。タビノネの旅の音。
新幹線の音もまた旅。
カタイアイスの溶ける音。
どんな音? 三人で確かめよう、旅の


娘に光速で返信しよう。


 毎週月曜日は
「コーヒー・喫茶店エッセイ」の日


いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。


最後までお読みくださり、
ありがとうございます。

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