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火鉢
日本の冬。かじかんだ手をかざした火鉢。
戦後、ストーブ・ヒーターなど部屋の暖房器具が出現。
そして、引退した火鉢のその後は。
火鉢とは
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上の画像は、大阪の結音茶舗さんの店内です。
戦前からある、むかしの家を改装し昼間はランチ・緑茶が飲めるお店です。
テーブルとして小さな机。傍らに火鉢とその上に鉄瓶。
ごくごく普通の家庭の居間です。
こんなに本やソファーは、ありませんでしたが……
火鉢
火鉢は陶磁器や金属や木材などでできた器具で、入れた灰の上で炭を燃焼させ、暖房や湯沸かしや簡単な調理を行うもの。
火櫃(ひびつ)や、火桶(ひおけ)などといい、冬の季語。
形状により長火鉢、角火鉢、六角火鉢、丸火鉢などの種類がある。
材質は陶器や木製、金属製のものが多いが珍しい石製のものもある。
今でいうミニストーブのようなものです。鉄瓶でお湯を沸かしたり、置いたまま、ずっと水を差して乾燥防止のスチーマーなどに。
寒い季節の頼りになる便利品でした。
なかに炭が入っていて、セルフ焼肉屋さんにある七輪を大きくしたような、と言えばイメージしやすいかと思います。
長火鉢
引き出しがついたタンスのような長火鉢。お店屋さんにもありました。お酒を燗にしたり、おでんの鍋を置いていたり。
よく時代劇で見ますね。
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炭は友だち
戦後、少しの間まで日本を温め続けてきた火鉢。
寒い地方なら火鉢より、石炭ストーブの設置が必須でした。
大阪の冬は、あまり雪も降らず暖かい。
局所的暖房器具・火鉢の使い勝手が良かったのだと思います。
今では、炭は水や空気の消臭・浄化材のような役どころです。
キャンプなどで火力として使う程度になりました。
私の小さい頃は、火鉢用の豆炭といって
小さな炭も売っていました。これは、大阪だけの呼び名かもしれません。
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豆炭を火鉢に入れる時に使うのは火箸と言い、鉄の重たい菜箸のようでした。
火は、どうやって点けていたのか、あまり記憶にありません。
きっと、子どものいない時間にセットしていたのだと思います。
女性たちは、火箸をうまく使って炭の火が絶えないよう、豆炭を並べかえたり、置場所を変えて火力を調節してました。
これも立派な家事だったのでしょうね。
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また、悪さをする子には火箸で威嚇したり、少しだけ、お仕置きの道具っぽい見せ方もしていました。
怖いことを言って「どうも、炭ません」
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「火の用心」
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当時、火鉢が原因で一酸化炭素中毒とか練炭中毒で亡くなる人もいました。
火事も多かったと記憶しています。
夜、寝るときに炭に灰をかけて鎮火。ところが火鉢にはスイッチは、ついていない。全手動です。
当然、炭なので換気が必要です。冬になると「火の用心」が、徹底されていました。
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第二の人生、いや鉢生
令和のいま、暖房器具は電気類のヒーターが多くなりました。
床暖房も完備の家もあります。
お役御免の火鉢は、どうなったのでしょうか?
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よく見るのは、一軒家の玄関に植物の鉢として並んでいます。
陶器で、植木鉢のテラコッタより、やたら大きいのが火鉢です。
藍色は褪せないのか、カラーも鮮やかだったり、個性がありますね。
植物すらなくて、そのまま放置プレイもあります。
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残りの余生は、だいたい植木鉢。
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石臼や、プラ容器の漬物樽なども混じっています。
陶器なので、処理するなら有料の粗大ゴミになるのでしょう。
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しかし丈夫です。火をつかう道具でしたので、重たいし壊すのも大変。
どうしようもなく……ダブル植木鉢としても存在しています。朱色は珍しい。
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他に「いけず石」として家を警護。
車を停められないように並んでいるものもあります。
野良猫よけ?ペットボトルも昼寝しています。
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水鉢として
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たまに、水草やメダカなど現役の水槽として活躍している火鉢もあります。
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近年はレトロなインテリアとして飾る人もいるとか。
リサイクルやリユースできれば、火鉢も喜びます。
あるお店ではゴミ箱として活躍しています。
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大阪の街に、以外と沢山ありました。
まだまだ引退した火鉢に会うことができます。
火鉢、
買えば高そうだと思いながら……
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「フォト・イラスト」の日
いつも こころに うるおいを。水分補給も わすれずに。
最後までお読みくださり、
ありがとうございます。
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