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この家どうするの?(19) 保証人

新居は賃貸マンションに決定。
マンションというより、ハイツ・コーポのたぐいです。
とうぜん保証人が必要。わたしの父に保証人になってもらおうとするも……


保証人は翌日撤回

当時、オットの父は定年退職し家でのんびり。定年は55歳、58歳、移行期で、再就職せず隠居する人が多かったのです。


そのためオットの父は保証人になれず。
それでうちの父にマンションの保証人になってもらおうとしました。
わたしの父は、いったんは了承したものの翌日、
「やっぱり保証人には、ならんわ。
おまえらが遊んでしもて、なにかあったら嫌やし」
……断られてしまった。


わたしのこと信用ないのは仕方ないが「婿どの」となるオットに対して、あんまりだ。
オットは、ちゃんと仕事してるし、ナニをイヤがっているのか?


書類が揃わないとマンションに入居できない。
「なんて親だ! どんな親やねん?」


オットの両親も、あきれるのを通り越して怒っていたのではなかろうか。
いやがらせか、なにか?
娘の結婚・マンション入居の保証人にならないとは……



いやがらせか?

「家は、男のほうで用意するもんや」
かたくなに嫌がり変な理屈をこねて逃れようとする、わが父。


では、父がみずから先方にあやまってくれるかと思えば、そんなことしないのだ。なにもしないで、わたしに電話をかけて処理させるだけ。



「父に保証人ことわられた。どうしよう」


オットは自分の叔父にお願いし、書類その他を取り寄せてもらった。
そして大家さんに提出。やっと入居。


つらいトラウマ

いまから、約30年前の話です。
保証人になれない年金ぐらしのオットの両親。
零細自営業のわたしの父。
自分勝手で融通がききません。
オットの両親を、おもいばかるこころもない父。


ギクシャク、かっこわるい。恥ずかしい。みじめ。
じぶんの気もちが、ぐしゃぐしゃに。
これで結婚がダメになったらどうしてくれるんや……


いろいろブルーになりました。


このことは、何十年たっても、頭のスミにモヤモヤ残っていました。
父が死んでから、ハッと思い出したのです。


わたしがちいさいころ、
祖母に会いに取引先のオッチャンがよく家にきた。
あいそのいいオッチャンだった。
たびたび祖母にお金を借りにきたらしい。
父はそのオッチャンを嫌っていた。そのうちオッチャンの顔が見えなくなった。


夜逃げ
祖母が保証人になっていた


父は他人を信用できなくなっていたのだ


「保証人」
マザコンの父。
二度と聞きたくもない。苦労と苦労。
絶対になりたくもないものだったのです。


やれやれ、なんとか入居しました。


そのときはわからなかった。


人生のつじつま。
ずっとあとになってから
わかることがあるのですね……



毎週金曜日は
「親の持ち家」の日


いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに


さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。



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