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銭湯の新ブラ

スーツ姿の男性がふたり、銭湯の暖簾のれんから出てきた。足取りも軽やかにスッキリとした顔で。
ここは大阪。通天閣つうてんかくのお膝元・銭湯「新世界ラジウム温泉」さんです。


新世界ラジウム温泉さん

2025大阪・関西万博に向けて、大阪のあちこちが工事中やら、お色直しやら。
通天閣も例外ではなく塔の部分はカバーがついて、ちょっとポッチャリしています。


この通天閣の足元。デデンと銭湯があるのを、ご存じでしたか?

ラジウム温泉さん
大阪市浪速区恵美須東えびすひがし1-4-13
第2・第4木曜休み


最寄り駅は
●Osaka Metro(大阪メトロ)堺筋線・
阪堺電車…恵美須町駅えびすちょうえき
●JR大阪環状線・新今宮駅しんいまみやえき (少し遠いです)


ラジウム温泉さんは、ビルのような銭湯です。バッと見て、お風呂があるなんて、わかりません。
意外性があって、案内すると喜ばれます。見どころ満載、新世界の接待に是非!


特筆すべきは、朝6時からの朝風呂営業です。
夜行バスや長距離バスで大阪に着いたら、早速の入浴も可能。朝活にもオススメです。

こちらのラジウム温泉さんは、天然のラジウム温泉ではありません。
ラジウム鉱石のお風呂と、高濃度人工炭酸温泉があるのです。名前はラムネ風呂。


通天閣の足元ブラブラと

ちなみに通天閣の鉄筋コンクリートの脚まわりを見てみると、いろいろな施設があります。
通天閣の下に潜ると、まずタクシー乗り場。串カツ屋さんも見えます。

よく見ると天上に、なにか描かれています。

レトロなイラスト。
この天上画は、クラブコスメティックス社のレトロ広告。
大阪の老舗・化粧品会社です。
通天閣に行って時間のあるかたは、車に気をつけて、ゆっくりと優雅な天上画をご覧ください。

下向きの赤い矢印のアピール。
餃子の王将ではなく、将棋の王将・坂田三吉さんの記念碑。

通天閣の入り口、こちらです。たしかに、どこから入るのか迷いますね。王将が目印です。小さな派出所もあります。
「通天閣」という喫茶店やミックスジュース発祥の「千成屋珈琲」……
歩くだけでも楽しい。


新世界をブラブラこれぞ新ブラ。


そして、みな通天閣か串カツ屋さんに吸い込まれていくのです。
画像の串カツ屋さんの奥に、ラジウム温泉さんが、ちょこんとあります。忘れないで。


キリン君がお出迎え

さあ、暖簾をくぐりましょう。新世界ラジウム温泉さんは、天上が高い!

実物大ほどのキリン君がいます。男の子です。画像で確認してね。

皆さま、ここで笑いを取るところです。
たとえば……
「となりの天王寺動物園から出張」
「やっぱり、女湯のほう向いてる」
「チエちゃんおらんで、チェッ」
「キリン500円で動くで」
冗談です……動きませんので、あしからず。

入浴料・券売機があります。「下駄箱に靴をいれてください」と英語も書いてあります。外国人観光客も安心です。
貸しタオル・石鹸なども完備。手ぶらでもOKです。


実は、この自動ドア、せっかちです。ガーッと開閉。すぐ番台があり、男湯の脱衣所が……ちょっとビックリします。女湯は大丈夫です。


浴室もレトロな接待

脱衣所の壁は白い……なんと漆喰です。丈夫そうな造り。
雰囲気は昔ながらの銭湯です。


浴室の天井は高く楕円形。サッカーのスタジアムのよう。びっしりと豆タイルが躍る。これは壮観です。
とても広い!団体さんでも接待でも誰が来ても大丈夫ですよ。


スチーム・バスには蒸気風呂と書いてある。
浴槽も大きいので、気持ちも大きくなります。
ラムネ風呂も入りましょう。薬風呂に電気風呂があります。



露天風呂の解放感

新世界ラジウム温泉さんの売りは「露天風呂」です。
浴室から外へ出るドアを開けると、
露天風呂。
目の前に、ガラス越しですが日本庭園。
大阪の真ん中で、立派なお庭と大きな露天風呂。外気浴をかねて休憩します。

空を見上げると、通天閣。
以前は露天風呂が開放的過ぎました。近隣から見えるのではないかと思うほど。


女湯から通天閣が見えるということは、その逆も?
銭湯ファンの女子たちの物議をかもし……わたしも心配でした。
そんな声が届いて、露天風呂の屋根が広がった。
と、露天風呂に入っていたマダムに教えられ確認。
ほんとうに、前より屋根が張り出して、隠れる面積が多いです!
ちょこっと通天閣の天辺てっぺんがみえます。
向こうからは、死角になってるようです。良かった!
どうぞ、ご安心ください。



湯上がりは無限に

ラジウム温泉さんの、もうひとつの特徴。
それは、近所の映画館の上映作品のお知らせ (白い紙にタイトルだけ書いてある) のが、脱衣所に貼ってあるのです。


戦前の建物という映画館、
「新世界 国際劇場・新世界地下劇場」
まだこんな渋い映画館が、新世界にあるのです。


女湯には不要では? と思いましたが、タイトルだけなので見てください。声に出さず、心のなかで読んでください。


お土産もあります

オリジナルタオル・ラムネ。ドリンク、その他、銭湯の本や絵はがき……。
さすが新世界です。たくさんあります。
わたしは、むかしの通天閣プリントのラムネを買いました。

人は、まばらな新世界。
今のうちかもしれません。
車だけが多くクラクションが響きます。


さっきのスーツ姿の男性ふたり、さっぱりした顔でした。
元気をチャージ、あの露天風呂を堪能したのですねぇ。


大きな仕事が成功したのか、はたまた、これから営業か?


昼間から、スーツ姿のサラリーマンも立ち寄る銭湯。




いつも、頑張っている自分に接待。
自分に、ご褒美を!
湯上がりのお楽しみはたくさん!

今宵は、新ブラで乾杯!


毎週土曜日は
「銭湯エッセイ」の日


いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。

最後までお読みくださり、
ありがとうございます。


#銭湯

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