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この家どうするの?(32)葬儀屋さん今昔・8「因果な商売」

父の葬儀・葬儀屋さんの回想録です。わたしは喪主。つらくなるかたは、お読みにならないでください。病院以外で人が死ぬとこうなる……ほんの一例です。
葬儀屋さんが決まる、それから。
(1097文字)


葬儀屋さんが決まれば警察に連絡

実家で孤独死の父。自宅死など病院以外で人が死ぬと「不審な死」なのです。警察がやってきて行政解剖とやらに父を連れてていきました。

葬儀社を決めて連絡するようにと、渡された刑事さんの名刺。
連絡しなくては。これは仕事。
朝の始業時間は過ぎた。
そこは始業時間も、あってない場所だろうけど。


警察に出向いたりしたのは、お財布を落としたときだけだった。

「強行犯係」
よりによって、警察に葬儀社名を申告とは。
……担当の刑事さんは不在。かなり、ほっとした……。まだやるべきことがあるので……。
代わりの刑事さんに葬儀社名を伝えた。


お迎えは葬儀社さんのみ

監察医事務所。一般人は入れないのだろう。監察医のテレビドラマは聞くが観たことはなく。患者さんでない人を診るお医者さまもいるのだ。いろんな仕事があるのだ。


警察には縁がない父だった。
こんなことになって、父は……わたしを……うらんでいるだろうか?


解剖後は、警察から葬儀屋さんに直接、連絡が入るそうだ。喪主(わたし)をかいするより葬儀屋さん。双方、時間のロスは避けたかろうね。

しかし解剖の終わり時間は、いつになるのだろう。混んでいるのか空いているのか。それは誰にもわからない。


今回お願いしたA葬祭さんは
「わがまちの葬儀屋さん」
すがるしかない。任せるしかない。たよりにしてます。これで良かった。


次はどうなるの?

それにしても、まったく勝手がわからない。
父の最後の居場所はA葬祭さんのお部屋の予定。
自社ビルを持つ葬儀屋さんでよかった。

しかし監察医事務所の場所。大手のA葬儀屋さんでも知らなかったみたい。あまりない事例なのかも。


そんなこと考えてたら着信音が。
警察からかと思い、うっかり電話に出た。

「A葬儀社ですけど、お決まりになられましたか?」

断ったはずなのに、見積り金額にもたどり着かなかったのに。


「すみません、葬儀は他社に決まりましたので」

「えぇ、そうなんですかぁ?
僕、そちらの近所の△△町に住んでるんですよ」
「それ、どこの会社か教えてもらえませんか?」


「すみませんが、教えられません。」

そう言うのが、精いっぱいでした。
なにそれ。
そこまで聞くのも仕事?やらしいとか思わないの?
昭和の営業じゃあるまいし。


 (不謹慎ながら続きます)

毎週金曜日は
「親の持ち家」の日

いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに

さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。

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